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街でもランニングコースでも見かける機会が増えた、Onのボリュームたっぷりな厚底シューズ「クラウドモンスター」。その3代目が2026年3月5日に発売されました。「2から何が変わったの?」「295gって重くない?」「ハイパーとどっちを買えばいい?」と、店頭で迷っている方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、クラウドモンスター3はキロ6分前後のジョグからロングジョグまでを1足でこなしたい市民ランナー向けのデイリートレーナーです。最大の変化はソールのクッション(CloudTec)が2層から3層構造になったこと。一方で重さは前作と同じ水準で、ロッカー形状が強いぶん、かかとからベタッと着地する人には合わない場面もあります。
この記事では、On公式の発表値をもとにスペックを数字で読み解き、前作クラウドモンスター2との違い、上位版のハイパー・ライトスプレーとの選び分け、サイズ選びの失敗パターンまで、週末ランナー目線で本音で整理していきます。
・クラウドモンスター3の3層CloudTecとスペック(重量・ドロップ・厚さ)の読み方
・前作クラウドモンスター2から進化した点と変わらなかった点
・ハイパー/ライトスプレーを含む3モデルの選び分け
・サイズ選びと着地タイプで失敗しないためのチェックポイント
クラウドモンスター3とは?3層CloudTecで何が変わったのか

まずは、クラウドモンスター3がどんな立ち位置のシューズなのかを整理しましょう。見た目の厚底インパクトに目が行きがちですが、中身を知ると使いどころがはっきり見えてきます。
ブランド史上初の「3層構造」CloudTecが最大の変更点
クラウドモンスター3のいちばんの進化は、Onの代名詞である穴の空いたクッション構造「CloudTec」が、ブランド史上初の3層構造になったことです。初代と2代目は2層構造だったので、単純に「雲(クラウド)」が1段増えたイメージです。
On公式の発表によると、この3層のCloudTecに二重密度(硬さの異なる2種類)のHelionフォームを組み合わせ、クッション性と反発力のバランスを高めたとされています。層が増えると着地の衝撃を段階的に受け止められるため、ロング走の後半で脚に残るダメージを減らす狙いがあると読み取れます。
使う場面としては、週末に15〜20kmをゆっくり走るロングジョグや、平日の40〜60分ジョグ。1回あたりの着地回数が多いメニューほど、クッションが多層になったメリットを感じやすいはずです。
ただし注意したいのは、「3層=ふわふわに柔らかい」ではないこと。海外の専門レビューでは、かかと側のクラウドは沈むのに前足部のクラウドは沈みにくく、全体としては「しっかりめ」の乗り心地だと評価されています。雲の上を歩くような柔らかさを期待して買うと、イメージとズレる可能性があります。
ナイロン配合のSpeedboardとロッカー形状で「前に転がる」
クッションと並ぶもう1つの柱が、ミッドソールに内蔵されたナイロン配合の「Speedboard(スピードボード)」と、つま先とかかとが反り上がったロッカー形状です。カーボンプレートのような硬い板ではなく、しなりのあるボードで着地のエネルギーを推進力に変える設計になっています。
On公式の商品説明では、初代モデルの特徴だった「足が前へ推し出されるライド感」がパワーアップしたとされています。ロッカー形状は、かかとからつま先への重心移動をスムーズにするための仕組みで、脚の力を使わなくても体が前に運ばれる感覚が得やすくなります。
この「転がる感覚」が効くのは、ペースを一定に保ちたいジョグやロング走です。キロ6分〜7分台で淡々と距離を積みたいとき、足を前に出す動作をシューズが手伝ってくれるので、後半に脚が止まりにくくなります。
一方で、ロッカーが強いシューズは、信号待ちの多い街中での細かなストップ&ゴーや、急な方向転換には向きません。また、足首の動きを使わずに転がる設計のため、ふくらはぎの使い方が普段のシューズと変わり、慣れるまで違和感を覚える人もいます。
On公式の位置づけは「デイリートレーナー」
