ニューバランス1080v15は約40g軽量化|255gの新フォームをv14と徹底比較

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「1080はv14で完成形だと思っていたのに、v15はまるで別物になった」——2026年1月に発売されたニューバランス1080v15について、走り込んでいるランナーほどこの言い方をします。数字を見れば理由ははっきりしています。ミッドソールが長年の看板だったFresh Foam Xから新素材INFINIONへ切り替わり、重量は前作から約40gも落ちました。シューズ1足で40gの変化は、モデルチェンジの幅としては大きい部類です。

結論から言えば、1080v15は「ゆっくり長く走るための柔らかい厚底」から「柔らかいまま、テンポも上げられる万能デイリートレーナー」に軸足を移した一足です。初マラソン完走を狙う人のメイン1足としても、サブ4を狙う人のジョグ担当としても成立します。ただし安定性と通気性には割り切りがあり、全員にすすめられる靴ではありません。

この記事では、ニューバランス ジャパンの公式リリースと海外ラボの実測値をもとに、v14との具体的な差、サイズとウイズの選び方、向かない場面、そして880v15やGEL-NIMBUS 28と比べたときの立ち位置までまとめます。買う前に知っておけば「サイズで失敗した」「思っていた走り方に合わなかった」を避けられます。

🏃 この記事でわかること
・1080v15とv14の違いを重量・スタック・価格の数字で比較
・自分の足に合うウイズ(D/2E/4E)とサイズの決め方
・1080v15が向かない3つの場面と、その代わりに選ぶべきモデル
・880v15・FuelCell Rebel v5・GEL-NIMBUS 28とのポジションの違い
目次

ニューバランス1080v15は何が変わった?新フォーム移行を数字で確認する

ニューバランス1080v15は何が変わった?新フォーム移行を数字で確認するの解説画像

看板だった「Fresh Foam X」の名前が消えた

1080v15でいちばん大きい変更は、モデル名から「Fresh Foam X」が外れたことです。ミッドソールが新しいINFINION(インフィニオン)フォームに置き換わったため、名称もシンプルに「1080」となりました。ニューバランス ジャパンの発表によれば、INFINIONはFRESH FOAM、FUELCELLに続くニューバランスの新しいミッドソールプラットフォームという位置づけです。

公式が挙げる進化点は、やわらかな履き心地はそのままに、反発するクッション性とエネルギーリターンを向上させ、耐久性も高めて長い距離・長い期間の走りに対応した、というもの。つまり「柔らかさを捨てずに、戻りを足した」という設計思想です。実際に履くとフォームの沈み込み方は前作の系統を引き継いでいて、いきなり硬くなったという印象にはなりません。

使い方としては、キロ6分30秒前後のジョグから、ロング走の20km超までを1足でまかなうイメージが合います。注意点は、名前が変わったことで検索が混乱しやすいこと。ショップの在庫表記が「Fresh Foam X 1080v15」になっている場合もありますが、中身はINFINION搭載の同じモデルです。型番はメンズがM1080、ウィメンズがW1080で、ここはv14から変わっていません。

約40gの軽量化は、モデルチェンジとしては大きい変化

1080v15の重量はブランド公表値で261g、実測では27.0cmで255gという数字が出ています。v14が298gだったので、約40gの軽量化です。同じ厚さのクッションを保ったまま40g落とすのは、フォームの素材そのものを変えないと難しい領域で、INFINION移行のいちばん分かりやすい成果と言えます。

40gの差は、片足で単三電池1本ぶんに近い重さです。1kmあたりの歩数を仮に900歩とすると、20kmのロング走では片足だけで9,000回近く「40g軽い脚」を振り出すことになります。ラスト5kmで脚が上がらなくなる人ほど、この差は最後の数kmに効いてきます。

ただし、軽量化には代償もあります。前足部の幅が絞られたことが軽さに貢献しているという指摘があり、v14の余裕あるつま先が好きだった人には窮屈に感じられる可能性があります。「軽くなったから正解」ではなく「軽くなった代わりに足型が変わった」と理解して、必ず試着するか、ウイズ選びで調整するのが安全です。

