京都マラソンにエントリーが決まった、あるいはこれから応募しようとしている。そのとき最初に気になるのが「このコース、自分の脚で6時間以内に走り切れるのか」という一点ではないでしょうか。世界遺産を7か所も巡る華やかな大会という情報はいくらでも出てきますが、肝心の坂がどこにあって、どこで脚が終わるのかは意外と語られていません。
結論から言います。京都マラソンコースは、平坦な都市型マラソンではありません。大会が公開しているコース高低差図を読み取ると、標高がいちばん低いスタート地点が約25m、いちばん高い16km前後が約100m。その差は約75mあります。しかも坂は前半に集中し、脚が売り切れた39〜40kmでもう一度約78mまで登り返す構造になっています。前半で貯金を作りにいくと、まず間違いなく後半で全部吐き出します。
この記事では、京都マラソン2027の公式コース図と高低差図、京都市が公表している過去大会の実績データをもとに、区間ごとに何が起きるのかを分解します。あわせて、号砲基準6時間という制限時間の本当の厳しさと、5km毎の通過タイム目安まで具体的に示します。
・公式高低差図から読み取った京都マラソンコースの坂の位置と標高
・区間別に「どこで脚が削られるか」と、その対処法
・号砲基準6時間の意味と、5km毎の通過タイム目安(ランニングスタイル調べ)
・2月の京都で走るための当日準備とアクセスの考え方
京都マラソンコースの全体像|42.195kmを8つの区間で読み解く
スタートは西京極、フィニッシュは平安神宮前という骨格
京都マラソンのマラソン種目は、たけびしスタジアム京都(西京極総合運動公園内)をスタートし、平安神宮前にフィニッシュする42.195kmです。日本陸上競技連盟公認、WA(ワールド・アスレティックス)およびAIMS(国際マラソン・ディスタンスレース協会)認証コースなので、ここで出したタイムは公認記録として扱えます。サブ4やサブ4.5を狙う人が記録目的で選んでも問題ない大会です。
ルートの骨格は、市街地の南西から桂川沿いに北上し、嵐山・嵯峨野をかすめて西山の裾を東へ横断、金閣寺から北大路通に出て上賀茂神社まで北上し、賀茂川沿いに南下して岡崎へ入る、という「京都の外周を反時計回りに一筆書きする」形です。同じ道をほとんど戻らないポイント・トゥ・ポイントなので、景色が最後まで変わり続けます。
使い方としては、観光名所の位置よりも「どこで川沿いに出るか」を覚えておくのが実戦的です。桂川沿いと賀茂川沿いは風の通り道になり、体感がまったく変わります。注意したいのは、ポイント・トゥ・ポイントゆえに荷物はすべて預託になること。スタート会場で預けた荷物はフィニッシュ地点で受け取る流れになるため、走行中に必要なものは全部身につけて出る前提で装備を組む必要があります。
公式高低差図が示す「二つの山」
大会が公開しているコース高低差図を読み取ると、京都マラソンコースの標高プロファイルは明確に二つの山を持っています。第一の山は6km過ぎから始まって16km前後で約100mに達する長い登り。第二の山は39〜40kmで約78mまで再上昇する短い登りです。間の20〜35kmは、標高で見れば約80mから約45mへゆるやかに落ちていく下り基調の区間になります。
数字で見ると高低差約75mは、たとえば箱根駅伝5区のような山岳区間とは比べものになりません。ただしフルマラソンで効いてくるのは絶対的な標高差ではなく、坂が現れる位置です。京都マラソンは、脚が新鮮なうちに一番長い登りを済ませ、脚が終わってから二番目の登りが来ます。この配置がこのコースの性格を決めています。
コース試走ができる人は、せめて後半だけでも脚に入れておくと通過タイムの精度が変わります。京都市内には走りやすい定番コースがそろっているので、遠征組も前日入りのジョグで路面感覚をつかんでおくと安心です。

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区間別・標高の目安一覧(ランニングスタイル調べ)
公式コース高低差図と公式コース図の距離表示を突き合わせて、区間ごとの標高の目安を表にしました。標高値はグラフからの読み取りなので概算ですが、どこが登りでどこが下りかという傾向は正確につかめます。
