「ヴェイパーフライ5はいつ発売されるのか」——2026年夏、ランニングコミュニティでこの問いが一気に広がりました。アメリカのローカル5Kレースで、前足部が異常に厚く、ヒールが大胆に削り取られたプロトタイプが目撃されたからです。ナイキは名前すら公式に認めていませんが、シューズウォッチャーたちは「ヴェイパーフライ5」と呼び始めています。
この記事では、プロトタイプの外観から読み取れる設計思想、歴代ヴェイパーフライの進化の数字、発売時期の予測、そして「今買うべきか待つべきか」の判断基準まで、2026年8月時点でわかっていることをすべてまとめました。
・ヴェイパーフライ5プロトタイプの外観と設計上の特徴3つ
・歴代モデルの重量・ドロップ・価格の進化を比較表で整理
・発売時期を過去のリリース周期から予測
・「今のヴェイパーフライ4を買うか、5を待つか」の判断基準
プロトタイプで判明したヴェイパーフライ5の3つの特徴

前足部に巨大フォームを搭載し、ヒールは大胆にカットされている
目撃されたプロトタイプの最大の特徴は、前足部に分厚いフォームの塊を搭載している点です。歴代ヴェイパーフライが前足と踵をバランスよく配分していたのに対し、このプロトタイプは前足部に極端にフォームを集中させ、ヒール部分は劇的に削り取られた形状をしています。
この設計はフォアフット着地(前足部着地)のランナーに最適化されていると考えられます。前足部のフォーム量を増やすことで、着地時のエネルギーリターン効率を最大化する狙いがあるのでしょう。2018年のWorld Athletics(世界陸連)のバイオメカニクス研究では、マラソンランナーの半数以上がヒール着地だったため、フォアフット特化の設計は多数派には合わない可能性があります。
ただし、エリートランナーはフォアフット着地が主流であり、ナイキがレース向けシューズをエリート寄りに振るのは一貫した戦略です。市民ランナーが選ぶ際は、自分の着地パターンを把握してから判断するのが賢明です。
なお、プロトタイプのヒール部分にはテープが貼られており、ナイキが意図的に詳細を隠している様子がうかがえます。最終製品では形状が変わる可能性も十分あります。
カーボンプレートが側面に露出する新構造が確認された
もう一つの注目点は、ミッドソールの側面にプレートの一部が露出しているように見えることです。従来のヴェイパーフライはカーボンプレートをフォームで完全に包み込む構造でしたが、プロトタイプではプレートの一部が外から見える設計になっています。
同様の構造はプーマのFast-RやホカのCielo X1 2.0にも見られ、プレートの一部を露出させることでフォーム量を減らして軽量化しつつ、プレートの剛性を直接活かす設計思想です。ヴェイパーフライ4(161g・26.5cm)からさらに軽量化を進める手段として理にかなっています。
ただし露出部分が増えると、雨天やぬかるんだ路面でプレートに直接泥が付着する可能性があり、グリップへの影響は気になるところです。レース専用シューズとして割り切るなら問題は小さいですが、練習で使い回したい人には耐久性面でマイナスになるかもしれません。
この構造が製品版でも採用されるかは不明です。プロトタイプの時点では「実験段階」と捉えておくのが妥当でしょう。
フォアフット着地ランナー向けの設計思想が鮮明になった
前足部偏重のフォーム配置とヒールのカットアウト構造は、明らかにフォアフット着地ランナーをターゲットにしています。ヴェイパーフライ4のドロップ(踵と前足部の高低差)は6mmでしたが、プロトタイプの外観からはさらにドロップが小さくなる可能性があります。
フォアフット着地が定着しているサブ3〜サブ3.5クラスのランナーにとっては、前足部の反発を存分に活かせる設計です。一方、キロ6分〜7分ペースでヒール着地する初心者〜サブ5ランナーにとっては、踵のフォームが少ない分だけクッション不足を感じるリスクがあります。