📊 データで見る
海外の計測レビューでは、1080v15のミッドソール硬度はv14比で29%柔らかいという結果が出ています。一方でアウトソールのグリップスコアは0.59(v14は0.52)に向上。「柔らかくなったのに接地は安定した」という評価は、この2つの数字の組み合わせで説明できます(出典:RunRepeat/Doctors of Running)。

スタック40mm・ドロップ6mmは据え置き、変わったのは足の当たり方

スタックハイトはかかと40mm/前足部34mm、ドロップは6mmで、この骨格自体はv14からの流れを踏襲しています。海外ラボの実測ではかかと37.0mm/前足部30.6mm、ドロップ6.4mmという値になっており、実測とブランド表記に差があるのはインソールの扱いの違いによるものです。どちらの数字で見ても「低ドロップの厚底」というキャラクターは変わりません。

変わったのは足の当たり方です。前足部とかかと部の幅の差が小さくなり、筒に近い形状になったこと、甲の高さが前作より高く設計されたことが指摘されています。足入れした瞬間の「包まれる感じ」はv14の方が強く、v15は上方向に余裕がある分、足がやや泳ぎやすい構造になっています。

ドロップ6mmはふくらはぎとアキレス腱への負担がやや大きい設定です。ドロップの大きいシューズから乗り換える人は、いきなり30km走に投入せず、10km程度のジョグを数本挟んでから距離を伸ばすと、ふくらはぎの張りを避けられます。

価格は22,000円へ。上がった分をどう見るか

1080v15の価格はメンズ(M1080)・ウィメンズ(W1080)ともに22,000円(税込)です。v14が19,800円(税込)だったので、価格は上がりました。発売は2026年1月15日(木)の先行発売からで、一部カラーは2月発売。公式オンラインストア、オフィシャルストア、全国販売店で扱われています。

この価格帯は、アシックスのGEL-NIMBUS 28が22,000円(税込)と並ぶ水準で、国内メーカー・海外メーカーを含めた「プレミアムデイリートレーナー」の標準的な位置です。フォーム刷新と40gの軽量化という中身を見れば、価格改定の理由自体は説明がつきます。

とはいえ、予算を抑えたい人にとって22,000円は軽い出費ではありません。ジョグ中心で走行ペースが速くない人なら、同じニューバランスの880v15が16,940円(税込)で選べます。「厚底の柔らかさ」に価値を感じるかどうかが、この価格差を許容できるかの分かれ目です。

【ランニングスタイル調べ】v14と並べて見えた3つの差

重量298g→261g、脚の残り方が変わる

v14とv15を同じ条件で並べると、いちばん先に体感できるのが重量差です。v14は298g、v15はブランド公表値261g。数字にすると4割弱ではなく約12%の削減ですが、走っている最中の「脚が振れる/振れない」の感覚差はそれ以上に出ます。

これは重量だけでなく、フォームの戻りの速さが加わっているためです。v14は接地して沈んだフォームが戻るまでに間があり、テンポを上げようとすると足が沈み込みに取られる感覚がありました。v15はその待ち時間が短く、ジョグからペース走に移すときの「もたつき」が減っています。

使い分けとしては、ゆっくり長く走ることが目的でクッション最優先ならv14でも十分機能します。逆に「週末に1回だけ速めに走る日がある」人はv15の方が守備範囲に収まります。注意点は、軽くなったぶん脚を出しやすくなり、ジョグのはずがペースが上がって疲労が溜まる人がいること。ペースはシューズではなく時計で管理してください。

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柔らかさの方向が違う——沈む柔らかさから、戻る柔らかさへ

「v15は柔らかくなったのか、硬くなったのか」は評価が割れやすいポイントですが、実測ベースでは柔らかくなっています。海外ラボの計測ではv14比で29%柔らかいという結果です。それでも「v14より締まって感じる」という声が出るのは、フォームの戻りが速く、沈んだまま留まる時間が短いからです。

