大迫傑シューズの変遷|ナイキ12年からリーニンへ、日本記録を刻んだ219gの正体

大迫傑シューズの変遷|ナイキ12年からリーニンへ、日本記録を刻んだ219gの正体のアイキャッチ画像

本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

「大迫傑選手はいま何のシューズを履いているの?」「ナイキじゃなくなったって本当?」。レース会場やSNSで大迫選手の足元が話題になるたびに、こんな疑問を持った市民ランナーは多いはずです。長年ナイキの厚底を象徴する存在だった選手だけに、ブランドが変わったと聞くと戸惑いますよね。

結論から言うと、大迫選手は2025年10月、12年間サポートを受けていたナイキから中国のスポーツメーカー・リーニン(LI-NING)へシューズを変更しました。そして同年12月7日のバレンシアマラソンで、リーニンのレーシングシューズ「FEIDIAN 6 ELITE(飛電6 ELITE)」を履いて2時間4分55秒の日本新記録を出しています。

この記事では、ナイキ時代のシカゴ・東京での着用モデルから現在のFEIDIAN 6 ELITEまでをレースごとに整理し、公称値と実測値のスペック、日本での入手ルート、サイズ選びの注意点までまとめました。「同じ靴を履けば速くなるのか」という本音の疑問にも、サブ4を目指す市民ランナー目線で答えていきます。

🏃 この記事でわかること
・大迫傑選手がいま履いているシューズと、ナイキからリーニンへ変わった経緯
・シカゴ、東京、バレンシアなど主要レースで履いたモデルの変遷
・FEIDIAN 6 ELITEの公称スペックと実測値のズレ、市民ランナーに合うかどうか
・日本での買い方、サイズ選びの落とし穴、代わりになるナイキの現行モデル
目次

大迫傑シューズの現在地|リーニン「FEIDIAN 6 ELITE」で日本記録

大迫傑シューズの現在地|リーニン「FEIDIAN 6 ELITE」で日本記録の解説画像

いま大迫選手の足元にあるのはリーニンのFEIDIAN 6 ELITE

現在、大迫選手がレースの主力にしているのはリーニンの「FEIDIAN 6 ELITE」です。2025年12月7日のバレンシアマラソンでは、このモデルで2時間4分55秒・4位に入り、鈴木健吾選手の持っていた2時間4分56秒の日本記録を1秒更新しました。当時34歳での更新です。

FEIDIAN 6 ELITEは、リーニンの飛電6シリーズ3モデル(ELITE・ULTRA・CHALLENGER)のうち、フルマラソンのレースに照準を合わせたモデル。気体を封入したPEBA系の「SUPER BOOMカプセル」とT1000カーボンプレートを組み合わせ、メーカーはエネルギーリターン95%・反応3msをうたっています。

市民ランナーにとって大事なのは、「大迫選手が履いた靴」がそのまま自分にとっての正解とは限らないことです。大迫選手はフォアフット寄りの接地で、キロ3分を切るペースで42kmを押し切るランナー。同じ靴でも、キロ5分台で走る私たちとでは靴にかかる力の向きも量も違います。まずは「どんな靴で、どんな走りをしているのか」を知ることから始めましょう。

なぜ12年続いたナイキを離れたのか

シューズ変更は2025年10月、所属先の変更と同時に行われました。大迫選手はSNSでナイキへの感謝を記したうえで、「この先は刺激的で情熱のある、新しい仲間と更に奥へ。」とつづっています。移籍の詳しい理由や契約条件は公表されておらず、ここで推測することは控えます。

ただ、事実として言えるのは、移籍後の結果が早い段階で出たことです。リーニン移籍後の初レースとなった2025年10月の東京レガシーハーフマラソンでは1時間01分45秒で6位(日本人1位)。そこから約2か月でフルマラソンの日本記録更新につなげました。

ブランドを変えるのはトップ選手にとって大きな賭けです。長年履き慣れた靴から離れると、接地の感覚やペース感覚まで一度リセットされるからです。私たち市民ランナーでも、使い慣れたブランドから別ブランドに乗り換えた直後のレースで思うように走れない、という話はよく聞きます。大迫選手の場合は、ハーフで感触を確かめ、フルで結果を出すという段階を踏んでいた点が参考になります。