| 区間 | 標高の目安 | 性格 |
|---|---|---|
| スタート〜5km | 約25m→約30m | ほぼ平坦。混雑で自然に抑えられる |
| 5〜10km | 約30m→約80m | 嵐山から嵯峨野へ、最初の長い登り |
| 10〜16km | 約80m→約100m | きぬかけの路。コース最高標高 |
| 16〜21km | 約100m→約80m | 細かい起伏を伴う下降。中間点 |
| 21〜30km | 約80m→約65m | 上賀茂・北山・賀茂川。ゆるい下り基調 |
| 30〜37km | 約65m→約45m | 市街地。コースで最も標高が低い |
| 37〜40km | 約45m→約78m | 今出川通を東へ。第二の山 |
| 40km〜フィニッシュ | 約78m→約45m | 折り返して下り、岡崎へ |
制限時間6時間と、8か所の時間制限関門
マラソン・ペア駅伝の制限時間は6時間です。大会実施要項には「交通・警備、競技運営上、時間制限関門を設ける。関門以外においても著しく遅れた場合は、競技を中止させることがある」と明記されています。京都市が公表した2025大会の総括資料によれば、速やかな交通規制解除のために時間制限関門は8箇所設置されました。
ここで見落とされがちなのが、制限時間の基準が「号砲」だという点です。つまりスタートラインを越えるまでにかかった時間も、6時間の中に含まれます。1万6千人規模の大会なので、後方ブロックだと号砲から数分単位のロスが発生します。自分の時計が5時間55分でも、公式には時間切れという事態は起こり得ます。
対策はシンプルで、目標を6時間ちょうどに置かないことです。号砲基準で5時間30分前後を狙える組み立てにしておけば、給水やトイレで数分止まっても関門に追われません。参加資格自体も「6時間以内に完走できる方」と定められているので、応募段階からこの水準を前提に練習計画を立てるのが筋です。
スタートから10km、貯金づくりが命取りになる区間
号砲直後は「走れてしまう」ことを疑う
スタートのたけびしスタジアム京都から最初の5kmは、公式高低差図で見ると標高約25mから約30mへわずかに上がるだけの、実質フラットな区間です。しかも2月の京都は冷えていて、体は軽く感じます。2025大会は9時のスタート会場が晴・9.0℃・湿度71%でした。走るには理想的な条件で、だからこそ速く入ってしまいます。
ここで意識したいのは、最初の1kmは混雑で必ず遅くなるという事実です。遅れた分を2〜3km目で取り返そうとした瞬間、設定ペースを20〜30秒上回る走りになります。号砲基準で6時間を切るペースはキロ8分32秒、5時間30分ならキロ7分49秒。この数字を体に入れて、最初の5kmは「わざと遅い」と感じる程度に抑えるのが正解です。
注意点として、寒さ対策で着込んだまま入ると5km手前で汗をかき始めます。京都マラソンではスタート後に防寒衣類を回収してリユース・リサイクルに回す取り組みがあり、脱ぎ捨て前提の使い捨てレイヤーを1枚持つ運用がしやすい大会です。捨てる場所と量を事前に決めておきましょう。
桂川沿いと渡月橋、風と景色に持っていかれる7km前後
公式コース図の距離表示では、5km地点は桂川沿いの松尾大社付近にあたります。ここから嵐山・渡月橋へ向かう区間は、川沿いを北上する開けたルートです。景色は文句なしですが、川沿いは横風・向かい風がまともに当たる場所でもあります。
風の中で単独走をすると、同じ主観的なきつさでもペースは落ちます。ここは意地を張らず、前を走る集団の斜め後ろにつくのが省エネです。ペースが自分より20〜30秒遅い集団でも、7km地点で無理に前に出る価値はほとんどありません。渡月橋周辺は応援も密度が高く、テンションだけで加速しやすいのも要注意です。
デメリットも正直に書いておくと、この区間は道幅の関係でランナーが横に広がりにくく、ペースの自由度が低めです。給水でロスした位置を取り戻そうと蛇行すると、余計な距離を踏みます。42.195kmは公認コースの最短距離で計測されているので、蛇行した分はまるごと自分の負債になります。
6km過ぎから始まる、40分続く長い登り