この違いは走る速度で表面化します。キロ7分のゆったりジョグでは両者の差は小さく、どちらも柔らかい厚底として気持ちよく走れます。キロ5分30秒前後まで上げると、v14は接地のたびに沈み込みが遅れて「重い」と感じ、v15は反発が返ってくるぶん脚を回しやすい。

デメリットもあります。柔らかいフォームは踏んだときの安定性を犠牲にしがちで、v15の弱点として「安定性は限定的」という評価が出ています。着地でかかとが内側に大きく倒れるタイプの人は、この柔らかさが逆に疲労を招きます。

項目1080v15Fresh Foam X 1080v14
重量261g(実測255g)298g
ミッドソールINFINIONフォームFresh Foam X
スタック(かかと/前足部)40mm/34mm37.0mm/32.8mm
ドロップ6mm6mm
価格(税込)22,000円19,800円
向く走り方ジョグ〜ロング走+たまのテンポ走クッション最優先のゆったりジョグ
重量の比較チャート(FuelCell Reb 227g・Fresh Foam X 290g・Fresh Foam X 298g)
重量の比較(ランニングスタイル調べ・各公式サイトより、2026年9月時点)

足型が「筒状」に。前足部が細くなった影響

3つ目の差は足型です。v15は前足部とかかとの幅の差が小さい、筒に近いラストに変更されました。トゥボックスの実測幅は73.2mmで、平均域に収まる数値です。v14まで「1080=つま先に余裕のある靴」という印象を持っていた人にとっては、明確な変更点になります。

この変更が効くのは、足の甲が高い人です。甲の高さが前作より高めに設計されているため、甲高で紐がきつくなりがちだった人は楽になります。逆に、甲が低くて前足部が細い人は、標準ウイズでも足が前後に動きやすくなります。

対策はウイズ選びです。メンズはD/2E/4E、ウィメンズはB/D/2Eの3種類が用意されているので、v14で2Eを履いていた人がv15で足が余るならD、逆に前足部が窮屈なら4Eという調整ができます。ここを面倒がって「前と同じ2E」で買うと、後述する失敗パターンにはまります。

どんなランナーに合う?走力とシーン別の使い分け

どんなランナーに合う?走力とシーン別の使い分けの解説画像

初マラソン完走を狙う人のメイン1足として

初マラソン完走が目標なら、1080v15はメイン1足として成立します。理由は、練習の大半を占めるキロ6分30秒〜7分台のジョグとロング走を、クッションで守りながらこなせるからです。かかと40mmのスタックは、脚づくりの途中で着地衝撃に耐えきれないランナーの保険になります。

具体的な使い方は、平日のジョグ5〜10km、週末のロング走15〜30kmをすべてこの1足で回すパターン。261gという重量なら、レース本番で使ってもタイムの足を引っ張るほど重くはありません。「練習もレースも1足で」という初マラソン層の現実的な要求に応えられます。

注意点は、完走目標を通り越して「サブ4を狙う」に切り替わったときです。キロ5分41秒を維持する練習が入ってくると、柔らかいフォームがスピード練習の邪魔になる場面が出てきます。そのタイミングで2足目を足す前提で考えておくと無駄がありません。

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サブ4を狙う人は「ジョグ担当」に置くのが正解

すでにサブ4圏内で練習しているランナーにとって、1080v15の役割は「回復ジョグとロング走の担当」です。ポイント練習で使うには柔らかすぎますが、その柔らかさこそがポイント練習の翌日に効きます。前日のインターバルで痛んだ脚を、翌日のジョグでこれ以上叩かないための1足という位置づけです。

月間150〜200km走る層なら、1080v15をジョグ用、FuelCell Rebel v5(227g、16,940円税込)をテンポ走用に置く2足体制が組みやすい構成です。ローテーションを組むとフォームの回復時間も確保でき、1足あたりの寿命も伸びます。