クラウドモンスター3は、On公式サイトで「デイリートレーナー」に分類されています。商品説明には、汎用性と耐久性に優れ、リカバリーランからロングジョグまで対応すると書かれています。つまりレース用ではなく、毎日の練習をこなすための相棒という立ち位置です。
同じシリーズには、よりスピード寄りの「Cloudmonster 3 Hyper」と、超軽量アッパーを採用した「LightSpray Cloudmonster 3 Hyper」があり、この2つは「スーパートレーナー」に分類されています。無印の3は、シリーズの中で最もベーシックで価格も抑えめなモデルです。
具体的には、週3〜4回走る市民ランナーが「平日のジョグも週末のロングも1足で済ませたい」ときに候補になります。フルマラソン完走を目指す段階なら、レース本番にそのまま履いていく選択も現実的です。
ただし、インターバル走やペース走のようにキロ5分を切るスピード練習がメインの人には、重さとしっかりめのクッションが足かせになりがちです。スピード練習用には別の軽量シューズを用意するか、後述のハイパーを検討した方が満足度は高くなります。
・発売日:2026年3月5日
・価格:24,200円(税込)
・重量:295g(メンズUS8.5)/240g(ウィメンズUS7)
・ドロップ:6mm(スタックハイトはかかと35mm・つま先29mm)
・構造:3層構造CloudTec+二重密度Helionフォーム+ナイロン配合Speedboard
・サイズ:メンズ25〜31.5cm、ウィメンズ22〜28cm
(出典:On公式プレスリリース、On日本公式サイト)
295g・ドロップ6mmは重いのか?スペックを数字で読み解く
スペック表の数字は、読み方を知っていると「自分に合うかどうか」の判断材料になります。ここでは重量・ドロップ・スタックハイトの3つを、市民ランナー目線で読み解きます。
295gは「重め」だが、ジョグ用としては許容範囲
クラウドモンスター3の重量は、On公式発表でメンズUS8.5が295g、ウィメンズUS7が240gです。最近のジョグ用厚底シューズには250g前後のモデルも多いので、数字だけを見ると重めの部類に入ります。
とはいえ、この重さは「クッションの量」と引き換えです。3層のCloudTecとSpeedboardを積んでいる以上、軽さを突き詰めた設計ではありません。前作クラウドモンスター2も27.0cmで295gとされており、重さはほぼ据え置きと考えてよいでしょう。
キロ6分〜7分台のジョグなら、片足あたり数十グラムの差が走りに与える影響は限定的です。むしろ、後半に脚が残るかどうかの方が完走や練習継続に直結します。ロング走のたびに脚が売り切れてしまう人にとっては、多少重くてもクッションを優先する価値があります。
注意点は、軽いシューズから履き替えた直後です。200g台前半のシューズに慣れている人は、足を持ち上げる感覚が変わり、最初の数回は「重い」と感じやすいはず。いきなり20km走で下ろすのではなく、5〜10kmのジョグで慣らしてから距離を伸ばしましょう。
ドロップ6mmは「かかと寄りでも前寄りでもない」中間値
ドロップとは、かかとの厚さとつま先の厚さの差のこと。クラウドモンスター3は6mmで、かかと35mm・つま先29mmという設計です。かかとの厚みを大きく取った一般的なジョグシューズよりは低く、レーシングシューズに近い設定です。
ドロップが低いほど、足裏全体やミッドフットで着地しやすくなり、ふくらはぎやアキレス腱をよく使う走りになります。逆に高いほど、かかと着地でもスムーズに体重移動しやすくなります。6mmは、その中間よりやや低めの位置づけです。
ミッドフット寄りに着地できる人や、普段から低〜中程度のドロップのシューズで走っている人なら、違和感なく移行できるでしょう。ロッカー形状との組み合わせで、足裏の中央から前に転がる感覚が得やすいはずです。
ただし海外レビューでは、前足部のクラウドが沈みにくいため、実際に体重をかけると表示の6mmより低く感じるという指摘もあります。ドロップが大きいシューズからいきなり履き替えると、ふくらはぎの張りにつながりやすい点は覚えておきましょう。
かかと35mmの厚さが生む安心感と、足元の感覚の鈍さ
スタックハイト(ソールの厚さ)は、かかと35mm・つま先29mmです。足の下にしっかりとした厚みがあるため、アスファルトからの突き上げを感じにくく、ロング走や疲れている日のリカバリージョグで安心感があります。
