富士忍野高原トレイルレース完全攻略|ロング35kmの累積1,887mと関門突破の目安

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「富士山の見える山を走ってみたい。でも、いきなり100kmは無理」。そんなときに名前が挙がるのが、山梨県忍野村で毎年6月に開かれる富士忍野高原トレイルレースです。約4kmのファミリーランから約35kmのロングまで4種目がそろい、初めての一本にも、シーズン前半の勝負レースにもなる。この振れ幅の広さが、この大会が長く支持されてきた理由です。

ただし「初心者でも安心」という言葉だけを信じてエントリーすると、痛い目を見ます。ロングコースは公式配布のGPXから計算すると累積の上りが約1,887m。距離あたりの上りは1kmで約54mに達し、フルマラソンの平坦コースとはまったく別の競技になります。関門も時刻で固定されているため、「制限8時間」という数字だけを見て走ると途中で終わります。

この記事では、公式の大会要項とコースGPXを実際に取得して数字を洗い直し、どのコースを選べばいいのか、関門はどこがきついのか、エントリーはいつ動けばいいのかを整理しました。読み終わるころには、自分がどの種目に申し込むべきかが決まっているはずです。

🏃 この記事でわかること
・4種目の距離・累積標高・制限時間を横並びで比較した「本当の難易度」
・関門時刻から逆算した、コース別に必要な1kmあたりのペース
・ウェーブスタートで持ち時間が20分変わるという見落としやすい落とし穴
・エントリー時期、ふるさと納税枠、前日から当日までの動き方
目次

富士忍野高原トレイルレースはどんな大会か|まず押さえる基本情報

富士忍野高原トレイルレースはどんな大会か|まず押さえる基本情報の解説画像

4種目・定員2,800名、富士山を囲む稜線をぐるりと走る

富士忍野高原トレイルレースは、山梨県忍野村の忍野中学校を発着に、村を取り囲む山々の稜線をたどるトレイルレースです。直近の第17回は2026年6月7日(日)に小雨決行で開催されました。種目はロング(約35km・定員700名)、ミドル(約21.6km・定員1,000名)、ショート(約13.2km・定員800名)、ファミリーラン(約4km・定員300名/150組)の4つで、合計2,800名規模。忍野村公式の観光情報によれば2010年に始まった大会で、山梨県屈指の人気レースと紹介されています。

使い方はシンプルです。トレイル未経験ならショート、ロードのハーフを走り慣れているならミドル、山を走る前提の練習を積んでいるならロング。同じ日に同じ会場で4種目が動くので、家族で来て自分はロング、子どもとパートナーはファミリーランという参加も成立します。

注意点は、種目ごとに難易度の段差が大きいこと。公式サイトもロングを上級者コース、ミドルを中級者コース、ショートを初級者コースと明示しています。「去年ショートを完走したから今年はロング」と一気に飛ばすと、後述する累積標高の差で足が止まります。大会要項(公式)で自分の種目の条件を必ず確認してください。

Mt.FUJI100のフレンドシップレースという位置づけ

この大会は、日本最大級の100マイルレースであるMt.FUJI100のフレンドシップレースとして、2026年シリーズに組み込まれています。これは「いつかMt.FUJI100を走りたい」と考える市民ランナーにとって、同じ富士山麓の山域で自分の現在地を測れるという意味を持ちます。

根拠は運営体制にも表れています。主催は富士忍野高原トレイルレース大会実行委員会で、主管に忍野村、忍野村教育委員会、忍野村観光協会が並び、地元の消防団・猟友会・スポーツ協会などが協力に名を連ねる村ぐるみの運営です。エイドステーションはロングで5ヶ所、ミドルで3ヶ所、ショートで1ヶ所が設けられます。

一方で、フレンドシップレースだからといって難易度が抑えめというわけではありません。ロングは山頂と岩場を含む本格的な山岳コースです。初めてのトレイルレースに「Mt.FUJI100の関連大会だから」という理由だけでロングを選ぶのは避けてください。