着地パターンは意識的に変えることも可能ですが、レース本番で急に切り替えるのは怪我のもとです。フォアフット着地への移行には通常3〜6ヶ月のトレーニング期間が必要とされるため、もしヴェイパーフライ5がフォアフット特化で発売されるなら、今から着地改善に取り組む価値はあります。
プロトタイプの情報はすべて非公式です。ナイキは名前・スペック・発売日のいずれも公式に発表していません。最終製品の仕様はプロトタイプから大幅に変更される可能性があります。
歴代ヴェイパーフライの進化を数値で振り返る|初代から4まで
2017年の初代ヴェイパーフライ4%が「薄底=速い」の常識を破壊した
2017年、ナイキが発売したヴェイパーフライ4%は、厚底のミッドソールにZoomXフォームとカーボンファイバープレートを組み合わせた革命的な一足でした。「厚底は重い」「薄底が速い」という常識を文字通り破壊し、マラソン界の勢力図を塗り替えました。
名前の「4%」はランニングエコノミー(走行効率)が平均4%向上するというデータに由来しています。発売当初の耐久性は約160kmと短く、1足で2〜3回のフルマラソンしか走れない消耗品でしたが、それでも結果を出すランナーが続出し、厚底レーシングシューズの時代が始まりました。
このモデルの登場により、他メーカーも一斉にカーボンプレート入り厚底を開発し始め、2020年代のスーパーシューズ競争の火付け役になった点は見逃せません。
ただし初代は前足部が狭く、幅広の足のランナーには合わないことが多かったのが弱点です。2018年にアッパーをフライニットに変更したヴェイパーフライ4%フライニットでフィット感は改善されました。
ネクスト%でZoomXを15%増量、クッションの懐が一気に深くなった
2019年発売のヴェイパーフライ ネクスト%は、前足部のZoomXフォームを4mm増、踵を1mm増とクッションを15%増量しました。アッパーを「VaporWeave」という軽量素材に変更し、重量増を抑えながら着地衝撃の吸収力を高めています。
耐久性も初代の約160kmから約300kmへ大幅改善され、トレーニングでも使い回しやすくなりました。ウエットコンディションでのグリップも強化され、雨のレースでの信頼性が増したのもこのモデルからです。
サブ4以下の市民ランナーにも広く普及したのがネクスト%の功績で、「スーパーシューズはエリート専用」というイメージを払拭しました。キロ5分〜6分ペースでもZoomXの反発力は体感でき、レース後半の失速を抑える効果がありました。
注意点として、フォーム量が増えた分だけ接地感が希薄になり「地面を掴んでいる感覚が薄い」という声もありました。ダイレクトな接地感を好むランナーにはやや不向きだったのは事実です。
ヴェイパーフライ3は185g・ドロップ8mmで幅広いランナーに対応した
ヴェイパーフライ ネクスト% 3は2023年3月に発売されました。重量は26.5cmで185g、ドロップ8mm、アッパーにフライニットを採用し、価格は29,700円(税込)です。ミッドソールはZoomXフォームにフルレングスカーボンプレートを内蔵する王道構成を踏襲しています。
前作ネクスト% 2(191g)から6g軽量化しつつ、前足部のフォームを2mm厚くすることで反発力を上げました。フライニットアッパーは足をやさしく包み込むフィット感が特徴で、幅広の足でもある程度対応できる懐の広さがありました。
レビューでは「5kmからフルマラソンまで距離を選ばない万能機」と評価されることが多く、サブ3.5からサブ5まで幅広い層に支持されました。2026年現在、型落ちとなり15,000円〜20,000円程度で入手できるケースもあり、練習用スーパーシューズとしてのコスパが光ります。
弱点はアウトソールのラバーが薄く、月間200km以上走ると300km前後で摩耗が目立つ点です。レース専用と割り切るか、練習用なら接地面の消耗をこまめにチェックする必要があります。