厚みがある分、着地の衝撃をソールが受け止めてくれるので、膝や腰への負担が気になるランナーや、体重が重めのランナーにも向いています。特に、走り始めて半年〜1年ほどで、まだ脚がロング走に慣れていない段階では心強い要素です。
シーンとしては、舗装路中心のジョギングコースや河川敷、皇居周回のようなフラットな道がベストです。一定のリズムで淡々と走る環境ほど、厚底とロッカーの恩恵を受けやすくなります。
デメリットは、路面の感覚がつかみにくくなること。段差や砂利、濡れたマンホールなどでは、足裏で状況を感じ取る前に着地が終わってしまいがちです。夜間ランや不整地では、いつもより視線を足元に配ることを意識しましょう。
ランニングスタイル調べ:クラウドモンスター新旧4モデルのスペック比較
シリーズの違いをひと目で比べられるよう、On公式発表値と販売情報をもとに主要スペックを一覧にしました。重量は各モデルの公表サイズの値なので、履くサイズによって前後します。
| モデル | 価格(税込) | 重量 | ドロップ | 厚さ(かかと/つま先) |
|---|---|---|---|---|
| Cloudmonster 3 | 24,200円 | 295g | 6mm | 35mm/29mm |
| Cloudmonster 3 Hyper | 27,500円 | 274g | 6mm | 39.5mm/33.5mm |
| LightSpray Cloudmonster 3 Hyper | 35,200円 | 205g | 6mm | 45mm/39mm |
| Cloudmonster 2(前作) | 発売時23,100円程度 | 295g(27.0cm) | 6mm | 公表値なし |

こうして並べると、ドロップはシリーズ全体で6mmに統一され、価格と厚さ・軽さが比例していることがわかります。無印の3は、シリーズの中で「いちばん手に取りやすい入口」という位置づけです。

「厚底」「カーボン」「反発」――シューズ選びでよく聞く言葉ですが、その性能の正体はほとんどがミッドソール、つまりアウトソールとインソールの間にあるスポンジ状の層…
前作クラウドモンスター2から何が進化した?

クラウドモンスター2を履いている方や、値下がりした2と迷っている方にとって、いちばん気になるのが「買い替える価値があるか」でしょう。変わった点と変わらなかった点を分けて見ていきます。
クッションは2層から3層へ、乗り心地は「しっかり寄り」に
最大の変更点は、繰り返しになりますがCloudTecの層の数です。クラウドモンスター2は2層構造のCloudTecに二重密度のHelionスーパーフォームを組み合わせていましたが、3では3層構造に進化しました。
海外の専門レビューでは、3の乗り心地は「よりしっかりとした、ロッカーの効いたライド」と表現されています。一方で「前作より反発感は控えめ」という声もあり、弾むような感覚を重視していた人には好みが分かれるポイントです。
向いているのは、2で「後半に脚が疲れる」「着地がぶれる」と感じていた人。3はクッションの層が増えて着地が安定しやすくなったぶん、ロング走でリズムを保ちやすい方向に振られています。
逆に、2の「ポンポン弾む感じ」が気に入っていた人は、3を試し履きせずに買うのはおすすめしません。進化というより性格の変化に近いので、店頭で2と3を履き比べてから判断するのが確実です。
アッパーとタンの見直しで、履き心地のストレスが減った
地味ながら満足度に直結するのが、アッパーまわりの改良です。On日本公式の発売情報を取り上げたメディア記事では、タン(ベロ)のパッドと足型を見直し、履いた瞬間からの快適性を高めたと紹介されています。
海外レビューでも、2はアッパーの素材が硬くタンが薄いため、靴ひもで甲が圧迫される「レースバイト」が起きやすかったと指摘されています。3では新しいアッパーでこの問題が解消され、中足部をしっかりホールドしてくれると評価されています。
2でひもを締めると甲が痛くなった経験がある人にとっては、この改良だけでも買い替える理由になります。特にロング走では、1時間を超えたあたりから小さな圧迫が痛みに変わりやすいので、タンのクッションは見た目以上に効いてきます。