デメリットは、ジョグ専用と割り切ると1足あたりの単価が高く感じられること。22,000円をジョグだけに使うのが惜しい人は、880v15で代替する判断も合理的です。走行距離が月100kmを超えてくると、シューズ代は固定費として効いてくるので、そこは正直に計算した方がいいところです。

体重が重めの人・脚を守りたい人

体重が重めのランナー、あるいは走り始めて膝や脛に不安がある人にとって、40mmのスタックと柔らかいフォームは味方になります。厚いフォームは接地時のピークの衝撃を時間方向に引き伸ばすので、同じ距離を走っても脚に入るダメージの角が取れます。

実際の使い方としては、走る時間を伸ばすより「走る日を増やす」フェーズで効きます。週2回だった練習を週3〜4回にするとき、回復が間に合わない原因の多くは接地衝撃の蓄積です。ここをシューズで削れれば、頻度を上げても脚が持つようになります。

ただし、柔らかさは万能ではありません。安定性が限定的というv15の弱点は、体重がある人ほど表に出ます。着地でシューズが内側に潰れる感覚がある場合は、無理に使い続けず、サポート寄りのモデルに切り替える判断が必要です。

走る以外——ウォーキング・立ち仕事・旅行での使い道

1080シリーズは以前から「走らない日にも履ける靴」として支持されてきました。v15はニットアッパーでボリュームがあり、街履きしても浮きにくいカラー展開(ALL BLACK、WHITE、BLACK/WHITEなど)が揃っています。旅行の歩き回る日や立ち仕事にそのまま流用できます。

ドロップ6mmは歩行時にもかかとが極端に持ち上がらないため、歩きと走りの両方で自然な姿勢を保ちやすい設定です。1日1万歩以上歩くような使い方でも、40mmのクッションが足裏の疲労を減らします。

注意したいのは、街履きに使うとフォームの寿命を走行距離だけで測れなくなることです。通勤や旅行で酷使した靴を「まだ200kmしか走っていないから大丈夫」と考えると、実際にはフォームがへたっている状態で走ることになります。ラン用と普段履き用は分けるのが無難です。

🏃 押さえておきたいポイント
走力別の置き場所は明確です。完走目標なら1080v15をメイン1足に、サブ4圏内ならジョグとロング走の担当に。ポイント練習まで1足で回そうとすると、柔らかさが足を引っ張ります。

買う前に決めたいサイズとウイズ——ここで失敗する人が多い

D・2E・4Eの意味を正しく知る

ニューバランスの公式サイズガイドによると、メンズ/ユニセックスのウイズはD=やや細い、2E=標準、4E=幅広、6E(G)=超ワイド。ウィメンズはB=やや細い、D=標準、2E=幅広、4E=超ワイドという定義です。同じ「D」でもメンズとウィメンズで意味が違う点に注意してください。

1080v15のウイズ展開は、メンズがD・2E・4E、ウィメンズがB・D・2E。サイズはメンズがDと2Eで25.0〜29.0cmに加えて30.0cm・31.0cm、4Eが25.0〜29.0cm。ウィメンズはBとDが22.0〜25.5cm、2Eが22.5〜25.5cmです。大きいサイズが必要な人ほど、ウイズによって展開が違う点を先に確認しておくべきです。

足長は0.5cm刻みで、ウイズはシューズごとに2〜3種類が用意されるのが基本設計。つまり「足長だけで選ぶ」のはニューバランスの設計思想の半分しか使っていないことになります。同じ26.5cmでも、ウイズを変えるとフィット感は別の靴のように変わります。

✅ 試着チェックリスト
  • ☑ 夕方(足がむくんだ状態)に試す
  • ☐ 走るときと同じ厚さのソックスを持参する
  • ☐ 紐を全部緩めてから履き直し、かかとを合わせて締める
  • ☐ その場で軽く跳ねて、前足部が横に逃げないか確認する
  • ☐ 同じサイズで隣のウイズも履き比べる