2026年もリーニンで結果を積み重ねている

2026年に入ってもリーニンとの歩みは続いています。3月1日の東京マラソン2026では2時間05分59秒で12位、日本人トップでした。日本陸連のレポートによると、35km過ぎから仕掛け、41kmで鈴木健吾選手を逆転して10秒差でフィニッシュしています(出典:日本陸上競技連盟 東京マラソンレポート)。

さらに6月21日には米国オレゴン州ポートランドの大会で5000mに出場し、13分46秒47で5位。マラソンだけでなくトラックでもリーニンの靴で走っています。来秋開催のMGCの出場権もバレンシアの結果で獲得済みです。

このように、FEIDIAN 6 ELITEは「一発の記録用シューズ」ではなく、大迫選手のシーズンを通したレース靴として使われています。ただし、東京マラソン2026で履いたモデル名は公式レポートに明記されていないため、この記事ではバレンシアでの着用が確認できたFEIDIAN 6 ELITEを「日本記録を刻んだ一足」として扱います。

📊 データで見る リーニン移籍後の主な成績
・2025年10月 東京レガシーハーフマラソン:1時間01分45秒・6位(日本人1位)
・2025年12月7日 バレンシアマラソン:2時間4分55秒・4位(日本新記録)
・2026年3月1日 東京マラソン:2時間05分59秒・12位(日本人トップ)
・2026年6月21日 ポートランド 5000m:13分46秒47・5位
(出典:大迫傑オフィシャルサイト、日本陸上競技連盟、アルペン公式マガジン)

ナイキ12年間で何を履いてきた?4つのレースでたどる厚底の歴史

2018年シカゴ:ヴェイパーフライ 4% フライニットで初の日本新

大迫選手と厚底シューズの関係を語るうえで外せないのが、2018年10月のシカゴマラソンです。このレースで大迫選手は「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット」を履き、2時間5分50秒で3位。当時の日本記録を更新しました。しかも1位から5位までの選手全員が同じモデルを履いていたことが報じられ、「厚底でないと勝てない」という空気が一気に広がったレースでもあります。

それまで日本のマラソン界では「薄底で地面をとらえる」のが常識でした。その常識を日本記録という形で崩したのが大迫選手とヴェイパーフライです。市民ランナーの間で厚底カーボンシューズが一気に普及したのも、この流れがきっかけでした。

ただし、このモデルはすでに世代交代が進み、現行ラインナップにはありません。中古市場で見かけても、ミッドソールのフォームは経年で反発が落ちるため、「大迫選手の日本記録モデルだから」という理由だけで買うのはおすすめしません。記念として持つのと、走るために履くのは分けて考えましょう。

2020年東京:アルファフライ ネクスト%で2度目の日本新

2020年3月の東京マラソンでは、当時発表されたばかりの「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」を履いて2時間5分29秒をマーク。自身の日本記録を更新しました。前足部にAir Zoomユニットを積んだ独特の見た目は、中継でも大きな話題になりました。

アルファフライ系は、ヴェイパーフライよりもクッションと反発の「量」を増やした方向性のシューズです。42kmの後半に脚を残すことを狙った設計で、大迫選手のように後半に仕掛けるレース運びとは相性がよかったと考えられます。

一方で、この初代アルファフライもすでに後継モデルに置き換わっています。当時の市民ランナーの声として多かったのが「前足部が高く、ゆっくり走ると不安定」という感想です。キロ6分以上で走るランナーにとっては、トップ選手向けの攻めた形状がかえって扱いにくいことがある、という教訓を残したモデルでもありました。

2023年MGC:アルファフライではなくヴェイパーフライを選んだ理由

意外と知られていないのが、大迫選手が常にアルファフライを選んでいたわけではない点です。2023年のMGC(3位)の時期について、大迫選手は「前作(アルファフライ2)はアウトソールの前足部とかかと部分が離れていたことで“バランス感”が気になり、ヴェイパーフライをレーシングシューズとして選んだ」と語っています(出典:RuntripMagazine)。