ただし、パッドが厚くなったぶん甲まわりの容積は変わっています。甲が高い人は逆にきつく感じる可能性があるため、この点は後述のサイズ選びのパートで詳しく解説します。
重さとドロップはほぼ据え置き、軽量化は期待しない
変わらなかった点も押さえておきましょう。前作クラウドモンスター2の重量は27.0cmで295g、ドロップは6mmとされており、3のメンズUS8.5で295g・ドロップ6mmという数値とほぼ同じ水準です。
つまり、3は「軽くなった新型」ではなく「同じ重さのまま中身を作り替えた新型」です。海外の実測レビューでは前作よりわずかに重くなったという報告もあり、少なくとも軽量化を狙ったモデルチェンジではないと考えてよいでしょう。
そのため、2の重さに不満がなかった人なら、3でも違和感なく使えます。練習の役割(ジョグ・ロング担当)をそのまま引き継げるので、ローテーションを組み替える必要もありません。
反対に、2を「重いから」という理由で手放した人にとっては、3も同じ悩みが残ります。軽さを求めるなら、後述のハイパーやライトスプレー、あるいは別シリーズを検討した方が近道です。
在庫限りの2を安く買うのもアリ、ただし条件付き
2026年9月時点で、On日本公式のCloudmonsterコレクションページに掲載されているのは3シリーズのみで、クラウドモンスター2は流通在庫のみの状態です。価格.comでは最安16,170円程度の販売が確認でき(時期により変動)、3の24,200円と比べると手に取りやすくなっています。
2は2層CloudTecの弾む乗り心地が持ち味で、ジョグ用の厚底シューズとしては今でも十分に働きます。「とにかくOnの厚底を安く試したい」「サブの2足目として雨の日用がほしい」という人には現実的な選択肢です。
具体的には、すでに別メーカーのクッション系シューズを持っていて、ローテーションに1足足したいケース。週1〜2回のジョグ用として使うなら、2で困ることはあまりないはずです。
ただし、在庫限りのモデルは人気サイズから先に消えていきます。欲しいサイズが残っていない、あるいはカラーが選べないこともあるので、サイズを妥協してまで2を買うのは本末転倒です。また、前述したレースバイトの問題は2に残ったままなので、甲の圧迫が気になる人は3を選びましょう。
実は、クラウドモンスター3の進化で市民ランナーに一番効いてくるのは「3層クッション」よりも「アッパーの改良」かもしれません。スペック表に載らない部分ですが、ロング走で甲が痛くならないことは、ペースを守ることと同じくらい完走に直結します。新作のクッションばかりに目を奪われず、ひもを締めた状態で10分ほど店内を歩き、甲まわりの当たりを確かめるのがおすすめです。
走ってわかる長所と、合わないランナーの特徴
スペックと前作比較を押さえたところで、実際に走ったときの長所と短所を整理します。どんなシューズにも向き不向きがあるので、デメリットも正直にお伝えします。
ロッカーの「転がり」で、ロング走の後半が楽になる
クラウドモンスター3の最大の長所は、ロッカー形状とSpeedboardが生む「前に転がる」感覚です。海外レビューでも、前足部への移行がスムーズで、転がるようなライドが心地よいと評価されています。
この感覚が効くのは、脚が疲れてくる後半です。ロング走の20km以降やジョグの終盤は、どうしても蹴り出しが弱くなってピッチが落ちがちですが、ロッカーがあると足を前に運ぶ動作をシューズが補ってくれます。
キロ6分30秒〜7分で2時間走るような、初マラソンに向けたLSD(ゆっくり長く走る練習)との相性は抜群です。一定のリズムで淡々と走るメニューほど、このシューズの持ち味が出ます。
ただし、転がりに頼りすぎると、自分の脚で地面を押す感覚が薄れていきます。すべての練習をこのシューズでこなすのではなく、週に1回は薄めのシューズでジョグをして、足裏の感覚を保つようにしましょう。
ワイドな前足部と固定感のあるフィット
フィット感についても海外レビューの評価は良好です。サイズ感はおおむね標準(普段のサイズで合う)で、前足部はやや広め、中足部はやや細めとされています。ガセットタン(タンがアッパーとつながった構造)がパッド入りで、足をしっかり固定してくれるという評価です。
前足部に余裕があるため、ロング走の後半に足がむくんでも指先が窮屈になりにくいのがメリット。足幅がやや広めの日本人ランナーにとっては、Onの中でも選びやすい部類に入ります。