| モデル | 発売年 | 重量 | ドロップ | アッパー | 税込価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4% | 2017 | 約184g | 10mm | メッシュ | 26,460円 |
| ネクスト% | 2019 | 約185g | 8mm | VaporWeave | 30,250円 |
| ネクスト% 3 | 2023 | 185g | 8mm | フライニット | 29,700円 |
| ネクスト% 4 | 2025 | 161g | 6mm | エンジニアードメッシュ | 29,700円 |
| 5(プロト) | 未発表 | 未発表 | 未発表 | 未発表 | 未発表 |
※重量は26.5cm基準(4%はメンズ28.0cm約184gの報告値)。ネクスト% 4の161gは実測値(公称168g)。
ヴェイパーフライ4は161gへ24g削減しドロップ6mmの攻めた設計へ
2025年3月1日に発売されたヴェイパーフライ ネクスト% 4は、歴代ヴェイパーフライ最軽量の161g(26.5cm実測)を達成しました。価格は29,700円(税込)、ドロップは前作の8mmから6mmに縮小され、スタックハイトは前足部29mm・踵35mmです。
カーボンファイバーFlyPlateの角度が従来の15°から20°に変更され、前足部への荷重移動がよりスムーズになりました。アッパーはフライニットからエンジニアードメッシュに変更され、通気性と軽量性が向上しています。前足部のフォームも2mm追加され、ZoomXの反発力をダイレクトに受け取れる設計です。
サブ3.5以上のシリアスランナーからの評価は高く、「5km〜ハーフマラソンでの爆発力」が特に評価されています。一方、フルマラソンでは161gの軽さゆえにクッション量がやや少なく、30km以降で脚が残らないと感じるランナーもいます。
意外と知られていないのが、ヴェイパーフライ4の「グラム」モデル(30,800円)の存在です。通常モデルとの違いは限定カラーとアッパーの微調整程度で、スペック面ではほぼ同一。カラーにこだわらなければ通常モデルで十分です。

「サブ4を狙うなら、まずシューズを変えなさい」——そんな言葉をよく聞きますが、本当に靴を買い替えればフルマラソンで4時間を切れるのでしょうか。結論から言えば、シ…
発売日はいつになる?過去のリリース周期から読み解く

2026年8月時点でナイキは名前すら公式に認めていない
2026年8月現在、ナイキはヴェイパーフライ5の存在を公式に認めていません。プロトタイプが目撃された際も、ナイキからの公式コメントは一切出ていない状況です。SNSやランニングフォーラムで「ヴェイパーフライ5」と呼ばれていますが、これはシューズウォッチャーたちがつけた非公式な名称です。
ナイキの新製品リリースは通常、発売の3〜6ヶ月前にティーザー的な情報が出始め、2〜3ヶ月前に正式発表されるパターンが多いです。現時点でティーザーすら出ていないことから、少なくとも2026年内の発売はないと見るのが妥当です。
ただし、ナイキはプロトタイプをエリート選手にテストさせてからリリースするのが通例で、目撃情報があるということは開発が進んでいる証拠でもあります。アルファフライ4のプロトタイプも2026年4月に目撃されており、ヴェイパーフライ5と同時期の開発が進んでいる可能性があります。
公式発表があるまでは、スペックも含めてすべて推測であることを忘れないでください。プロトタイプの情報をもとに購入判断を下すのは時期尚早です。
歴代ヴェイパーフライの発売間隔は約2年が基本サイクル
歴代モデルのリリース間隔を振り返ると、一定のパターンが見えます。初代4%が2017年、ネクスト%が2019年、ネクスト% 2が2021年、ネクスト% 3が2023年3月、ネクスト% 4が2025年3月と、おおむね2年ごとのサイクルで新モデルが登場しています。