つまり、トップ選手でも「新しいほう」「厚いほう」を自動的に選ぶのではなく、自分のフォームに合うかどうかで履き分けているということです。これは市民ランナーのシューズ選びにもそのまま当てはまります。

シューズ選びで失敗しやすいのは、「上位モデルほど速くなる」と思い込むパターンです。大迫選手ほどのランナーでも、合わないと感じたモデルは避けています。私たちが試し履きで「なんだかグラつく」「足が前に流れる」と感じたら、それは気のせいではなく、合っていないサインだと考えたほうが安全です。

2024年東京:アルファフライ3で「バランス」が戻った

2024年3月の東京マラソンでは、「アルファフライ 3」のプロトタイプを履いて2時間6分13秒で走りました。アルファフライ3はシリーズで初めてソールのかかと部と前足部を連結させたモデルで、大迫選手は「いい意味でこれまでの“アルファフライっぽくない”違う感触を感じた」「一瞬沈み込みを感じるが、その後の反発性が自分のランニングフォームにフィットしている」と評価しています。

ここで注目したいのは、大迫選手がナイキ時代から一貫して「バランス」という言葉を使っている点です。リーニン移籍後にFEIDIAN 6 ELITEを語るときにも、同じ言葉が出てきます。大迫選手の靴選びの軸は、反発の強さより「崩れないこと」にあると読み取れます。

アルファフライ3はナイキ公式で現在も販売中ですが、後継の「アルファフライ 4」が2026年10月29日に発売予定と報じられています。型落ちになる前後は値下がりが期待できる一方、人気サイズから在庫がなくなるので、狙うならサイズの在庫を早めに確認しておきましょう。

年・大会記録・順位着用シューズ
2018年 シカゴ2時間5分50秒・3位(日本新)ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニット
2020年 東京2時間5分29秒(日本新)ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%
2023年 MGC3位ヴェイパーフライ(本人談)
2024年 東京2時間6分13秒ナイキ アルファフライ 3(プロトタイプ)
2025年 バレンシア2時間4分55秒・4位(日本新)リーニン FEIDIAN 6 ELITE

FEIDIAN 6 ELITEの中身は?公称値と実測値で見るスペック

FEIDIAN 6 ELITEの中身は?公称値と実測値で見るスペックの解説画像

SUPER BOOMカプセル×T1000カーボンの2層構造

FEIDIAN 6 ELITEの核になっているのは、ミッドソールの「SUPER BOOMカプセル」です。PEBA系フォームの中に気体を封入したパーツで、その周囲をSUPER BOOMフォームが囲む構成。そこにスプーン形状のフルレングスT1000カーボンプレートを組み合わせています。アウトソールにはGCR液体ゴムを使い、メーカーはウェット路面でのグリップが23%向上したとしています。

PEBA系フォームは、ナイキのZoomXと同じく軽くて反発の大きい素材です。そこにカーボンプレートで「てこ」の働きを加えるという基本の考え方は、アルファフライやヴェイパーフライと同じ土俵にあります。違いは、気体封入カプセルという独自パーツで反発の出方を調整している点です。

注意したいのは、95%のエネルギーリターンや3msの反応という数値はメーカーの訴求値で、測定条件が公開されていないことです。他社の数値と横並びで比べて「リーニンのほうが上」と判断するのは早計。素材の違いを知りたい人は、ミッドソール素材の基本から押さえておくと、カタログの数字に振り回されにくくなります。

あわせて読みたい
ミッドソールで走りは決まる|EVA・PEBA・超臨界発泡3素材の違いとレベル別の選び方
「厚底」「カーボン」「反発」――シューズ選びでよく聞く言葉ですが、その性能の正体はほとんどがミッドソール、つまりアウトソールとインソールの間にあるスポンジ状の層…