【失敗パターン1】v14と同じサイズ・同じウイズで買って足が泳ぐ

いちばん多い失敗が、「前作と同じサイズ・同じウイズ」で通販ボタンを押してしまうケースです。v15はラストが筒状に近づき、甲の高さも前作より高く設計されています。v14で2Eがぴったりだった人が同じ2Eを買うと、甲まわりに空間が余り、下り坂やカーブで足が前に滑ります。

原因は単純で、モデルチェンジで足型そのものが変わったのに、サイズ表記だけを引き継いだからです。サイズ表記は足長の話であって、フィットの話ではありません。とくに1080v15はフィットが緩めで、しっかり紐を締める必要があるという指摘が海外レビューでも出ています。

対策は3つ。1つ目は可能なら試着すること。2つ目は、通販なら返品・交換に対応する店で買うこと。3つ目は、届いたら室内で紐の締め方を変えながら10分歩いてみることです。かかとが浮く、または小指が当たるなら、その時点でウイズを変える判断をした方が、後で靴擦れを起こすより安く済みます。

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27.0cm=US9。海外レビューの数字を読むときの換算

1080v15は海外レビューが充実していますが、重量の表記が「US男性9.5」など海外基準になっているため、そのまま鵜呑みにすると誤解が生まれます。ニューバランス公式のサイズチャートでは、メンズ26.0cm=US8、26.5cm=US8.5、27.0cm=US9、27.5cm=US9.5、28.0cm=US10という対応です。

ブランド公表の261gは大きめのサイズでの数値で、日本国内で見かける27.0cmでの実測は255gです。自分の足のサイズが26.0cmなら、実際に履く靴はこれよりさらに軽くなります。「261gは重い」と判断する前に、自分のサイズに換算してください。

この換算はスタックハイトの解釈にも効きます。海外ラボの計測値(かかと37.0mm/前足部30.6mm)はインソールを外した状態などで測られることがあり、ブランド表記の40mm/34mmと差が出ます。比較するときは、同じ出典どうしの数字だけを並べるのが鉄則です。

4Eが必要な人・不要な人

4E(幅広)を選ぶべきなのは、標準ウイズで小指の付け根が当たる人、外反母趾で母趾側が圧迫される人、そして走行後に足の横幅方向のむくみが強く出る人です。1080v15は前足部が絞られた設計なので、v14で2Eがちょうどよかった幅広の人は4Eを試す価値があります。

逆に4Eが不要なのは、足囲は標準なのに「大きめが楽そうだから」という理由で幅広を選ぼうとしている人です。ウイズを上げると足が横方向に遊び、着地のたびに足が滑って摩擦が生まれます。マメや爪のトラブルの多くは、小さすぎる靴ではなく大きすぎる靴で起こります。

迷ったときの判断基準は「紐を締めたときに甲が痛いかどうか」。締めないとフィットしないが締めると甲が痛い、という状態はウイズが合っていないサインです。この場合はサイズを変えるのではなくウイズを変えると解決します。

弱点も正直に。1080v15が向かない3つの場面

弱点も正直に。1080v15が向かない3つの場面の解説画像
⚠️ 買う前に確認したいこと
1080v15はニュートラル(安定機能を持たない)カテゴリーの厚底です。柔らかさと引き換えに安定性は限定的で、通気性スコアも67BR(平均74BR)と平均以下という計測結果が出ています。着地の癖が強い人、真夏に長時間走る人は、この2点を先に確認してください。

着地でかかとが内側に倒れる人には柔らかすぎる

1080v15の弱点として繰り返し指摘されるのが安定性です。柔らかいフォームは接地の衝撃を吸収する一方で、足が横方向に倒れる動きも受け止めてしまいます。着地でかかとが内側に大きく倒れる(オーバープロネーション)タイプの人は、走行中にシューズの内側だけが潰れ、脛やひざの内側に負担が集中します。

見分け方は、履き古したシューズのアウトソールの減り方です。かかと外側から前足部内側にかけて斜めに強く減っているなら、その傾向があります。この場合は1080ではなく、860のようなサポート機能を持つモデルの方が相性が良くなります。