このサイクルをそのまま当てはめると、ヴェイパーフライ5の発売は2027年春(3月前後)が有力です。世界陸上(2027年は北京開催予定)やマラソンメジャー大会に合わせてリリースするのがナイキの常套手段で、2027年3月の東京マラソンや4月のボストンマラソンに照準を合わせてくる可能性があります。
ただし、プロトタイプの露出が早い場合はサイクルが前倒しになることもあり得ます。ヴェイパーフライ4は発売10ヶ月前にプロトタイプが確認されていたため、同じ間隔で考えると2027年前半という予測は妥当なラインです。
秋冬のマラソンシーズンに間に合わせたい人は、ヴェイパーフライ5を待つのは現実的ではありません。2026-2027シーズンのレースには現行のヴェイパーフライ4で臨むのが合理的な判断です。
ナイキの新作発表は毎回「いつ出るのか」で盛り上がりますが、結局のところ、出たときに自分の走力と着地パターンに合っているかが最も大事です。「5が出たから」で飛びつくのではなく、試着して自分の足に合う1足を選ぶのがベストです。
2027年春が有力と読む3つの根拠
ヴェイパーフライ5の発売時期を2027年春と予測する根拠は3つあります。第一に、前述の2年ごとのリリースサイクルです。2017年→2019年→2021年→2023年→2025年という流れは、2027年を自然に指し示しています。
第二に、プロトタイプの目撃時期です。ヴェイパーフライ4のプロトタイプは2024年夏頃に確認され、2025年3月に発売されました。ヴェイパーフライ5のプロトタイプが2026年夏に目撃されていることから、同じタイムラインで2027年春の発売が見込めます。
第三に、世界陸上2027年大会への照準です。ナイキは主要国際大会に合わせてフラッグシップモデルを投入する傾向があり、2027年大会に間に合わせるタイミングとして春のリリースは理にかなっています。
もちろん、開発上の問題やWA(世界陸連)のシューズ規定変更(スタック高40mm制限など)によって延期される可能性もゼロではありません。ナイキの公式チャネルを定期的にチェックするのが確実です。
ヴェイパーフライ5のスペックを予測する|変わる部分と変わらない部分
ZoomXフォームの配置は前足部偏重にシフトする可能性が高い
プロトタイプの外観から最も強く推測できるのが、ZoomXフォームの配置バランスの変化です。ヴェイパーフライ4のスタックハイトは前足部29mm・踵35mmでしたが、プロトタイプでは前足部がさらに厚く見え、踵は逆に薄くなっています。
この設計変更は、前足部着地時のエネルギーリターンを最大化する意図があると考えられます。ZoomXフォームは体重がかかった際に変形し、その復元力で推進力を生むため、着地ポイントに集中配置すれば効率が上がるのは理にかなっています。
ただし、ヒール部分のフォーム削減はクッション性の低下を意味します。フルマラソン後半で脚が疲れてフォアフットを維持できなくなったとき、踵着地に切り替えた瞬間にクッションが足りないと感じるリスクがあります。
この点を踏まえると、ヴェイパーフライ5は「ハーフマラソン以下で最強、フルマラソンは走力次第」というポジショニングになるかもしれません。フルマラソン向けにはアルファフライ4がクッションを担当する棲み分けが進む可能性があります。

「厚底」「カーボン」「反発」――シューズ選びでよく聞く言葉ですが、その性能の正体はほとんどがミッドソール、つまりアウトソールとインソールの間にあるスポンジ状の層…
カーボンプレートの角度と露出構造は新世代のサインかもしれない
ヴェイパーフライ4ではプレートの角度が15°から20°に変更されましたが、プロトタイプの露出構造は、さらに踏み込んだ設計変更を示唆しています。プレートの一部をフォームの外に出すことで、フォーム量を減らしつつプレートの剛性を直接地面に伝える効果が期待できます。