参加賞・完走賞と表彰|地元の食が待っている

参加賞はオリジナルロングTシャツと折り畳みコップ。完走者にはオリジナルフィニッシャータオルに加えて、忍野村の蕎麦と水が手渡されます(ファミリーランはタオルのみ)。名水の里として知られる土地柄が、そのままフィニッシュ地点のご褒美になっている構成です。

表彰は各種目の男女各6位までに加え、男女各年代別(29歳以下、30歳代、40歳代、50歳代、60歳以上)の1〜3位まで。市民ランナーにとって年代別表彰があるかどうかは、モチベーションを左右します。参加人数によって年代別の区分が変更になる場合がある点は覚えておきましょう。

デメリットも正直に書くと、折り畳みコップが参加賞に含まれているのは「エイドでの使い捨てカップ配布に頼らない」運営方針の裏返しです。コップを忘れると給水で手間取ります。受け取ったらそのままザックのポケットに入れておくのが確実です。

📊 データで見る
公式配布のGPXファイルを取得して積算したところ、ロングコースは距離35.02km、上りの累積が約1,887m、最高標高が約1,630m、最低標高が約930mでした。最高地点は杓子山の東に連なる鹿留山(1,632m)とほぼ一致します(ランニングスタイル調べ/出典:コース&アクセス(公式))。

ロング・ミドル・ショート、どれを選べば後悔しないか

距離ではなく「1kmあたりの上り」で選ぶ

種目選びで最初に見るべきは距離ではなく、1kmあたり何m上るかです。公式GPXから計算すると、ロングは1kmあたり約54m、ミドルは約38m、ショートは約32m。ロードのフルマラソンが1kmあたり数mであることを思えば、ショートですら別世界だとわかります。

この数字は練習内容に直結します。1kmで50m上るというのは、平坦区間と急登が交互に来るということです。フラットな河川敷だけで走り込んできたランナーは、心拍が上がりきったまま脚を使い果たします。逆に、階段や坂道の反復を週1回入れているランナーは、同じ距離でも余裕を持って通過できます。

注意したいのは、GPXの標高値は計測機器由来のため、公式発表の累積標高ではないという点です。あくまで種目間の相対的な差を見る目安として使ってください。それでも「ミドルはロングの半分よりずっと楽」という関係が数字で見えるのは、種目選びの助けになります。

種目公式距離累積の上り1kmあたり制限時間必要な平均
ロング約35km約1,887m約54m8時間13分42秒/km
ミドル約21.6km約851m約38m6時間16分39秒/km
ショート約13.2km約422m約32m5時間22分43秒/km
ファミリー約4km河川敷で起伏なし50分
標高の比較チャート(大平山 1,296m・高座山 1,304m・杓子山 1,598m・鹿留山 1,632m)
標高の比較(ランニングスタイル調べ・各公式サイトより、2026年8月時点)

距離・制限時間は公式要項、累積の上りと1kmあたりの数値は公式GPXからランニングスタイルが算出。ミドルのGPXは前回大会配布分。

ショートは初トレイルの登竜門|13.2kmを5時間で歩き切れる

トレイルレースが初めてなら、迷わずショートです。約13.2kmに対して制限時間が5時間あり、必要な平均は1kmあたり22分43秒。これは「ほぼ歩き」でも間に合う設定で、走力よりも山道を安全に進める判断力が問われるレベルです。エイドステーションは1ヶ所ですが、コース上には富士八景の一つとされる二十曲峠が含まれ、条件がよければ正面に富士山が広がります。

向いているのは、ロードで10kmを走れるがトレイルは未経験という人、あるいは登山経験はあるが競技として走るのは初めてという人。舗装路と土のトレイルが入れ替わるので、山用の靴を持っていない段階でも参加のハードルは低めです。

注意点は、時間に余裕がある分だけ「観光気分」になりやすいこと。二十曲峠に11:25の関門があり、ここに間に合わなければその先には進めません。写真を撮る時間も含めて、関門から逆算して動く意識は必要です。