具体的には、細身のシューズで小指の付け根が当たりやすい人や、長時間走ると足が前にずれて指先が痛くなる人に向いています。中足部で足が固定されるので、下り坂でも足が前に滑りにくいはずです。
一方で、全体の容積は低めとされ、甲が高い人は窮屈に感じる可能性があります。幅広の4Eモデルのような「全体がゆったりした」作りではないので、足幅も甲の高さもボリュームがある人は必ず試し履きをしてください。

「オンのシューズって種類が多すぎて、どれが自分に合うのか分からない」——クラウドモンスター、クラウドサーファー、クラウドフロー、クラウドブーム……名前が似ている…
失敗例①:かかと着地のままロング走に投入してふくらはぎが張った
よくある失敗が、かかとから着地する走り方のまま、いきなりロング走に投入してしまうケースです。たとえば、かかとが厚い高ドロップのジョグシューズで走っていた人が、新しいクラウドモンスター3で翌週の20km走に臨み、翌日ふくらはぎがパンパンに張ってしまう――というパターンです。
原因は、ドロップ6mmという低めの設計と、前足部のクラウドが沈みにくい構造にあります。海外レビューでは、体重をかけると実際のドロップが表示より低く感じられ、かかと着地の人はふくらはぎやアキレス腱に負担がかかる可能性があると指摘されています。
対策はシンプルで、最初の2週間は5〜10kmのジョグだけで使い、ふくらはぎの反応を確かめてから距離を伸ばすこと。ロング走は、いつものシューズとクラウドモンスター3を交互に使いながら、徐々に比率を増やしていきましょう。
それでも毎回ふくらはぎが張る場合は、シューズが体に合っていないサインかもしれません。痛みが続くときは無理に使い続けず、ドロップの高いシューズに戻すことも立派な選択です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ロッカーの転がりでロング走後半が楽 3層クッションで着地が安定しやすい アッパー改良で甲の圧迫が減った 前足部がやや広めで指先に余裕 | 295gでジョグ用としても重め 柔らかさより「しっかり」寄りの乗り心地 ドロップ6mmでかかと着地だと脚に負担 甲高の人には容積が低めに感じやすい |
サイズ選びで失敗しないために知っておきたいこと

厚底シューズは、サイズが合っていないと性能を発揮できないどころか、足のトラブルの原因にもなります。クラウドモンスター3のサイズ選びで押さえておきたいポイントを整理しました。
基本は「普段のランニングシューズと同じサイズ」から試す
海外の専門レビューでは、クラウドモンスター3のサイズ感はおおむね標準(普段のサイズで合う)とされています。まずは、今履いているランニングシューズと同じサイズから試し履きを始めるのが基本です。
サイズ展開はメンズ25〜31.5cm、ウィメンズ22〜28cm。メンズは0.5cm刻みで用意されているので、大きめの足の人でも選択肢があります。なお、On日本公式サイトではサイズ表記がJP(cm)で統一されており、US表記に慣れていなくても迷いにくくなっています。
試し履きのときは、必ずランニング用の靴下を履いて、両足を試してください。左右で足のサイズが違う人は珍しくなく、大きい方の足に合わせるのが原則です。つま先には指1本弱ほどの余裕があるのが目安です。
注意したいのは、普段履きのスニーカーのサイズで選んでしまうこと。スニーカーは少し大きめで履いている人が多いため、そのサイズで買うと走ったときに足が靴の中で動いてしまいます。必ず「ランニングシューズのサイズ」を基準にしましょう。

ランニングシューズを買うとき、「つま先は2cm空けろ」と教わった人は多いはずです。ところが実際に2cm空けて走ると、シューズの中で足が前後に動き、10kmを過ぎ…
甲高・幅広の人は「中足部のきつさ」をチェック
前のパートで触れたとおり、クラウドモンスター3は前足部がやや広めな一方、中足部はやや細めで、全体の容積は低めとされています。つまり「指先は余裕があるのに、甲だけきつい」という状態が起こりえます。
甲が高い人は、ひもを締めた状態で甲の上に圧迫感がないかを必ず確認してください。パッド入りのタンは固定感を高めてくれる一方、容積の小さい足型と組み合わさると、ロング走で甲がしびれる原因になることがあります。