他メーカーのスーパーシューズでは、プーマのFast-R NITRO Elite 2やホカのCielo X1 2.0がすでに類似の構造を採用しています。ナイキがこのトレンドに追随するのは、スーパーシューズ競争が「フォームの質×プレートの活かし方」の次のステージに入ったことを意味します。
市民ランナーにとって重要なのは、プレート露出が耐久性にどう影響するかです。レース専用(3〜5回のフルマラソン)で使い切るなら問題ありませんが、練習でも履きたい場合はプレート周辺の劣化に注意が必要でしょう。
なお、ヴェイパーフライ4のFlyPlateはフルレングス(全長)のカーボンファイバー製で、この基本構造はヴェイパーフライ5でも踏襲されると見るのが自然です。カーボンプレートの剛性と反発力はヴェイパーフライのアイデンティティそのものだからです。
価格は30,000円前後を維持すると読む3つの理由
ヴェイパーフライの価格は、ネクスト% 3から4まで29,700円(税込)が維持されました。ヴェイパーフライ5でも30,000円前後に収まると予測する理由は3つあります。
第一に、競合シューズの価格帯です。アディゼロ アディオスプロ4が26,400円、アシックス メタスピードスカイ パリが27,500円と、主要ライバルは25,000〜28,000円に集中しています。ナイキが大幅に値上げすると、価格で敗北するリスクが生まれます。
第二に、「グラム」などの限定モデルで高価格帯をカバーする戦略です。ヴェイパーフライ4グラム(30,800円)やキプチョゲモデルのように、ベースモデルは据え置きでプレミアムモデルで単価を上げる手法はナイキの定番です。
第三に、円安リスクです。2026年のドル円レートによっては31,000〜32,000円程度の値上げがある可能性は否定できませんが、3万円台前半には収まるでしょう。仮に35,000円を超えるとアルファフライの価格帯と重なり、ラインナップの整合性が崩れます。
結論として、ヴェイパーフライ5の予想価格は29,700〜32,000円の範囲が現実的です。
- ☑ 前足部フォームが増量される可能性:高
- ☑ ドロップがさらに縮小(6mm→4〜5mm):中程度
- ☑ カーボンプレートの一部露出構造:中程度
- ☑ ZoomXフォーム採用の継続:ほぼ確実
- ☑ 重量150g台の維持または軽量化:高
- ☑ 価格29,700〜32,000円の範囲:高
今すぐレースに出るなら現行ヴェイパーフライ4で間違いない3つの理由
161gの歴代最軽量はレース後半の脚の残りに直結する
ヴェイパーフライ4の161g(26.5cm実測)という軽さは、レースで明確なアドバンテージになります。靴の重量が100g増えるとフルマラソンで約1分タイムが遅くなるという研究データがあり、ヴェイパーフライ3(185g)からの24g軽量化は、理論上10〜15秒の短縮に相当します。
特に効果を実感しやすいのが30km以降です。脚が疲労してフォームが崩れ始める終盤、軽いシューズは脚の引き上げ動作の負担を軽減してくれます。サブ4狙いでキロ5分40秒ペースを維持したい場面で、この24gの差が粘りにつながるわけです。
ただし、軽さはフォームの薄さと引き換えです。体重80kg以上のランナーや、フルマラソン後半でヒール着地に切り替わるランナーは、クッション不足を感じる場合があります。そうしたランナーには、アルファフライ4やヴェイパーフライ3の在庫品のほうが合うケースもあります。
シューズの重量を気にするなら、まず自分の体重と走力のバランスを考えましょう。体重60kg台でサブ4以上の走力があるなら、161gの恩恵は大きいです。
ドロップ6mmと20°プレートが前傾姿勢の推進力を自然に引き出す
ヴェイパーフライ4のドロップ6mmは前作の8mmから2mm縮小されました。これにより、着地から蹴り出しまでの重心移動がよりスムーズになっています。ドロップが小さいほどミッドフット〜フォアフット着地が促されるため、前傾姿勢で走るランナーほど推進力の恩恵を受けやすい設計です。