ミドルは山中湖側の稜線が主役|21.6kmで851m上る

ミドルは約21.6kmで制限6時間。公式GPXからの計算では上りが約851mで、ロードのハーフマラソンとは別物です。公式サイトが挙げるハイライトは平尾山(1,290m)から大平山(1,296m)にかけての稜線で、山中湖越しに富士山へ迫っていく展開になります。

ハーフマラソンを2時間台で走れる市民ランナーにとって、6時間という制限は一見すると余裕があります。ただし必要な平均は1kmあたり16分39秒で、これは上りを歩き、下りで取り返す前提のペースです。全区間を走ろうとすると後半で脚が売り切れます。

もう一つ、公式が明記している注意があります。平尾山から大平山の区間は自然保護の関係で案内表示がなくなる箇所があり、誘導スタッフの指示に従う必要があります。単独走で先頭集団から離れたとき、道迷いのリスクが最も高いのがこの区間です。

ロングは35km+岩場|「時間内完走」が現実的な目標

ロングは約35km、制限8時間、エイド5ヶ所。公式GPXでは上りが約1,887mで、鳥居地峠から高座山(1,304.4m)へ突き上げ、杓子山(1,597.6m)を越え、二十曲峠を経て戻る構成です。コースマップには1周目・2周目の表記があり、同じエリアを二度通過する区間もあります。

目標設定は「順位」ではなく「時間内完走」に置くのが現実的です。必要な平均は1kmあたり13分42秒。上りで20分/km近くかかる区間がある以上、走れるところで貯金を作る組み立てが必要になります。

失敗パターンとして多いのが、フルマラソンの持ちタイムを基準にした種目選びです。サブ4の実力があってもトレイル未経験なら、ロングは関門との勝負になります。まずミドルで山を走る感覚をつかんでから翌年ロングへ、という2年計画のほうが完走率は上がります。次の一本を探すときは、下り主体のレースと組み合わせると脚づくりが進みます。

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コースの正体は稜線のアップダウン|通過する山と3つの難所

コースの正体は稜線のアップダウン|通過する山と3つの難所の解説画像

高座山の急登|ススキの斜面をひたすら上る

ロングコースの最初の関門は、鳥居地峠から高座山(1,304.4m)への上りです。秋には一面がススキの草原になる斜面で、富士山の展望は忍野八海や杓子山と並ぶ好展望地とされます。裏を返せば、それだけ開けた急斜面をまっすぐ上るということです。

ここでの正解は、序盤から歩幅を狭めて心拍を上げすぎないこと。参加者のレポートでは、スタートから杓子山の山頂まで約1時間半という記録が残っています。この区間で全力を出すと、後半の岩場でブレーキが利かなくなります。

注意点は路面です。乾いていれば土の急斜面、雨の後は滑りやすい泥に変わります。小雨決行の大会である以上、グリップの効くアウトソールを履いているかどうかで、この一本の上りにかかる時間が変わります。

杓子山の展望と、その先の岩場の下り

杓子山(1,597.6m)は忍野村・富士吉田市・都留市の境界にある山梨百名山の一座で、山頂は360度のパノラマ。眼下に忍野の集落、正面に富士山という構図が、この大会の象徴です。公式サイトも「富士山の雄大さにしびれる」と表現しています。

問題はその先です。杓子山からの下りには急な岩場が連続し、参加者のレポートでは一人ずつ順番に下るしかない状況になり、約20分の渋滞が発生したと報告されています。ここで消える時間は、自分の走力ではどうにもなりません。

対策は2つ。第一に、渋滞込みで関門時刻を逆算しておくこと。第二に、渋滞中に補給を済ませてしまうことです。動けない20分を「休憩」と捉えられるかどうかで、その後の30km地点での余力が変わります。

⚠️ 注意したいポイント
公式の競技ルールでは、雨天時など天候によってコースを変更する場合があり、ロングコースがミドルコースのコースを使って実施される可能性が明記されています。「35kmを走りに来たのに」と当日に動揺しないよう、代替コースがあることは頭に入れておきましょう。