対策としては、まず走行距離を短くして試すこと。10kmジョグで脛の内側に張りが出るようなら、ロング走に投入する前に判断を切り替えた方が安全です。合わない靴を距離で慣らそうとするのは、いちばんコストの高い選択になります。

【失敗パターン2】真夏のロング走で蒸れて、後半に靴擦れを起こす

もう1つの弱点が通気性です。計測では67BRと平均の74BRを下回り、乾きにくさも指摘されています。ボリュームのあるニットアッパーは秋冬の快適さと引き換えに、真夏の熱と湿気をこもらせます。

実際に起きる失敗はこうです。7月・8月の朝に20kmのロング走へ出て、10km地点でソックスが汗を吸って重くなり、15km過ぎに足が靴の中でわずかに動き始め、終盤でかかとや土踏まずに靴擦れができる。原因は靴のサイズではなく、汗で膨らんだソックスとフィットのずれです。

対策は3つあります。1つ目は薄手で乾きの速いソックスに変えること。2つ目は真夏のロング走だけメッシュの強い別モデルに回すこと。3つ目は走行後にインソールを抜いて陰干しし、翌日までに乾かすことです。乾かないまま連日使うと、フォームの劣化も早まります。

レースでタイムを狙う靴ではない

1080v15は軽くなりましたが、カーボンプレートを持つレーシングシューズではありません。海外レビューでも「爆発的な反発やスピード感には欠ける」「記録狙いのレース用途では物足りない場合がある」という評価が出ています。キロ4分台で押していくレースには設計が合っていません。

向いているのは、完走を目標にしたフルマラソン、ペース維持が目的のハーフ、そして練習全般です。逆に自己ベスト更新を狙うレースでは、FuelCell系のレーシングモデルを別に用意した方が結果が出ます。

ここを誤解して「軽くなったからレース用にできる」と考えると、期待値とのギャップで不満が残ります。1080v15はあくまでデイリートレーナーの上位機種であり、レースシューズの下位互換ではない、という理解が正確です。

880v15・Rebel v5・ニンバス28と比べるとどこに座るのか

880v15との差——16,940円と22,000円をどう考えるか

同じニューバランスで最も比較されるのがFresh Foam X 880v15です。重量290g、ドロップ6mm、スタック40mmで、価格は16,940円(税込)。スペックの並びは似ていますが、ミッドソール硬度が1080より高く、クラシカルで硬めのライド感というキャラクターの違いがあります。

選び分けの基準は「柔らかさに価格を払うか」です。走行ペースがキロ7分前後で距離も月100km未満なら、880v15で不足はありません。逆に月150km以上走る、ロング走が30kmに届く、脚のダメージを減らしたい人は、1080v15の柔らかさに投資する価値があります。

注意点は、880v15の290gという重量です。1080v15より約30g重く、テンポを上げると差が出ます。「安い方を買ったが、結局スピード練習用にもう1足買った」という買い方になると、最初から1080を選んだ方が安く済んだ、ということも起こります。

モデル重量価格(税込)主な役割
1080v15261g22,000円ジョグ〜ロング走の主力。完走レースにも使える
Fresh Foam X 880v15290g16,940円ジョグ・ウォーキング・普段履きの兼用
FuelCell Rebel v5227g16,940円テンポ走・スピード練習の担当
GEL-NIMBUS 28公表なし(前作比 約20g軽量化)22,000円同価格帯の競合。かかと部にPureGEL
Fresh Foam X 1080v14298g19,800円在庫限りの型落ち。クッション最優先派向け

FuelCell Rebel v5と2足持ちにすると練習が回る

1080v15の弱点であるスピード領域を埋めるのが、FuelCell Rebel v5です。重量227g、ドロップ6mm、スタックはかかと35mm/前足部29mm、価格は16,940円(税込)。PEBAブレンドのFuelCellを搭載し、速めのジョグからテンポ走までを担当します。