さらに、FlyPlateの角度が15°から20°に変更されたことで、前方への蹴り出し方向に力が伝わりやすくなっています。この「てこの原理」的な効果は、キロ4分30秒〜5分30秒ペースで最も体感しやすいとされます。
一方、ドロップ10mmのシューズからいきなり6mmに変えると、ふくらはぎやアキレス腱への負担が増えます。初めてヴェイパーフライ4を履く場合は、レース前に3〜5回のポイント練習で慣らし走行をしておくべきです。いきなりフルマラソンで投入すると、35km過ぎからふくらはぎが攣るリスクがあります。
ペガサス41(ドロップ10mm)からの乗り換えなら、ズームフライ6(ドロップ8mm前後)を中間ステップとして挟むと脚への負担を段階的に減らせます。
29,700円は据え置き価格で型落ちセールも狙える
ヴェイパーフライ4の税込29,700円はヴェイパーフライ3から価格据え置きです。スーパーシューズ市場では30,000円を切る価格帯は良心的で、アルファフライ3の38,500円やアディオスプロ4の26,400円と比較しても、性能対価格のバランスが取れています。
Nike.comのメンバー限定セールでは定期的に20〜25%オフが適用され、25,000円台で購入できるチャンスがあります。また、ナイキアプリのメンバー限定クーポンも狙い目です。
型落ちのヴェイパーフライ3は2026年夏時点で15,000〜20,000円程度まで下がっており、練習用のスーパーシューズとして入手するには絶好のタイミングです。レースはヴェイパーフライ4、スピード練習はヴェイパーフライ3の2足体制なら、レースシューズの寿命を伸ばせます。
注意点として、ヴェイパーフライ3の在庫はサイズによっては品切れが進んでいます。自分のサイズがあるうちに押さえておくのが賢明です。
- Step1: Nike.comまたは実店舗で試着し、普段の0.5cm上を基準にサイズを合わせる
- Step2: レース3〜4週間前からポイント練習(テンポ走・ペース走)で3回以上慣らし走行する
- Step3: レース後はシューズ裏のラバー摩耗をチェック、300km超えたら買い替えを検討する
アルファフライ4との使い分けで迷うなら体重とペースで判断する
ナイキのレーシングシューズは、ヴェイパーフライ4とアルファフライ4の2本柱です。両者の棲み分けは「軽さ重視 vs クッション重視」で考えるとシンプルです。
ヴェイパーフライ4(161g)は5km〜ハーフマラソンの短い距離やキロ4分30秒以下の高速レースに最適です。一方、アルファフライ4はZoom Airポッドを搭載した厚いクッションが特徴で、フルマラソンでの後半粘りに強みがあります。
体重65kg以下でサブ3.5以上の走力があるなら、ヴェイパーフライ4はフルマラソンでも選択肢に入ります。体重70kg以上でサブ4〜サブ5を目標にするなら、アルファフライ4のクッション量のほうが後半の脚持ちに貢献するでしょう。
予算が許すなら両方持っておき、ハーフ以下はヴェイパーフライ4、フルマラソンはアルファフライ4と距離で使い分けるのが理想的です。1足で済ませたいなら、自分の目標レース距離で選んでください。
「待つか買うか」を決める3つの判断基準
2026-2027シーズンにレースを控えている人は今すぐヴェイパーフライ4を買うべき
2026年秋〜2027年春のマラソンシーズンにエントリー済みのレースがあるなら、ヴェイパーフライ5の発売を待つ理由はありません。前述の通り、ヴェイパーフライ5の発売は早くても2027年春と予測されます。レースに間に合わない可能性が高い以上、今の最強モデルであるヴェイパーフライ4で勝負するのが合理的です。
シューズは「いつか出る新作」ではなく「今のレースでどれだけ自分を助けてくれるか」で選ぶものです。ヴェイパーフライ4は2026年時点で市場に出ているスーパーシューズの中でもトップクラスの性能を持っており、待つことによるメリットはほぼありません。
レース直前に新しいシューズを投入するのは失敗パターンの定番です。レース4週間前にはシューズを確定させ、3回以上の慣らし走行を終えておくのが鉄則です。