平尾山〜大平山|案内表示が消える自然保護区間

ロングとミドルが通過する平尾山から大平山の区間には、自然保護の関係で案内表示がなくなる箇所があります。これは公式の競技ルールに書かれている事実で、誘導スタッフの指示に従うよう求められています。

この区間は山中湖側に開けた稜線で、景色は素晴らしい一方、単独で走ると分岐の判断に迷いやすい場所です。前後にランナーが見えなくなったら、ペースを上げるより先に足元のテープと標識を確認する習慣をつけてください。

実践的な対策は、事前に公式サイトからGPXデータをダウンロードし、GPSウォッチかスマートフォンの地図アプリに入れておくこと。コースマップのPDFも配布されているので、印刷して携行すれば電池切れの保険になります。周辺の地形感覚をつかむには、山中湖の外周を走ってみるのも有効です。

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二十曲峠|関門とエイドが同居するコースの心臓部

二十曲峠は、富士山・富士五湖観光圏の富士八景の一つに数えられる展望地です。そしてこの大会では、ロングの第2関門(14:10)、ミドルの第1関門(11:00)、ショートの関門(11:25)がすべて置かれる、コースの心臓部でもあります。

エイドステーションも設置され、参加者のレポートでは水・スポーツドリンク・オレンジ・バナナなどを補給できたとされています。ボランティアの声かけが温かいというのも、この大会の評判どおりです。

ただし同じレポートには「お腹にたまるようなものはあまりなかった」との記述もあります。固形の補給食は自分で持つ前提で組み立ててください。峠のエイドで初めて空腹に気づくと、その先の上りで動けなくなります。

関門はどこがきついのか|時刻から逆算する完走戦略

ウェーブスタートで持ち時間が20分変わる

意外と知られていませんが、この大会の制限時間は「最終ウエーブからの時間」で定義されています。ロングは7:20から5分毎に5ウェーブ、ミドルは7:50から3ウェーブ、ショートは8:20から2ウェーブという構成です。

つまりロングの最終ウェーブは7:40スタート。制限8時間はここが基準です。ところが関門は時刻で固定されており、第1関門の笹尾根公園は12:50、第2関門の二十曲峠は14:10。先頭ウェーブ(7:20)の人は第1関門まで5時間30分ありますが、最終ウェーブ(7:40)の人は5時間10分しかありません。同じ関門に対して、持ち時間が20分違うわけです。

対策はシンプルで、自分のウェーブが後方だとわかった時点で、関門までの所要時間を20分短く見積もっておくこと。ミドルも同じ構造で、第1関門11:00に対して先頭は3時間10分、最終ウェーブは3時間です。この差を知らずに走ると、想定より早く関門が迫ってきます。

👟 ランナー目線の本音
トレイルの完走を左右するのは、実は最後の関門ではなく最初の関門です。序盤は元気なので飛ばしがちですが、岩場の渋滞や上りの失速はすべて中盤に集中します。関門を「通過できるか」ではなく「何分の貯金を持って通過したいか」で考えると、序盤のペース設定がぶれません。

1kmあたりに直すと見えてくる必要ペース

制限時間を距離で割ると、必要な平均が見えます。ロングは35kmを8時間で1kmあたり13分42秒、ミドルは21.6kmを6時間で16分39秒、ショートは13.2kmを5時間で22分43秒。数字だけ見ると緩く感じますが、これは登山の標準的な歩行速度に近い水準です。

実戦では、上りで1kmあたり20分前後、平坦な林道やロードで7〜9分、下りで8〜10分といった配分になります。上りで使う時間を、走れる区間でどれだけ取り返せるかが完走の鍵です。ロングの給水所は3.7km地点が最初、17.6km地点が3ヶ所目という配置で、区間ごとの水分計画も立てやすくなっています。