公称219gと実測205.1g、数字が割れる理由

重量は、海外のスペックサイトでは公称219g(US10.5)とされています。一方、シューズを実測レビューしているRTINGSの計測値は205.1g。国内のレビューでは公称211g(27.0cm片足)という記載もあり、24.5cmを実測したレビュアーは181gと報告しています。

数字が割れる理由は単純で、サイズとカラー、測定する人がバラバラだからです。US10.5はおおむね28cm台なので、27cm前後の日本人男性ならもう少し軽くなると考えられます。いずれにせよ、ナイキのアルファフライ3(約218g・メンズ28cm)とほぼ同じ重量帯のフルマラソン用レーサーだと理解しておけば十分です。

市民ランナーが気にすべきなのは、10g単位の重量差より「自分のサイズでの重さ」と「最後まで脚が持つか」です。靴の重さをレビューで比べるときは、必ず何cmで測った値なのかを確認しましょう。サイズが違う数値を並べて「こっちが軽い」と判断するのは、よくある勘違いです。

ヒール41mm表記とロード40mm規定の関係

海外スペックサイトの公称値では、ヒール高41mm・前足部35mm・ドロップ6mmとされています。ここで「ロードの厚さ上限は40mmでは?」と気づいた人は鋭いです。日本陸連の競技用靴規程では、道路競技のソール厚さ上限は40mmと定められています(出典:日本陸上競技連盟 競技用靴規程)。

一方、RTINGSの実測ではヒール高39.7mm、ドロップ5.4mm。国内レビューにはかかと38mm・前足部32mmという記載もあります。厚さは測る位置やインソールを含めるかどうかで変わるため、販売ページの数値と規程上の計測値が一致しないことは珍しくありません。

ほとんどの市民マラソンではシューズチェックは行われませんが、日本陸連の規程ではドーピング検査が実施される主要競技会や指定競技会でチェックの対象になるとされています。登録選手として公認大会に出る人は、メーカーの案内や大会要項で使用可否を確認しておくと安心です。

📊 ランニングスタイル調べ:FEIDIAN 6 ELITEの数値比較(出典別)

項目海外スペック公称RTINGS実測国内レビュー記載
重量219g(US10.5)205.1g211g(27.0cm片足)
ヒール高41mm39.7mmかかと38mm・前足部32mm
ドロップ6mm5.4mm6mm
プレートT1000カーボンプレート(フルレングス・スプーン形状)
👟 ランナー目線の本音
実は、大迫選手がFEIDIAN 6 ELITEについて繰り返し口にしたのは「軽い」「弾む」ではなく「バランスがいい」「履きこなせば履きこなすほど良くなる」という言葉でした。カタログの数字で靴を選びがちな私たちに対して、日本記録保持者は「履いていく中で良さが出てくる」と言っているわけです。カタログ上のわずかな数字の差より「何回履いて自分の脚になじんだか」のほうが、42kmの結果を左右すると考えてよいでしょう。

市民ランナーが履いて速くなる?合う人・合わない人の境界線

合うのはサブ3〜サブ3.5で前足部から着地できる人

飛電6シリーズは、サブ3ランナーから世界のエリートまでを対象に設計されたレーシングラインと紹介されています。FEIDIAN 6 ELITEはその中のフルマラソン用。つまり想定ユーザーは、キロ4分前後以上のペースでフルを押し切れるランナーです。

RTINGSはハーフ〜フルのレース用途に8.4、エネルギーリターンに8.9と高い評価をつける一方、安定性は6.2にとどめ、アーチ部が細いことも指摘しています。反発が大きく安定性は控えめという、典型的なトップレーサーの性格です。

具体的には、ポイント練習でキロ4分台前半を刻める人、フォアフットやミッドフット寄りで着地できる人なら、推進力を活かしやすいはずです。反対に、キロ6分以上で走ることが多く、かかとからしっかり着地するタイプの人は、この靴の「前に転がる」感覚を持て余しやすくなります。

サブ4未満のランナーが最初の1足にするのは遠回り

これからサブ4を目指す段階の人に、最初のレース靴としてFEIDIAN 6 ELITEをすすめるかというと、答えはノーです。理由は3つあります。安定性が控えめで後半に着地がぶれやすいこと、細身の足型で合う人を選ぶこと、そして日本国内で試し履きできる場所が限られることです。