逆に、2027年秋以降のレースしか予定がないなら、慌てる必要はありません。ヴェイパーフライ5の正式発表を待ってから判断しても遅くありません。
フォアフット着地が自然にできる上級者はヴェイパーフライ5を待つ価値がある
サブ3〜サブ3.5クラスのランナーで、フォアフット着地が完全に定着している人は、ヴェイパーフライ5を待つ選択肢が成り立ちます。プロトタイプの設計思想がそのまま製品化されるなら、フォアフット着地ランナーへの恩恵は現行ヴェイパーフライ4以上になる可能性があるからです。
ただし「待つ」にもコストがあります。その間にレースに出るなら何かしらのレーシングシューズが必要です。ヴェイパーフライ4を1足持っておき、ヴェイパーフライ5が出たら乗り換える、というのが現実的なプランでしょう。
自分の着地パターンがフォアフットかどうかわからない場合は、ランニングフォーム診断で確認するのがおすすめです。スマートフォンのスロー撮影で横から走りを撮影するだけでも、着地位置は判別できます。
着地パターンを改善するなら、裸足でのドリル練習やミニマルシューズでの短距離走が効果的です。ただし、フォーム改善は3〜6ヶ月の長期計画で取り組むべきもので、レース直前の急な変更は故障リスクを高めます。

「腕をもっと振って」「骨盤を前傾させて」——ランニングフォームのアドバイスはネット上にあふれていますが、全部を同時に意識して走れる人はいません。それどころか、意…
ヒール着地派にはヴェイパーフライ5が合わない可能性を考慮する
プロトタイプのヒール部分が大幅にカットされている点は、ヒール着地派のランナーにとって要注意です。踵のフォーム量が減れば、ヒール着地時の衝撃吸収力は当然低下します。
2018年のWorld Athleticsの研究によると、マラソンランナーの半数以上がヒール着地であり、これは市民ランナーにも当てはまる傾向です。つまり、多くの市民ランナーにとってヴェイパーフライ5は「自分向きではない」可能性があるのです。
ヒール着地で走るランナーがスーパーシューズを選ぶなら、ヒール部分のクッションが厚いモデル(アルファフライ4、ゲルカヤノ系など)のほうが恩恵を受けやすいです。ヴェイパーフライ4はドロップ6mmとヒールが薄めですが、プロトタイプほど極端ではないため、ヒール着地でもある程度使えます。
最終的には、ヴェイパーフライ5が発売されてから店頭で試着し、自分の着地パターンで走ってみて判断するのが正解です。プロトタイプの情報だけで「合わない」と決めつけるのも早計ですが、「合うかどうかわからないシューズのために今のレースを犠牲にする」のは本末転倒です。
サイズ選びと購入で損しない実践テクニック
ヴェイパーフライのサイズは実寸+1cmが基本、ただし4は前作より幅が狭い
ヴェイパーフライシリーズのサイズ選びは、足の実寸(かかとからつま先までの長さ)に+1cm(0.5〜1.5cmの捨て寸)が基本です。ランニングシューズは走行中に足が前方にスライドするため、つま先に余裕がないと爪が黒くなる「爪下血腫」のリスクがあります。
ヴェイパーフライ4はフライニットからエンジニアードメッシュにアッパーが変更され、前作のヴェイパーフライ3より横幅がやや狭い仕上がりです。足幅が広め(3E以上)のランナーは、必ず実店舗で試着してからの購入をおすすめします。
オンラインで購入する場合は、Nike.comの30日間返品保証を活用するのが安全です。室内で試し履きする分には返品対象になるため、サイズ感を確認してから決められます。
なお、ヴェイパーフライ5が発売された際も、サイズ感が変わる可能性があります。新作が出るたびに「前作のサイズで買ったら合わなかった」という声は必ず出るので、試着は毎回必須だと考えてください。
Nike.comメンバー限定セールとクーポンの活用で5,000円以上得する方法