この2足はドロップが同じ6mmなので、履き替えてもふくらはぎへの負担の質が変わりません。ドロップの違う靴をローテーションすると、切り替えた日にアキレス腱が張ることがありますが、この組み合わせならその心配が小さくなります。

注意点は、Rebel v5はスタックが低く、フォームも薄いため、疲労した脚で長時間使うと守ってくれないことです。「今日は脚が重い」と感じた日は1080v15、「動く」と感じた日はRebel v5、という体感基準で選ぶと使い分けが定着します。

アシックス GEL-NIMBUS 28との違い

同じ22,000円(税込)で並ぶ競合が、アシックスのGEL-NIMBUS 28です。ミッドソールはFF BLAST PLUS(約24%にサトウキビ由来素材を使用)に、かかと部へPureGELを内蔵。アッパーはエンジニアードニットで、2026年1月9日にオンラインストア先行、1月22日から直営店・スポーツ用品店で発売されました。前作からは約20gの軽量化(男性用27.0cm/女性用25.0cmでの比較)と公表されています。

違いが出るのはフィットの考え方です。ニンバス28は男性用がスタンダードとエキストラワイド、女性用がスタンダードとワイドの2種類。対して1080v15はメンズ3ウイズ・ウィメンズ3ウイズで、足囲の刻みが細かい。足の幅で悩んできた人ほど1080側に分があります。

逆にサイズ展開の上下は、ニンバス28が男性用24.5〜29.0cmに加えて30.0cm・31.0cm・32.0cmまで用意しており、足の大きい人の選択肢が広い。どちらも試着できるなら、同じ日に両方履いて足入れの当たり方を比べるのが最短の判断方法です。

v14を型落ちで買うという選択肢

後継のv15が出たため、Fresh Foam X 1080v14は在庫限りで流通する型落ちモデルになりました。定価は19,800円(税込)で、新モデル発売直後や年末年始・夏のセール時期に値引きされることがあります。クッション最優先で、スピードを求めないランナーには合理的な選択です。

選ぶ理由がはっきりしているのは「v14のフィットが好きだった人」です。v15でラストが変わったため、前作の足型が合っていた人はv14の在庫を確保する方が満足度が高くなります。298gという重量も、ゆっくり走る前提なら決定的な欠点にはなりません。

注意点は在庫です。サイズとウイズの在庫は色ごとにばらつき、人気の組み合わせから消えていきます。狙うなら「自分のサイズとウイズが残っているうちに動く」のが鉄則で、セールを待って結果的に買えないというパターンが起こりやすいところです。

買ってからの走らせ方——最初の200kmで寿命が決まる

最初の3回は短めのジョグでフォームを慣らす

新しいフォームのシューズは、下ろした直後がいちばん硬く感じます。INFINIONも例外ではなく、最初の数回は「思っていたより跳ねる」という感想になりがちです。最初の3回は5〜8kmのジョグに留め、いきなりロング走やポイント練習に投入しないのが安全です。

理由は2つ。フォームが馴染むまでに数十kmかかることと、アッパーが足の形に沿うまで時間がかかることです。とくに1080v15はフィットが緩めなので、紐の締め方の最適解を見つけるのに数回の走行が必要になります。

この慣らし期間に、紐の通し方も試しておくと後で効きます。かかとが浮くならいちばん上の穴を使ったヒールロックを、甲が痛いなら該当箇所だけ緩めに通す。どちらも走行中に試すより、慣らしの短いジョグで確かめる方が失敗が小さくて済みます。

寿命の目安と、交換すべきサイン

厚底トレーナーの寿命は走行距離だけでは決まりません。目安として600〜800kmという数字がよく挙がりますが、体重・接地の癖・路面によって上下します。1080v15はアウトソールのラバー厚が3.0mmあり、ラバー自体の摩耗はそこまで早くありません。

交換のサインは3つあります。1つ目は接地したときの「底つき感」が出ること。2つ目は同じジョグの後に膝下の張りが強くなること。3つ目はミッドソールの側面にシワが増え、押しても戻りが鈍くなることです。アウトソールがまだ残っていても、フォームが死んでいれば買い替え時期です。