京都マラソンコースで最初に脚を削るのが、6km過ぎから10km付近にかけての登りです。高低差図では標高約30mから約80mまで、約4kmかけて50m上がります。1kmあたり平均12m程度なので勾配としては1%強。数字だけ見ればたいしたことはありませんが、「ずっと終わらない」タイプの登りです。
この区間で使うべきは、歩幅ではなくピッチです。ストライドを保とうとすると大腿四頭筋の消耗が一気に進み、後半の下りでブレーキがかけられなくなります。歩幅を5〜10cm落として回転数を維持し、心拍を上げない。登り切ったところでペースが30秒落ちていても、それは想定内として扱ってください。
逆に言えば、この登りを「まだ脚が新しいうちに済ませられる」のは京都マラソンの数少ない親切設計です。同じ距離の登りが30km地点にあったら、完走率は目に見えて下がるはずです。
サブ4.5狙いのランナーが、平坦な序盤と応援に押されて10kmを予定より4分速く通過。登りでもペースを守れた手応えから中盤も攻め、16kmの最高標高地点で心拍が上がりきる。20km過ぎに脚が張り始め、30kmで失速して結局5時間台後半。
対策:10km通過だけは腕時計のラップで機械的に確認し、予定より2分以上速ければ、次の5kmを意図的にキロ15秒落とす。序盤の貯金は、京都マラソンでは利子がつかない。
最高標高は16km付近|きぬかけの路が脚に効いてくる
広沢池から宇多野へ、勾配が変わる10km過ぎ
嵯峨野・広沢池を過ぎると、コースは「きぬかけの路」に入ります。公式コース図では10km地点が宇多野・仁和寺付近にあたり、高低差図ではここから16km前後の約100mへ向けてじりじりと標高が上がっていきます。序盤の登りとの違いは、勾配が一定ではなく、細かいアップダウンを挟みながら上がっていく点です。
この「刻まれた登り」がやっかいなのは、下るたびに脚が緩んで、また登るたびに再加速を強いられることです。フルマラソンで最も筋損傷が蓄積するのは、実は登りより下り。下りで前傾を保てずに接地が体の前方へ流れると、大腿四頭筋に伸張性の負荷が繰り返しかかります。
具体的な走り方としては、下りでピッチを上げて歩幅を狭く保つこと。「下りで休む」のではなく「下りでダメージを避ける」意識に切り替えるだけで、35km以降の脚の残り方が変わります。
仁和寺・龍安寺・金閣寺、視線が上がる区間の落とし穴
きぬかけの路は仁和寺、龍安寺、金閣寺という世界文化遺産を結ぶ観光道路です。京都マラソンは天龍寺、仁和寺、龍安寺、金閣寺、上賀茂神社、下鴨神社、銀閣寺という7か所の世界文化遺産の周辺を巡り、送り火の五山(鳥居形、左大文字、船形、妙法、大文字)をすべて眺望できるコースとして設計されています。この区間はその見どころが凝縮された場所です。
ただ、走る側の実利として言えば、景色を見上げると首と肩に力が入り、前傾が抜けます。写真を撮るために減速・停止するランナーもいて、13〜15km付近はコース上の速度差が大きくなります。追い越し時に急な進路変更をすると接触の危険もあります。
おすすめは「見る区間」を1か所に決めてしまうことです。たとえば金閣寺前だけは景色を楽しむと決め、それ以外は路面と前走者の背中を見る。全部見ようとすると、結果的にどれも記憶に残らないまま脚だけ削れます。
中間点は標高約80m、ここでの通過タイムが完走の分水嶺
公式高低差図では中間点(21.0975km)は標高約80m付近にあり、最高標高からやや下ったところに位置します。ここまでで、コース上の主要な登りの大半を消化したことになります。
実務的な使い方として、中間点の通過タイムは「後半に使える持ち時間」の判定に使います。号砲基準6時間の均等ペースなら中間点は約2時間59分、5時間30分狙いなら約2時間45分。京都マラソンは後半が下り基調なので、中間点をイーブンかわずかに遅いくらいで通過できていれば、後半の失速をある程度吸収できます。
逆に、中間点で予定より5分以上速い場合は黄信号です。前半に約75mの登りを含むコースで貯金ができているということは、心拍を使い切って走っている可能性が高い。40km手前にもう一つ山が残っていることを思い出してください。