ヴェイパーフライ4を定価29,700円で買うのはもったいない場合があります。Nike.comのメンバー登録(無料)をしておくと、メンバー限定セールや誕生日クーポン(10〜15%オフ)が届きます。メンバーセールでは20〜25%オフが適用されることもあり、22,000〜25,000円で購入できるチャンスがあります。
また、ナイキアプリではメンバー限定のアーリーアクセス(先行販売)や限定クーポンが配信されます。アプリのプッシュ通知をオンにしておけば、セール情報を見逃しません。
楽天市場やAmazonではポイント還元を考慮すると実質26,000〜28,000円程度になるケースもあります。ただし、並行輸入品や偽物のリスクがあるため、Nike公式ショップまたは正規取扱店での購入を推奨します。
ヴェイパーフライ5が発売されるタイミングでヴェイパーフライ4の大幅値引きが始まる可能性もあるため、「5の発売を待ってから4を安く買う」という戦略も有効です。
ヴェイパーフライは偽物が多く出回っているシューズの一つです。極端に安い価格(定価の50%以下)で出品されているものは偽物の可能性が高いです。Nike.com、Nike直営店、正規取扱店(アルペン・STEP・ムラサキスポーツなど)での購入が安全です。
型落ちヴェイパーフライ3はスピード練習用のコスパ最強シューズになる
ヴェイパーフライ3は2026年夏時点で定価29,700円から大幅に値下がりし、15,000〜20,000円程度で入手できるケースが増えています。185g・ドロップ8mmの安定した走行感は、テンポ走やペース走などのスピード練習にぴったりです。
レースシューズ(ヴェイパーフライ4)とは別に練習用スーパーシューズを持っておくと、レースシューズの寿命を延ばせます。ヴェイパーフライ4をレース専用にすれば、1足で3〜5回のフルマラソンを走れるため、年間のシューズ代を抑えられます。
ヴェイパーフライ3のフライニットアッパーは足を包み込むフィット感が特徴で、ヴェイパーフライ4のエンジニアードメッシュとは異なる履き心地です。好みが分かれるポイントなので、両方試着して自分に合うほうをメインにするのもアリです。
ただし、ヴェイパーフライ3の在庫は日に日に減っています。とくに26.0〜27.5cmの人気サイズは品薄になりやすいので、気になる人は早めにチェックしてください。

「初マラソンに向けてシューズを買いたいけれど、種類が多すぎて何を基準に選べばいいのか分からない」——走り始めたばかりの人ほど、この壁にぶつかります。店頭には1万…
まとめ|ヴェイパーフライ5は2027年春が有力、今はヴェイパーフライ4で走り出そう
ヴェイパーフライ5のプロトタイプが目撃されたことで、ランニングコミュニティの期待は高まっていますが、2026年8月時点ではナイキからの公式発表は一切ありません。プロトタイプの外観から読み取れるのは、前足部偏重のフォーム配置、カーボンプレートの露出構造、フォアフット着地ランナー向けの設計思想という3つの特徴です。
歴代モデルの2年ごとのリリースサイクルとプロトタイプ目撃のタイミングから、発売は2027年春(3月前後)が有力と予測しています。つまり、2026-2027シーズンのレースにはヴェイパーフライ5は間に合いません。
今のレースでベストパフォーマンスを出したいなら、歴代最軽量161g・ドロップ6mmのヴェイパーフライ4が最適解です。29,700円の据え置き価格で、メンバーセールを活用すれば25,000円台でも手に入ります。型落ちのヴェイパーフライ3を練習用に確保しておけば、レースシューズの寿命も延ばせます。
「待つべきか買うべきか」の答えは、あなたのレーススケジュールと着地パターンで決まります。レースが控えているならヴェイパーフライ4を今すぐ手にして、まずは走り出しましょう。ヴェイパーフライ5の正式発表を楽しみに待ちながら、今シーズンのベストを更新する——それが市民ランナーの賢い戦略です。
※最新情報はナイキ公式サイトでご確認ください。




コメント