サブ4を狙う段階では、トップレーサーより「30km以降にフォームを崩さない」ことのほうがタイムに直結します。そのためには、ある程度クッションと安定性がある靴で走り込み、脚を作ることが先決です。練習用とレース用の考え方は、サブ4向けのシューズ選びで詳しく整理しています。

あわせて読みたい
サブ4を狙うシューズの選び方|練習用とレース用の2足使いで4時間の壁を破る
「サブ4を狙うなら、まずシューズを変えなさい」——そんな言葉をよく聞きますが、本当に靴を買い替えればフルマラソンで4時間を切れるのでしょうか。結論から言えば、シ…

もちろん「大迫選手と同じ靴で走りたい」という気持ちはモチベーションとして大切です。その場合も、いきなりフルで履くのではなく、ハーフや10kmのレースで試し、足裏やふくらはぎへの負担を確かめてからフルに投入するのが安全な順番です。

大迫選手と市民ランナーでは靴への「入力」が違う

同じ靴でも、ペースが違えば靴の働き方が変わります。大迫選手のペースでは、一歩ごとに大きな力でミッドソールを潰し、カーボンプレートをしならせて反発を受け取れます。ペースが落ちると潰し方が浅くなり、カタログ通りの反発は得にくくなります。

これは「市民ランナーには意味がない」という話ではありません。厚底カーボンシューズは、ゆっくりのペースでも脚へのダメージを減らす効果が期待でき、フルの後半に脚が残りやすいと感じる人は多いです。ただし、その恩恵を受けるのに最も尖ったトップレーサーを選ぶ必要はなく、安定性が高い中間グレードのほうが効率よく恩恵を受けられるケースもあります。

「日本記録の靴=自分にとっても最速の靴」という考えは、一度脇に置いてみてください。靴は自分の走りを増幅する道具で、ゼロを100にしてくれるものではありません。いまの自分のペース・着地・足型に合うかどうかで選ぶのが、結果的にいちばんの近道です。

メリットデメリット
日本記録を出した実績があるフルマラソン用レーサー
PEBA系カプセルとカーボンで反発の評価が高い
ウェット路面向けのGCR液体ゴムアウトソール
安定性は控えめでペースが落ちるとぶれやすい
アーチ部が細く足型を選ぶ
国内の取扱いが少なく、サイズ表記も独特

日本でどこで買える?入手ルートとサイズ選びの落とし穴

国内の購入ルートはアルペン系列・Amazon・並行輸入

リーニンのランニングシューズは、国内ではアルペングループのオンラインストアにブランドページがあり、Amazonにもリーニン公式ストアが出店しています。そのほか、中国ブランドを扱う並行輸入の専門店やAliExpressなどの海外通販で買う人もいます。

価格は購入ルートと時期、為替で大きく変わります。並行輸入の専門店SNKRXXXでは32,980円〜39,980円程度の価格帯で掲載されていました(2026年9月時点・変動あり)。海外通販は安く見えても、送料や返品のしにくさを考えると、サイズに自信がない初回は国内ルートで買うほうが無難です。

注意したいのは、飛電6シリーズは3モデルの名前が似ていることです。フルマラソン用のELITE、上級者向けトップグレードのULTRA、日常練習とレースの橋渡し役のCHALLENGERでは、構造も性格も違います。大迫選手の日本記録モデルを探しているなら、商品名に「ELITE」が入っているかを必ず確認しましょう。

試し履きならAlpen TOKYOでリーニンの取扱いを確認

実物を見てから決めたい人の候補になるのが、新宿のAlpen TOKYOです。2026年6月26日には、リーニン主催で大迫選手のトークイベントが開かれ、抽選で当選した約30人のファンの前で大迫選手がFEIDIAN 6 ELITEについて語りました。リーニンが日本で大迫選手を招いて行うトークイベントとしては初の試みだったとされています(出典:アルペン公式マガジン)。