京都マラソンは「世界遺産を巡る観光マラソン」として紹介されがちですが、コースプロファイルだけを見れば、意外と知られていないのは坂の主戦場が前半にあるという点です。多くの都市型マラソンは前半平坦・後半に橋やアンダーパスという構成ですが、京都は逆。前半で心拍を守れた人だけが後半の下り基調を利益に変えられます。「前半は我慢、後半勝負」という一般論が、このコースでは最も素直に効きます。
20〜30km、平坦に見える賀茂川エリアの落とし穴
上賀茂神社から北山へ、風向きが変わる20km台
公式コース図では20km地点が上賀茂神社付近、25km地点が北山通・京都コンサートホール付近です。標高で見れば約80mから約75mへほとんど変わらず、地図上も直線的で、資料だけ見ると「回復区間」に見えます。
ところが実走の条件はそう単純ではありません。賀茂川沿いは南北に開けているため、風向き次第で向かい風区間になります。2月の京都は北から冷えた空気が入りやすく、川沿いで体感温度が落ちます。汗で濡れたウェアのまま向かい風に入ると、体温を保つためにエネルギーが余計に使われます。
ここでの実践的な工夫は、20km手前の給水で口をつける量を少し増やしておくこと。寒いと喉が渇かないため、2月のマラソンは脱水に気づきにくいのが厄介です。汗が目立たなくても、呼気と皮膚から水分は抜け続けています。
27.6kmのペア駅伝中継点と、賀茂川河川敷の路面
京都マラソンにはマラソン(42.195km)のほかにペア駅伝(1区27.6km、2区14.6km)と車いす競技(6.1km)があります。公式コース図では、ペア駅伝の中継点27.6kmは京都府立植物園に置かれています。フルマラソンのランナーにとっては、ここで2区の走者が新鮮な脚で飛び出してくる区間ということです。
自分より明らかに速いランナーが横を抜けていくのは、精神的に効きます。しかも自分は27km、相手は0kmです。ここで反応してペースを上げると、40km手前の登りに残す脚がなくなります。「速い人=自分より前半から走っている人」ではないと理解しておくだけで、無駄な競り合いを避けられます。
また、コースは賀茂川の河川敷を使う区間を含みます。舗装路とは足触りが変わり、細かい凹凸で接地が不安定になります。厚底カーボンシューズはこうした路面で安定性を欠くことがあるので、シューズ選びの段階で考慮しておくと安心です。
30km、標高が下がるのに体感がきつくなる理由
公式コース図の30km地点は賀茂川河川敷・下鴨神社付近。高低差図では標高約65mで、20km台からゆるやかに下がってきています。それでも多くのランナーがここできつさを感じます。
理由は明快で、前半の約75mの登りで使った筋グリコーゲンの残高が、ちょうどこのあたりで底をつくからです。下り基調でスピードが出せるはずの区間なのに脚が動かない、という状態は、地形ではなくエネルギー管理の問題です。
対策は、30kmで補給するのではなく、30kmに備えて20km台から刻んで補給しておくこと。給水所は水またはスポーツドリンクを紙コップで提供する方式で、マイカップ・マイボトルへの給水にも対応しています。自前のジェルを何km地点で摂るかを、レース前に紙に書き出しておくのが確実です。
京都市が公表した大会総括資料によると、2025大会はマラソン16,250人・ペア駅伝516人・車いす競技8人の計16,774人が出走し、完走者は15,624人、完走率93.1%でした。前年の2024大会は16,363人が出走して完走者15,114人、完走率92.4%。男女比は男子80.7%・女子19.3%です。10人に1人弱は完走できていない計算で、6時間・高低差約75mという条件は決して甘くありません。(出典:京都市 文教はぐくみ委員会資料「京都マラソン2025大会の総括」)
京都マラソンコース最大の壁は40km手前の登り
今出川通を東へ、脚が終わってからの約2km
公式コース図をたどると、終盤は出町柳から河原町通を南下し、御池通で折り返して丸太町通を東へ。東大路通・東一条通を経て今出川通に入り、銀閣寺の手前まで東進してから折り返します。40km地点はこの折り返し直後、京都大学付近です。