注意点として、この平均ペースには渋滞やエイド滞在の時間も含まれます。エイドで5分×5回止まれば、それだけで25分。数字の上で「ぎりぎり間に合う」計算をしていると、現実には間に合いません。

関門時刻の一覧と、逆算の考え方

第17回の関門は、ロングが笹尾根公園12:50と二十曲峠14:10、ミドルが二十曲峠11:00と笹尾根公園13:30、ショートが二十曲峠11:25でした。関門の位置と時刻は年によって変わる可能性があるため、エントリー後は必ず最新のコース・アクセスMAPで確認してください。

逆算のやり方は、まず自分のウェーブのスタート時刻を確定させ、関門時刻との差を出し、そこから渋滞とエイドの想定時間を引きます。残った時間を区間距離で割った値が、実際に必要な移動ペースです。この一手間で、序盤に突っ込みすぎる失敗が減ります。

もう一つの失敗パターンが、大会サイトの「制限8時間」だけを見て、先頭ウェーブ基準で計画を立ててしまうケースです。後方ウェーブの人が同じ計算をすると、第1関門で20分足りなくなります。関門は時刻で管理されているという原則を、計画の最初に置いてください。

エントリーは秋が勝負|ふるさと納税枠という選択肢

第17回は満員御礼|受付開始は前年10月

この大会は毎年定員に達します。第17回のエントリーはRUNNETで2025年10月15日 0:00に始まり、2026年3月31日 23:59が締切という設定で、公式トップページには【満員御礼】が掲示されました。走ると決めたら、開催の前年秋には動く必要があります。

2026年8月時点で、次回にあたる第18回の開催告知は公式サイトに出ていません。例年6月開催という流れを踏まえれば、秋のエントリー開始に備えて公式サイトと新着情報をチェックしておくのが現実的な備え方です。

注意点は、定員が種目ごとに決まっていること。ミドルは1,000名と最も枠が大きい一方、ロングは700名です。人気種目から埋まるため、「まだ締切まで時間がある」と構えているうちに希望種目が締め切られることがあります。

参加費とふるさと納税枠|どちらで申し込むか

参加費(税込)はロング7,000円、ミドル6,000円、ショート5,000円、ファミリーラン3,000円。ショートのみ中学生は1,500円引きです。エイドと計測、参加賞のロングTシャツ、完走賞のタオルと蕎麦が付くことを考えると、トレイルレースとしては抑えめの設定です。

もう一つのルートが、忍野村へのふるさと納税による参加枠です。公式要項ではロング24,000円~、ミドル21,000円~、ショート18,000円~、ファミリーラン12,000円~と案内されており、返礼品が「本大会の参加権利」になります。寄付の控除を使えるなら、実質負担を抑えつつ出走枠を確保できる選択肢です。

ただし落とし穴があります。ふるさと納税サイトの案内によれば、返礼品を申し込んだだけではエントリー完了にはならず、別途送られるエントリー用URLからの手続きが必要です。ここを忘れると出走できません。

🏃 押さえておきたいポイント
エントリーの実務は「①開催前年の秋に受付開始を確認 → ②種目を確定 → ③通常枠かふるさと納税枠かを選ぶ → ④ふるさと納税枠なら参加登録まで完了させる」の4手順。②で迷っている間に定員が埋まるので、種目は夏のうちに決めておくのが安全です。

参加資格と年齢の数え方

参加資格はロング・ミドルが15歳以上、ショートが中学生以上、ファミリーランは18歳以上の保護者と小学生以下の子ども1名のペアです。年齢は開催日を基準に判定されます。中学生がショートに出られる設定は、家族でトレイルを始めたい層にとって現実的な入口です。

ファミリーランは忍野中学校をスタートして忍野村の河川敷を往復する約4kmで、アップダウンはありません。表彰はなく、必ず2人で走り、フィニッシュのときだけ手をつないでゴールするというルールです。競技というより体験に近く、下の子が山道を走れない年齢でも参加できます。

注意点は、申込規約に同意し遵守できること、健康で医師の診断により異状が認められないことが前提条件になっている点です。持病がある場合は、エントリー前に主治医へ相談するのが順序です。