Alpen TOKYOは新宿東口より徒歩1分と、仕事帰りにも立ち寄りやすい立地です。ランニングシューズの売り場が広く、ナイキのアルファフライやヴェイパーフライと同じ日に履き比べられる可能性があるのも魅力です。

ただし、リーニンの在庫やサイズ展開は時期によって変わります。「行けば必ずFEIDIAN 6 ELITEの自分のサイズがある」とは限らないので、目当てのモデルとサイズを決めているなら、来店前に店舗へ問い合わせておくと無駄足を防げます。

📍 Alpen TOKYO
住所 〒160-0022 東京都新宿区新宿三丁目23番7号
電話番号 03-5312-7680
営業時間 11:00〜22:00(土・日・祝は10:00〜22:00)
アクセス 新宿東口より徒歩1分
駐車場 提携駐車場あり(サブナード駐車場・買い物金額に応じた無料サービスあり)
公式サイト 公式サイト

サイズ選びで失敗する人の共通点

海外ブランドのレーシングシューズで最も多い失敗が、サイズ選びです。国内レビューでは、リーニンのような中国サイズは「日本で販売されている靴より0.5〜1.0cm大きく作られている印象」とされ、FEIDIAN 6 ELITEについては普段より1.0〜1.5cm下げたサイズを推奨する声もあります。

よくある失敗は、普段ナイキで履いているcm表記のまま通販で注文し、届いてみたらつま先が余りすぎて中で足が滑る、というパターンです。レーシングシューズは足と靴の一体感が命なので、中で足が動くと推進力が逃げるうえ、爪や足裏のマメの原因にもなります。

対策はシンプルで、「表記サイズではなく実寸で選ぶ」ことです。自分の足の実寸(かかとから一番長い指先まで)を測り、捨て寸の目安と照らし合わせたうえで、ブランドのサイズ表や販売店の実測値を確認しましょう。捨て寸の考え方は別記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
ランニングシューズつま先2cmは大きすぎる?捨て寸の正解は1〜1.5cmと足型別の見極め方
ランニングシューズを買うとき、「つま先は2cm空けろ」と教わった人は多いはずです。ところが実際に2cm空けて走ると、シューズの中で足が前後に動き、10kmを過ぎ…
⚠️ 失敗パターン1:いつものcm表記で通販注文してしまう
状況:ナイキでは27.0cmを履いている人が、FEIDIAN 6 ELITEも27.0cmで海外通販に注文。届いた靴はつま先が余り、ハーフの試走で足が中で前に滑って爪を痛めた。
原因:中国サイズは日本表記より大きめに作られている傾向があり、cm表記が同じでも実寸が違う。
対策:足の実寸を測り、販売店のサイズ表で「何cm下げるか」を確認してから注文する。初回は返品しやすい国内ルートを選び、試し履きできるなら店舗で合わせてから買う。

アルファフライ・ヴェイパーフライと比べると?大迫傑シューズの代わりになる3足

ナイキ時代の相棒を今選ぶならアルファフライ 3

大迫選手がナイキ時代の最後に「バランス感がしっくりきた」と評価したのがアルファフライ 3です。ナイキ公式の表記では重量約218g(メンズサイズ28cm)、オフセット8mm。前足部に2つのAir Zoomユニット、かかとからつま先までのZoomXフォーム、フルレングスのカーボンファイバープレートを組み合わせています。

メーカー希望小売価格は39,655円。2026年9月24日時点ではナイキ公式でセール価格33,799円になっていましたが、セールは時期により変動します。FEIDIAN 6 ELITEとほぼ同じ重量帯・同じフルマラソン用という立ち位置で、国内の店舗で試し履きしやすい点が大きな違いです。

デメリットは、オフセット8mmでもクッション量が多く、ペースが遅いと重さを感じやすいこと。また後継のアルファフライ 4の発売が近づいているため、アルファフライ3は人気サイズから在庫がなくなる可能性があります。キロ4分台でフルを走る人が、大迫選手のナイキ時代の感覚を試すなら、現実的な選択肢です。