高低差図で見ると、35km付近の約45mがコースで最も標高が低く、そこから39〜40kmにかけて約78mまで上がります。距離にして数km、標高差にして30m強。序盤の登りより短く、勾配としても穏やかです。それでも京都マラソンコース最大の壁と呼ばれるのは、単純に「その時点で脚が残っていない」からです。
走り方としては、ここは記録を取りに行く場所ではなく、失点を減らす場所と割り切ります。登り区間だけキロ30〜60秒落ちても、折り返してからの下りとフィニッシュまでの区間で十分に取り返せます。無理にペースを維持しようとして脚がつるほうが、はるかに損失が大きい。
折り返し地点は精神的なチェックポイントになる
この終盤の折り返しには、実は使い道があります。折り返し構造なので、自分より前にいるランナーと後ろのランナーが視界に入ります。同じくらいのペースの人を1人見つけて、その背中を追う。それだけで残り2kmの体感が変わります。
注意点は、折り返し直後の下りで飛ばしすぎることです。40kmまで温存してきた脚を最後の下りで一気に使うと、フィニッシュ直前の平坦区間で脚が動かなくなります。下りは「重力に任せてピッチを上げる」程度にとどめ、ストライドを伸ばさない。
補給という観点では、35km以降に固形物は入りません。ジェルなど吸収の速いものを、30〜35kmのうちに最後の1つを入れ終えておく組み立てが現実的です。
フィニッシュは平安神宮前、大鳥居が見えてからが長い
フィニッシュは岡崎エリアの平安神宮前です。京都市京セラ美術館やロームシアター京都が並ぶ一帯で、朱塗りの大鳥居がランドマークになります。ここが厄介なのは、大鳥居が遠くから見えてしまうこと。「もう着く」と思ってから、まだ数百メートルあります。
高低差図ではフィニッシュ地点は標高約45m。40kmの約78mから下ってくる形なので、脚さえ残っていれば最後は加速できます。逆に言うと、40km手前の登りで脚を使い切った人にとっては、下りが拷問に変わる区間でもあります。
| 住所 | 〒606-8341 京都市左京区岡崎西天王町97 |
| 電話番号 | 075-761-0221 |
| アクセス | 地下鉄東西線「東山駅」下車、1番出口より徒歩10分/市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 北へ徒歩5分 |
| 駐車場 | なし(周辺に京都市営岡崎公園駐車場などの有料駐車場あり) |
| 公式サイト | 公式サイト |
30kmまで順調だったランナーが、給水所でスポーツドリンクを飲んだだけで固形の補給を後回しに。35km付近で低血糖の症状が出て、39kmの登りで歩きに変わる。歩くと筋温が下がり、再び走り出せなくなって関門ギリギリのフィニッシュ。
対策:ジェルは「きつくなったら摂る」ではなく「時間で摂る」。スタートから45〜60分おきに機械的に入れ、最後の1つは35km手前で消費し終える設計にしておく。
6時間の壁をどう攻略するか|号砲基準の意味と通過タイム早見表
号砲基準6時間は、実質「5時間50分台のレース」
もう一度確認します。京都マラソンの制限時間は6時間で、その基準は号砲です。ネットタイム(スタートラインを越えてからの時間)ではありません。マラソンの定員は16,000名で、後方ブロックからのスタートなら号砲からスタートラインまで数分かかります。
つまり実質的には、自分の時計で5時間50分前後にはフィニッシュラインを越えている必要がある、と考えるべきです。加えて、トイレの列に並べばそこで3〜5分、給水所で立ち止まって飲めば1回あたり10〜20秒が積み上がります。
この構造を理解しておくと、目標設定が変わります。「6時間以内に完走できる方」という参加資格をぎりぎりで満たすのではなく、練習段階から5時間30分を目標に置くほうが、当日のトラブルに耐えられます。
5km毎の通過タイム早見表(ランニングスタイル調べ)
号砲基準で6時間ちょうど、および余裕を持った5時間30分の場合の、5km毎の通過タイム目安を計算しました。京都マラソンは前半が登り・後半が下り基調なので、均等ペースをそのまま当てはめず、前半は表より1〜2分遅く、後半で取り返す配分が現実的です。
| 地点 | 6時間(キロ8分32秒) | 5時間30分(キロ7分49秒) |