前日から当日まで、迷わないための動き方

前日受付とコースブリーフィングを使い倒す

受付は前日と当日の2回です。第17回では前日受付が6月6日(土)の14〜17時、当日受付が6月7日(日)6時から各スタート30分前まででした。遠方から前泊するなら、前日受付を済ませておくと当日朝の余裕がまったく違います。

前日にはふれあいホールでコースブリーフィングとゲストによるトークショーが行われます。第17回は16時~17時、参加無料で途中退席可という案内でした。コース変更や当日の注意事項が共有される場なので、初参加ならここに顔を出す価値があります。

注意点は、前日受付の時間帯が3時間しかないこと。渋滞にはまって17時を過ぎると当日受付に回ることになり、朝の準備が慌ただしくなります。到着時刻には余裕を見てください。

会場アクセスと駐車場|車派も公共交通派も

会場となる忍野中学校へのアクセスは、公式サイトによれば中央高速から東富士五湖道路の忍野山中ICを下りて10分。無料駐車場が用意されています。周辺は観光地でもあるため、当日朝は早めの到着が安全です。

📍 忍野中学校
住所 山梨県南都留郡忍野村忍草1666-36
アクセス 中央高速から東富士五湖道路の忍野山中ICから10分
駐車場 あり(無料駐車場を準備/大会公式)
公式サイト 公式サイト

公共交通で向かう場合は、富士急行線の富士山駅や高速バスと路線バスの乗り継ぎが基本になります。公式の競技ルールでも、二酸化炭素排出抑制のために公共交通機関の利用や乗り合わせが呼びかけられています。同じ大会に出る仲間がいるなら、乗り合わせが最も現実的です。

注意点として、レース後に自分で運転して帰る計画は慎重に。ロングを8時間近く走った後の運転は判断力が落ちます。近隣に前泊・後泊を組み合わせるか、運転しない同行者を確保しておくと安心です。

当日朝のタイムライン

スタートはロング7:20、ミドル7:50、ショート8:20、ファミリーラン8:40。当日受付は6時から各スタートの30分前までなので、ロング参加者は6時台前半に会場入りするのが基本線です。

会場では地元特産品の販売ブースや協賛メーカーの出店も予定されており、スタート前の時間を持て余すことはありません。ただし荷物預けや着替え、トイレの列を考えると、余裕は30分では足りないと考えるべきです。

✅ 当日朝のチェックリスト
  • ☑ ナンバーカードと計測タグを装着したか
  • ☐ バックパックに飲み物と固形の補給食を入れたか
  • ☐ 参加賞の折り畳みコップをザックの外ポケットに入れたか
  • ☐ 寒さ対策のウインドシェルを携行したか
  • ☐ 自分のウェーブのスタート時刻を確認したか

ストック禁止のレースで何を持ち、どう練習するか

公式ルールで禁止されていること

この大会で最も見落とされやすいのが、トレイル保護のためストックの使用が全区間で禁止されている点です。しかも「使用を見かけた場合は失格」と明記されています。他大会でストックを使い慣れている人ほど、無意識に持ち込むリスクがあります。

加えて、ミュージックプレイヤーなど音の出る機器を装着しての走行も危険防止のため禁止です。コース上にゴミを捨てた場合は失格、トレイルを外れての走行やショートカットも禁止、追い抜くときは一声かけて右側からというルールが定められています。

失敗パターンとして実際にありがちなのが、「上りがきつそうだからストックを持っていこう」という判断です。この大会に限っては、それが失格に直結します。ストックに頼らず上れる脚を作ることが、そのまま準備の中身になります。

持ち物は「寒さ対策・バックパック・飲み物」から

公式が参加者に求めているのは、寒さ対策、バックパック(リュック)、飲み物の各自持参です。標高1,600m級の稜線を走る以上、6月でも山頂付近は冷えます。小雨決行のため、濡れた状態で風に当たる想定は必要です。