軽さ重視ならヴェイパーフライ 4

大迫選手がアルファフライ2の時期にあえて選んでいたのがヴェイパーフライ系でした。現行のヴェイパーフライ 4は、ナイキ公式の表記で重量約190g(メンズサイズ28cm)、オフセット6mm。ヴェイパーフライ 3よりアッパー・ミッドソール・アウトソールを軽量化し、プレート角度を高めた設計です。

価格は29,700円で、アルファフライ3の定価より手の届きやすい設定。ナイキは「1マイルレースからマラソンまで」をうたっており、ハーフやフルを1足でこなしたい人に向いています。アルファフライよりソールの存在感が控えめなので、接地が安定しやすいと感じる人もいます。

注意点は、軽さと引き換えにクッション量は控えめで、フルの後半に脚が残るかどうかは走力次第なこと。サブ3.5前後の走力があり、ピッチ型でリズムよく走るランナーに合いやすいモデルです。前作との違いや詳しいスペックは個別レビューにまとめています。

あわせて読みたい
ヴェイパーフライ4は168gで歴代最軽量|ドロップ6mmの前傾設計とVF3・アルファフライ3との違い
「ヴェイパーフライ4って前作と何が変わったの?」「サブ4狙いの自分にも履きこなせる?」——ナイキのレーシングシューズ最新作を前に、こんな疑問を抱えているランナー…

軽さとバランスを両立したい、ハーフもフルも1足で走りたい人ならこの1足▼

発売を待つならアルファフライ 4

これから買うなら、発売直前のアルファフライ 4を待つという選択肢もあります。報道によると、プロトタイプカラーが10月29日、メンズのオレンジとウィメンズのピンクが11月12日に発売予定で、価格は39,600円(税込・予定)とされています。

前作比でエネルギーリターン10%向上・5%軽量化をうたい、ミッドソール上部に新しいZoomX LTフォーム、下部にZoomXフォームを配置した構成です。ZoomX LTは標準的なZoomXより最大17%軽く、エネルギーリターンが8%高いとされています。アッパーは縫い目のないアトムニットです。

ただし、発売直後は品薄になりやすく、実際の重量やサイズ感の情報も出そろっていません。秋冬のレースに間に合わせたいなら、新作を待つより、いま試し履きできるアルファフライ3やヴェイパーフライ4で早めに足を慣らすほうが確実です。新しいシューズは最低でも数回のポイント練習で試してからレースに投入しましょう。

モデル重量ドロップ価格向く人
リーニン FEIDIAN 6 ELITE219g(US10.5・公称)6mm(公称)購入ルートで変動サブ3前後・前足部着地
ナイキ アルファフライ 3約218g(28cm)8mm39,655円フル後半に脚を残したい人
ナイキ ヴェイパーフライ 4約190g(28cm)6mm29,700円ハーフ〜フルを1足で
ナイキ アルファフライ 4前作比5%軽量化未公表39,600円(予定)新作を待てる人

大迫選手の「使い分け」を市民ランナーはどう真似る?

レース・スピード練習・ロング・ジョグで4つに分ける

アルペン公式マガジンのトークイベントレポートによると、大迫選手はリーニンのシューズを用途に応じて使い分けていると明かしています。レースで履くモデル、速いペースの練習で使うモデル、ロングランで試すモデル、日々のジョグで足を支えるモデル。目的ごとに履き分けながら、それぞれの特性を確かめているそうです。

これは市民ランナーにもそのまま応用できる考え方です。ただ、いきなり4足そろえる必要はありません。まずは「ジョグ用の安定した1足」と「レース・ポイント練習用の1足」の2足から始め、走る量が増えてきたらロング用やスピード練習用を足していく、という順番が現実的です。

2足体制にするだけでも、レース靴の消耗を抑えつつ、ジョグで脚をいたわれるようになります。飛電6シリーズで言えば、フル用のELITEと、日常練習とレースの橋渡し役とされるCHALLENGERの組み合わせが、この考え方に近い構成です。