|---|---|---|
| 5km | 42分40秒 | 39分06秒 |
| 10km | 1時間25分19秒 | 1時間18分13秒 |
| 15km | 2時間07分59秒 | 1時間57分19秒 |
| 中間点 | 2時間59分59秒 | 2時間45分00秒 |
| 25km | 3時間33分18秒 | 3時間15分31秒 |
| 30km | 4時間15分57秒 | 3時間54分38秒 |
| 35km | 4時間58分37秒 | 4時間33分44秒 |
| 40km | 5時間41分16秒 | 5時間12分50秒 |
| フィニッシュ | 6時間00分00秒 | 5時間30分00秒 |
ペース設定そのものに不安がある人は、目標タイム別の通過タイムをまとめた記事もあわせて確認しておくと、当日の判断が速くなります。

「フルマラソンを走るけれど、1kmを何分で走ればゴールタイムが何時間になるのか、いまいちピンとこない」——そんな疑問を抱えるランナーは少なくありません。ペース表…
レベル別・京都マラソンコースの走り分け
同じコースでも、目標によって攻め方は変わります。初フルマラソンなら、10kmまでを表より2分遅く通過し、16kmの最高標高地点までは心拍を上げないことだけを考える。20km台の下り基調で自然に戻ってくるので、後半にペースを合わせにいく必要はありません。
サブ4.5を狙う層は、前半の登りでどれだけ「損をしない」かが勝負です。6〜16kmの10kmで累計3分落とし、20〜35kmの下り基調で2分半戻す、という設計が現実的。40km手前の登りで30秒落ちる前提で組めば、想定内に収まります。
サブ4を狙う層にとっては、京都は記録が出しにくい部類のコースです。それでも公認コースである以上、狙う価値はあります。ポイントは16kmまでを「登坂練習」と割り切り、下りでの接地位置を崩さないこと。デメリットとして、最初のフルでサブ4を狙う舞台としてはおすすめしません。フラットな大会で基準タイムを作ってから臨むほうが確実です。
- Step1: 目標を号砲基準で設定し、上の早見表から自分の通過タイムを腕に書き出す
- Step2: 週1回、4km前後の連続した緩い登りを含むコースでロング走を行い、前半型の坂に慣れる
- Step3: 下り坂ではピッチを上げて歩幅を狭める走り方を、練習で意識的に反復する
- Step4: 補給を「時間基準」に変え、45〜60分おきに摂るリズムを30km走で試しておく
2月の京都を走るために、当日までに決めておくこと
気温は9℃から15℃へ、6時間で季節が変わる
2月中旬から下旬の京都は冷えます。京都市の総括資料によると、2025大会は9時のスタート会場が晴・9.0℃・湿度71%、15時のフィニッシュ会場が曇・14.6℃・湿度53%でした。2024大会は9時が曇・13.2℃・湿度69%、15時が雨・18.8℃・湿度58%です。
つまりスタートとフィニッシュで5℃前後の差があり、年によっては雨も降ります。服装は「スタート時に少し寒い」を基準に組み、脱ぎ捨てられる防寒レイヤーを重ねるのが定石です。京都マラソンでは雨天・防寒対策として簡易ポンチョが配布された実績もありますが、あてにせず自分で用意しておくほうが確実です。
注意点として、フィニッシュ後は急激に体が冷えます。5時間以上動き続けたあとの汗冷えは、走行中よりも危険です。預託荷物には必ず着替え一式と、上に羽織れる保温着を入れておいてください。
スタート会場へのアクセスと、当日の交通規制
スタート会場はたけびしスタジアム京都です。京都マラソンは当日をノーマイカーデーに設定しており、2025大会では市バス無料乗車券が14,081枚利用され、閉塞地に無料シャトルタクシーが7路線で運行されました。沿道住民・事業者128,000世帯に交通規制マップが配布される規模の交通規制が敷かれます。
遠征組は、当日朝の移動を京都駅起点で組むのが無難です。2025大会では京都駅からスタート会場へ市バスが32台運行されました。宿を岡崎・東山側に取ると、フィニッシュ後の移動は楽になる一方で、朝の移動が交通規制の内側になります。どちらを優先するかは事前に決めておきましょう。