対策としては、ひもの通し方を工夫する方法があります。甲の一番高い部分に当たるハトメを1つ飛ばして通す「スキップレーシング」にすると、圧迫を逃がしやすくなります。それでもきつい場合は、ハーフサイズ上げて中足部の余裕を確保するのも1つの手です。
ただし、サイズを上げると前足部がさらに広くなり、足が靴の中で前後に動きやすくなります。ハーフサイズ上げた場合は、かかとが浮かないか、下り坂を想定して足が前に滑らないかを店内で確認しましょう。
失敗例②:見た目重視でハーフサイズ大きめを選び、指先に血豆ができた
2つ目の失敗パターンは、ボリュームのある見た目や「厚底は大きめがいい」という思い込みから、普段よりハーフサイズ以上大きいサイズを選んでしまうケースです。店頭で履いたときはゆったりして快適だったのに、10km走ったあたりで足が前にずれ、下り坂で指先がシューズに当たり続けて血豆ができた――という話はよく聞きます。
原因は、クラウドモンスター3の前足部がもともとやや広めな設計であること。サイズを上げると前足部の余裕がさらに増え、ロッカー形状で前に転がる力と重なって、足がつま先側に押し出されやすくなります。
対策は、まず普段のランニングシューズと同じサイズを基準にし、甲や幅にきつさがあるときだけハーフサイズ上げること。そのうえで、かかとをシューズの後ろに合わせてからひもを締める「かかと合わせ」を毎回行いましょう。一番上のハトメを使ったヒールロック(ランナーズノット)も、足の前ずれ防止に効果的です。
なお、見た目のバランスを重視して街履き用に大きめを選ぶのは個人の自由ですが、同じ1足でランニングもするなら、走る用のサイズを優先するのが失敗しないコツです。
試し履きは「午後」「ランニングソックス」「店内ダッシュ」で
試し履きの精度を上げるには、タイミングと方法が大切です。足は1日の中で夕方にかけてむくむため、午後から夕方に試し履きをすると、実際に走ったあとの足の状態に近いサイズ感を確かめられます。
On公式の発売情報では、クラウドモンスター3の取扱店として、オン ストア トウキョウ キャット ストリートやオン フラッグシップ ストア トウキョウ ギンザ、公式オンラインストア、全国の取扱店舗が案内されています。スポーツ量販店でも扱いがあるので、近くの店舗で実物を試すのが確実です。
店内では、立った状態でつま先の余裕を確認するだけでなく、可能なら軽く小走りしてみてください。ロッカー形状のシューズは、立っているときと走っているときで印象が大きく変わります。転がる感覚が自分の走りに合うかどうかは、動いてみないとわかりません。
通販で買う場合は、返品・交換の条件を事前に確認しておきましょう。屋外で走ったあとは返品できないことが多いので、届いたら室内で履いて、サイズ感を確かめてから外で走るのが安全です。
- ☐ 普段のランニングシューズと同じサイズから試したか
- ☐ ランニング用の靴下を履いて両足で確認したか
- ☐ ひもを締めた状態で甲に圧迫感がないか
- ☐ かかとを合わせたとき、つま先に指1本弱の余裕があるか
- ☐ 小走りしてロッカーの転がりに違和感がないか
- ☐ 通販の場合、返品・交換の条件を確認したか
ハイパー・ライトスプレーとの違いは?3モデルの選び分け
クラウドモンスター3のシリーズには、無印の3に加えて「Cloudmonster 3 Hyper」と「LightSpray Cloudmonster 3 Hyper」があります。名前が似ていて迷いやすいので、それぞれの性格を整理しておきましょう。
Cloudmonster 3 Hyper:プレートなし・ハイパーフォームのスーパートレーナー
Cloudmonster 3 Hyperは、On公式で「スーパートレーナー」に分類されるモデルです。価格は27,500円(税込)。On公式発表の重量はメンズUS8.5で274g、ウィメンズUS7で216gと、無印の3より軽くなっています。
ミッドソールには、On独自の高反発フォーム「Helion HFハイパーフォーム」を採用。On公式発表では前作のハイパーよりフォームを20%増やし、配合も改良したとされています。スタックハイトはかかと39.5mm・つま先33.5mmと、無印の3より厚くなっています。