「夏はタイムを追わない」は市民ランナーこそ効く

同じイベントで大迫選手は、市民ランナーに向けて「夏はタイムを追わないこと。暑さには身体が慣れるしかない部分もあります」とアドバイスしています。また「自分の中のメーターを持っておく」ことの大切さも語っています。

シューズの話とは直接関係ないように見えますが、実は靴選びにも通じる考え方です。暑い時期にレース用の厚底カーボンでタイムを追うと、反発で前に進むぶん心拍や体温が上がりやすく、故障や熱中症のリスクも増えます。夏場はジョグ用の靴で距離と時間を積み、秋にレース靴でペースを上げていく、という季節ごとの使い分けがおすすめです。

「自分の中のメーター」とは、いまのペースが自分の余力に合っているかを感じ取る力のこと。GPSウォッチの数字だけでなく、呼吸や脚の張りで自分の状態を判断できるようになると、どの靴を履いてもペースを崩しにくくなります。

レース靴で毎日走ると起きること

使い分けをせずにレース用の厚底カーボンで毎日走ると、どうなるのか。よくあるのが、ふくらはぎやアキレス腱まわりに張りが抜けなくなるパターンです。反発の大きい靴は、脚の筋肉が本来担う仕事の一部を靴が肩代わりする一方、前足部への負担のかかり方も変わります。

また、PEBA系の軽量フォームはへたりが早い傾向があり、毎日履けばレース本番の前に反発が落ちてしまいます。3万円前後するレース靴を練習で使い切ってしまうのは、コスト面でも得策ではありません。

大迫選手が用途ごとに履き分けているのは、トップ選手ならではのぜいたくではなく、脚と靴の両方を長持ちさせるための合理的な方法です。市民ランナーこそ、レース靴は「ポイント練習とレースだけ」と決めておくと、本番で靴の性能を最大限に引き出せます。

⚠️ 失敗パターン2:憧れのレース靴を普段のジョグにも使ってしまう
状況:大迫選手と同じ厚底カーボンを買ったのがうれしくて、毎朝のキロ6分ジョグにも履き続けた。3か月後、本番前にふくらはぎの張りが抜けず、靴の反発も新品時より落ちていた。
原因:レース用シューズを練習の全部に使い、脚の回復と靴の寿命の両方を削ってしまった。
対策:ジョグ用の安定した1足を別に用意し、レース靴はポイント練習とレースに限定する。レース3〜4週間前に一度ロング走で試し、本番の感覚を確かめておく。
✅ 今日からできるアクション
  1. Step1: 自分の足の実寸と、いまのフルマラソン(またはハーフ)のペースを書き出す
  2. Step2: ジョグ用とレース用の2足体制にするため、手持ちの靴の役割を決める
  3. Step3: 気になるレース靴は店舗で試し履きし、ハーフや10kmで試してからフルに投入する

まとめ|大迫傑の足元から学ぶ、自分に合う1足の選び方

🏃 この記事の結論

大迫傑選手の現在のシューズはリーニンのFEIDIAN 6 ELITEです。同じ靴より、自分のペースと足型に合う1足を選びましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ 現在の相棒:リーニン FEIDIAN 6 ELITE
  • ✔ 移籍時期:2025年10月、ナイキ12年から変更
  • ✔ ナイキ時代:ヴェイパーフライとアルファフライ
  • ✔ サイズ:中国サイズは大きめ、実寸で選ぶ
  • ✔ 使い方:レース靴とジョグ靴を分ける

大迫選手の靴選びを振り返ると、ナイキでもリーニンでも一貫して「バランス」を重視していることがわかります。まずは自分の足の実寸といまのペースを確認し、気になる1足を店舗で履き比べるところから始めてみてください。

※価格・発売日・在庫は2026年9月時点の情報です。最新情報は各メーカー・販売店の公式サイトでご確認ください。

👟 ランニング道具の選び方

編集部の比較まとめ記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フルマラソン完走を目指して日々トレーニング中の市民ランナー。シューズ選びやトレーニングメニュー、大会レポートなど、走ることを楽しむすべての人に役立つ情報を発信しています。初心者ランナーの気持ちに寄り添った記事を心がけています。

コメント

コメントする

目次