| 住所 | 〒615-0864 京都市右京区西京極新明町29 |
| 電話番号 | 075-313-9131 |
| 営業時間 | 1月4日~12月28日 午前7時~午後9時 |
| アクセス | 阪急電鉄「西京極」駅すぐ/京都市バス・京阪京都交通「西京極運動公園前」停留所すぐ |
| 駐車場 | あり |
| 公式サイト | 公式サイト |
エントリーの倍率と、意外と知られていないルール
京都マラソン2026のエントリー数は合計39,221人(海外2,386人を含む)で、抽選倍率はマラソン2.7倍、ペア駅伝3.5倍でした。マラソンは定員16,000人に対して37,587人が応募しています。2025大会の2.1倍から上がっており、確実に走れる大会ではありません。
参加料は国内・京都市内在住が18,500円、市外在住が19,500円、海外ランナー枠が35,000円。ペア駅伝は1組2名で34,000円、車いす競技は3,000円です。抽選に頼らず出走権を得たい場合は、京都市スポーツ振興基金への10万円以上(ペア駅伝は20万円以上)の寄付によるふるさと納税枠があり、こちらは先着制です。ただし別途参加料が必要になります。
もう一つ、見落としやすいルールがあります。京都マラソンでは「仮装して参加することは認めない」と実施要項に明記されています。会社名や商品名を意味する図案・商標などの広告的な表示も認められません。仮装が楽しみで大会を選ぶ人は、この点を必ず確認してください。

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大会前後のスケジュールを先に押さえる
京都マラソン2027は令和9年(2027年)2月21日(日)開催で、車いす競技が8:55、マラソン・ペア駅伝が9:00スタート、15:00終了です。ランナー受付は2月19日(金)と20日(土)に京都市勧業館「みやこめっせ」で行われます。当日受付は原則ありません。
国内ランナー枠のエントリー期間は令和8年7月16日(木)午前10時から8月31日(月)午後5時まで。募集枠は国内一般枠12,240人(京都市民枠1,600人を含む)、ふるさと納税枠760人、海外ランナー枠3,000人という構成です。申込はRUNNETからのインターネット受付で、事前の会員登録が必要です。
受付が金曜・土曜の2日間しかないため、遠方から参加する場合は最低でも1泊、金曜に動けないなら土曜午前入りが前提になります。2月の京都は宿泊需要が読みにくいので、当選が決まった段階で宿を押さえるのが安全です。
- ☑ 号砲基準の目標タイムと5km毎の通過タイムを決めた
- ☐ 前半16kmまでの登りを想定した練習を月1回以上入れた
- ☐ 脱ぎ捨て用の防寒レイヤーと、フィニッシュ後の保温着を用意した
- ☐ 補給のタイミングを時間基準で紙に書き出した
- ☐ 受付日(金・土)に合わせて宿と移動を確保した
- ☐ 仮装・広告表示の禁止など、実施要項のルールを確認した
まとめ|京都マラソンコースは前半の坂と40km手前で決まる
京都マラソンコースを一言でまとめるなら、「前半で我慢できた人だけが後半に景色を楽しめるコース」です。スタートから5kmは平坦、6kmから16kmまでが約75mを駆け上がる本番、そこから35kmまでが下り基調のご褒美区間、そして39〜40kmで最後の登り返し。この四段構成さえ頭に入っていれば、当日どこで力を使うべきかを迷わなくて済みます。完走率93.1%という数字は、裏を返せば十数人に1人が6時間の壁に阻まれているということです。差がつくのは走力よりも、コースを知っているかどうかでしょう。最初の一歩として、次のロング走で「前半に4km前後の緩い登りを組み込む」ことから始めてみてください。登りでピッチを保ち、下りで歩幅を狭める。この二つを体に覚え込ませるだけで、2月の京都で走れる距離は確実に伸びます。
なお、参加料・エントリー期間・コース・当日の運営内容は大会ごとに変更されることがあります。申込前には京都マラソン公式サイトの大会実施要項およびコース紹介ページで最新情報をご確認ください。
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