実は、1080v15でいちばん寿命を縮めるのは走行距離ではなく、乾かない状態で連日履くことです。汗を含んだフォームは復元に時間がかかり、戻りきらないまま次の衝撃を受けると劣化が進みます。2足ローテーションが結果的に1足あたりの寿命を伸ばすのは、この理由が大きい。

洗い方と保管——やってはいけないこと

汚れたら中性洗剤とブラシで手洗いし、陰干しするのが基本です。洗濯機と乾燥機は接着部分とフォームを傷めるため使いません。直射日光での乾燥もフォームの劣化を早めるので避けてください。

保管では、玄関の下駄箱に押し込んで潰した状態にしないこと。厚いフォームは形を保った状態で休ませる方が復元します。走行後はインソールを抜き、紐を緩めて風の通る場所に置くだけで、翌週の走り心地が変わります。

やってはいけないのは、雨のロング走の翌日にそのまま履くことです。濡れたフォームは反発が戻らず、クッションも安定しません。雨の日用にもう1足を用意しておくか、雨の翌日は完全休養に充てるのが、シューズにも脚にも優しい運用です。

✅ 今日からできるアクション
  1. Step1: 今履いているシューズのアウトソールを見て、減り方の癖を確認する
  2. Step2: ニューバランス公式のサイズガイドで、自分の足長に対応するウイズを確認する
  3. Step3: 夕方に店頭で、同じサイズの隣り合うウイズを2つ履き比べる
  4. Step4: 購入後は5〜8kmのジョグを3回、紐の締め方を変えながら試す
👟 ランナー目線の本音
「新しいフォームだから」という理由だけで買い替えると、たいてい満足度は上がりません。判断材料になるのは、今の1足で何が足りていないか。ロング走の後半に脚が終わるなら軽量化に意味があり、フィットに不満がないならv14の在庫を追う方が満足度は高い。1080v15はよくできた靴ですが、全員が乗り換える必要がある靴ではありません。

まとめ

🏃 この記事の結論

1080v15は新フォームINFINIONで約40g軽くなり、柔らかいまま速度も出せる万能デイリーになりました。まずはウイズを試着で決めてください。

✅ 要点チェック
  • 重量:298gから261gへ軽量化
  • 価格:22,000円(税込)で発売中
  • 足型:筒状に変化。同ウイズ買いは危険
  • 弱点:安定性と通気性は平均以下
  • 役割:ジョグとロング走の主力向き

ニューバランス1080 v15は、長く続いたFresh Foam Xからの世代交代という意味でも、実際の走り心地という意味でも、久しぶりに中身が入れ替わったモデルチェンジです。約40gの軽量化と反発の速さによって、これまで「ゆっくり長く走るための靴」だった1080が、ジョグからロング走、たまのテンポ走まで守備範囲に入れてきました。初マラソン完走を狙う人のメイン1足としても、サブ4圏内のランナーのジョグ担当としても機能します。一方で、安定性が限定的なこと、通気性が平均以下なこと、レースでタイムを狙う靴ではないことは、買う前に受け入れておくべき割り切りです。最初の一歩としては、今履いているシューズのアウトソールの減り方を確認し、そのうえで夕方に店頭で隣り合うウイズを履き比べてみてください。それだけで、通販の「サイズ違いで失敗」はほぼ防げます。

※価格・サイズ展開・在庫状況は変わることがあります。購入前にニューバランス ジャパンの公式リリース公式サイズ&ウイズガイドアシックスの公式リリースで最新情報をご確認ください。

👟 ランニング道具の選び方

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この記事を書いた人

フルマラソン完走を目指して日々トレーニング中の市民ランナー。シューズ選びやトレーニングメニュー、大会レポートなど、走ることを楽しむすべての人に役立つ情報を発信しています。初心者ランナーの気持ちに寄り添った記事を心がけています。

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