特徴的なのが、あえてプレートを入れない設計であること。On公式の説明では、スピード練習からロング走までレースに向けたトレーニングを支え、特に長距離ランやテンポ走に最適とされています。キロ5分台のペース走や、30km走でレースペースを刻む練習に向いているモデルです。
一方で、ゆっくりしたジョグやリカバリーランには反発が強すぎると感じる人もいます。日本のレビューでは「ジョグという選択肢を切り捨てた」と評されることもあり、毎日のジョグ用としては無印の3の方が扱いやすいでしょう。
LightSpray Cloudmonster 3 Hyper:205gの超軽量モデル
LightSpray Cloudmonster 3 Hyperは、シリーズで最も軽く、最も高価なモデルです。価格は35,200円(税込)で、日本では2026年4月16日に発売されました。On公式発表の重量はメンズUS8.5で205gと、無印の3より大幅に軽くなっています。
最大の特徴は、靴ひもがない一体成型の「LightSpray」アッパー。ロボットが素材を吹き付けて形成する独自技術で、継ぎ目のない軽量なアッパーを実現しています。スタックハイトはかかと45mm・つま先39mmと、シリーズで最も厚い設計です。
向いているのは、軽さと厚底クッションの両方を求める中〜上級者です。サブ4やサブ3.5を狙う人が、ポイント練習やロング走で脚を守りながらスピードも出したいときに選択肢になります。
ただし、靴ひもがないためフィットの微調整ができず、足型が合わないと解決策がありません。また価格も無印の3より高いので、「軽いから」という理由だけで選ぶのはおすすめしません。必ず試し履きをしてから購入を判断しましょう。
結局どれを選ぶ?ペースと予算で決める
3モデルの選び分けは、主に「走るペース」と「予算」で決めるのがわかりやすい方法です。基本的な考え方は、ゆっくり走るなら無印、ペースを上げるならハイパー、軽さを最優先するならライトスプレーです。
キロ6分より遅いジョグやLSDが練習の中心なら、無印の3が最もバランスの取れた選択です。価格も24,200円とシリーズで最も抑えめで、耐久性も重視された設計なので、毎日の練習でガンガン使えます。
キロ5分台のペース走やテンポ走を週に1〜2回取り入れているなら、ハイパーが候補になります。無印とハイパーを両方そろえて、ジョグ用とポイント練習用に使い分けるのも理想的なローテーションです。
注意したいのは、「上位モデルほど良い」とは限らないこと。ハイパーやライトスプレーは反発が強いぶん、脚の筋力がまだ育っていない初心者が使うと、かえって脚に負担がかかることがあります。走り始めて1年未満なら、まずは無印の3から始めるのが無難です。
・ジョグ・LSD中心 → Cloudmonster 3(24,200円)
・ペース走・テンポ走も取り入れる → Cloudmonster 3 Hyper(27,500円)
・軽さ最優先の中〜上級者 → LightSpray Cloudmonster 3 Hyper(35,200円)
ドロップはどれも6mmで共通。迷ったら、自分の練習の半分以上を占めるペースに合わせて選びましょう。
ランナータイプ別:クラウドモンスター3が活きる練習シーン
最後に、クラウドモンスター3がどんなランナーのどんな練習で活きるのかを、タイプ別に具体的に提案します。自分に近いタイプを探してみてください。
初マラソン完走を目指す人:LSDとロング走の相棒に
初めてのフルマラソン完走を目指す人にとって、クラウドモンスター3は心強い相棒になります。完走を目指す段階では、スピードよりも「長い時間走り続けられる脚」を作ることが最優先だからです。
厚いクッションとロッカー形状は、キロ7分前後でゆっくり2〜3時間走るLSDとの相性が良好です。後半に脚が疲れてきても、転がる感覚が足を前に運んでくれるので、歩かずに走り切れる距離を少しずつ伸ばしていけます。
レース本番もそのまま履いていけるので、「練習用とレース用で2足買う余裕はない」という人にも向いています。30km以降の脚が残るかどうかが完走を左右するフルマラソンでは、クッションの厚さが最後の10kmで効いてきます。
ただし、前述のとおりドロップは6mmと低めなので、かかと着地が強い人はふくらはぎへの負担に注意が必要です。レースの2か月前には慣らしを始め、ロング走で実際に使ってトラブルがないことを確認しておきましょう。