具体的には、薄手のウインドシェル、行動中に食べられるジェルや固形食、500mlクラスのソフトフラスク2本という構成が扱いやすい組み合わせです。エイドは設置されますが、二十曲峠のエイドは水分と果物が中心という報告があり、カロリーは自前で確保するのが前提になります。

シューズは、乾いた土から岩場まで対応するグリップが必要です。ロード7割・トレイル3割のような練習を積んでいるなら、トレイル入門向けのモデルから選ぶと普段の練習にも使い回せます。

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クマ対策と試走の注意

公式サイトは2026年5月28日付で、試走時のクマ対策を告知しています。内容は、朝夕の時間帯を避けること、熊鈴を必ず携帯すること、ラジオなど音の出るものも携行することです。出会わないための対策が強調されています。

試走そのものは有効です。特にロングを狙うなら、高座山から杓子山の上りと、その先の岩場の下りを一度体験しておくと、当日のペース配分の精度が上がります。ただし単独での早朝入山は避け、複数人で行動してください。

注意点として、レース本番と試走では条件が違います。本番は誘導スタッフとテープがありますが、試走時は自分でルートを判断する必要があります。GPXデータを入れた時計かスマートフォンは必携と考えてください。

✅ 今日からできるアクション
  1. Step1: 週1回、階段か坂道で合計200m以上を上る練習を入れる(累積標高への耐性づくり)
  2. Step2: 月1回、走行時間3〜5時間の山行を入れて「動き続ける時間」に体を慣らす
  3. Step3: 本番2ヶ月前までに、レース当日と同じザック・同じ補給食で長時間走を1回試す

3ヶ月前からの練習の組み立て方

ロングを狙うなら、上りより下りの練習が効きます。約1,887m上るということは、ほぼ同じだけ下るということ。下りで脚を痛める人は、終盤に走れなくなって関門に追われます。週1回、緩い下り坂を意識して脚を接地させる練習を入れてください。

ミドル・ショートなら、まず「4〜6時間動き続ける」ことに体を慣らすのが先です。速く走る練習より、長く歩き続けても心が折れない経験のほうが完走に直結します。ハイキングでかまわないので、標高差のある山を月1回歩くだけで違います。

注意点は、直前に走り込みすぎないことです。6月の大会に向けて4月・5月に無理を重ねると、当日に疲労が残ります。本番3週間前からは距離を落とし、坂道で刺激を入れる程度に留めるのが安全です。

まとめ|富士忍野高原トレイルレースを完走するために

🏃 この記事の結論

富士忍野高原トレイルレースは距離ではなく累積標高と関門時刻で選ぶ大会です。初トレイルはショート、山を走り慣れてからロングへ進みましょう。

✅ 要点チェック
  • 難易度:ロングは1kmで約54m上る山岳コース
  • 関門:時刻固定。後方ウェーブは20分不利
  • 種目選び:初トレイルは13.2kmのショートから
  • 装備:ストックは全区間禁止、使えば失格
  • 申込:前年秋に開始、毎年満員になる

この大会の魅力は、杓子山の山頂から見下ろす忍野の集落と正面の富士山、そしてフィニッシュで受け取る村の蕎麦と水にあります。数字の上では厳しいコースですが、種目を正しく選び、関門から逆算して走れば、市民ランナーの手が届く範囲です。まずやることは一つ。公式サイトで次回の受付開始をチェックし、自分が挑む種目を先に決めてしまうことです。種目が決まれば、今日からの練習の中身も自然と決まります。

※開催日・参加費・関門時刻・コース内容は変更される場合があります。エントリー前に必ず大会公式サイトおよび忍野村公式サイトで最新情報をご確認ください。

👟 ランニング道具の選び方

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この記事を書いた人

フルマラソン完走を目指して日々トレーニング中の市民ランナー。シューズ選びやトレーニングメニュー、大会レポートなど、走ることを楽しむすべての人に役立つ情報を発信しています。初心者ランナーの気持ちに寄り添った記事を心がけています。

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