「フルマラソンに申し込んだけど、キロ何分で走ればいいの?」——初マラソンを控えたランナーが最初にぶつかる壁がペース設定です。結論から言うと、初心者が完走を目指す…
サブ4を狙う人:ジョグ担当として2足ローテーションに
サブ4を目指す中級者なら、クラウドモンスター3は「ジョグ担当」として2足ローテーションに組み込むのがおすすめです。サブ4には平均キロ5分40秒程度のペースが必要になるため、ポイント練習ではもう少し軽いシューズを使った方が効率的です。
具体的には、週に1〜2回のペース走やインターバル走は軽量シューズで行い、残りのジョグやリカバリーラン、週末のロング走をクラウドモンスター3でこなす使い分けです。疲れた脚をクッションで守りながら、走行距離を積み上げられます。
複数のシューズを交互に履くと、ミッドソールが回復する時間を確保でき、1足あたりの寿命も延びやすくなります。また、シューズによって足の使い方が少しずつ変わるので、特定の部位に負担が集中するのを防げます。
注意点は、ジョグ用として使いやすいからといって、ポイント練習まで全部これで済ませないこと。295gの重さとしっかりめのクッションは、キロ5分を切るスピード練習では足かせになります。スピード練習用は別に用意するか、ハイパーを検討しましょう。
通勤ランや街履きも兼ねたい人:デザインと汎用性を活かす
クラウドモンスターシリーズは、ボリュームのあるデザインから街履きとしても人気があります。3はブラック、ホワイトなど落ち着いたカラーもそろっているので、通勤ランや普段使いと兼用したい人にも向いています。
海外レビューでも、ランニングだけでなく1日中履いて過ごす用途にも使える汎用性が評価されています。朝は走って出勤し、そのまま仕事場で過ごす――というような使い方をする人には、1足で何役もこなせる点がメリットです。
具体的には、職場まで5〜10km走る通勤ランナーや、週末は走って平日は街履きにしたい人。On日本公式サイトではメンズだけでも7色が展開されており、服装に合わせて選べます。
ただし、街履きでの着用時間が長くなると、そのぶんミッドソールやアウトソールの消耗も早まります。ランニングの走行距離に加えて街履きの歩行距離も加わるので、クッションのへたりを感じたら早めの買い替えを検討しましょう。
体重が重めの人・膝が気になる人:衝撃を和らげるクッション
ダイエット目的で走り始めた人や、膝の違和感が気になる人にとっても、クラウドモンスター3の厚いクッションは味方になります。かかと35mmの厚みと3層のCloudTecが、アスファルトからの衝撃を和らげてくれます。
着地のたびに受ける衝撃は、体重が重いほど大きくなります。クッションが薄いシューズで走ると、その衝撃がそのまま膝や腰に伝わりやすくなるため、厚底で着地が安定しやすいシューズを選ぶのは理にかなっています。
具体的には、キロ7分〜8分でゆっくり30分〜1時間走る習慣をつけたい人。ロッカー形状が体を前に運んでくれるので、脚の筋力がまだ十分でない段階でも、リズムよく走り続けやすくなります。
ただし、クッションがあるからといって、急に走行距離を増やすのは禁物です。膝や足に痛みがある場合は、シューズで解決しようとせず、整形外科などの専門家に相談してください。シューズはあくまでサポート役であることを忘れないようにしましょう。
- Step1: 自分の練習の中心ペース(キロ6分より遅いか速いか)を確認する
- Step2: 普段のランニングシューズのサイズと、着地のクセ(かかと・足裏全体)を把握する
- Step3: 午後に店頭で試し履きし、小走りで転がる感覚が合うか確かめる
まとめ:クラウドモンスター3はジョグ中心の市民ランナーに向く1足
最初の一歩として、今週末に近くの取扱店で、普段のランニングシューズと同じサイズのクラウドモンスター3を試し履きしてみてください。店内で数歩小走りするだけでも、ロッカーの転がりが自分の走りに合うかどうかは十分に見えてきます。合うと感じたら、まずは5kmのジョグから慣らし始めましょう。
※価格・仕様は2026年9月時点の情報です。最新情報はOn日本公式サイトでご確認ください。




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