openrun pro 2は30.3gで12時間再生|骨伝導+空気伝導の実力を徹底検証

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走りながら音楽を聴きたい。でも、後ろから来る自転車の音や信号待ちの車の気配は消したくない。この矛盾を骨伝導イヤホンで解決しようとして、「音はスカスカ」「低音が消える」とがっかりした経験がある人は多いはずです。骨伝導は安全のために音質を諦める道具、というのが長らくの共通認識でした。

結論から言うと、openrun pro 2はその前提を一段引き上げたモデルです。骨伝導ドライバーに空気伝導ドライバーを足した「DualPitch」構成で低音の担当を分け、重量30.3g、連続再生12時間、防塵防水IP55を確保しています。公式価格は27,880円。安いギアではありませんが、週3〜4回走る市民ランナーが1年365日使う道具として見ると、判断材料ははっきりしています。

この記事では、Shokz公式が公表しているスペックを一次情報として並べ直し、前作OpenRun Proとの違い、標準とミニのサイズ選び、走行中に音楽を聴くときのルールと耳の守り方まで、市民ランナーが買う前に知っておきたい判断材料を整理します。買わない方がいい人の条件も正直に書きます。

🏃 押さえておきたいポイント
・骨伝導+空気伝導のデュアル構成で、弱点だった低音の鳴り方が変わった
・重量30.3g・連続再生12時間・充電1時間で、週4回のランなら充電は週1回で足りる
・IP55は汗と雨のための等級。プールで使うモデルではない
・標準とミニのサイズ選びを外すと、スペック以前に使い心地が崩れる
目次

openrun pro 2は「骨伝導なのに低音が鳴る」を30.3gで実現した

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DualPitchの正体は、骨伝導と空気伝導の分業だった

openrun pro 2の中身を一言でいうと、2種類のドライバーの分業体制です。Shokz公式の製品ページによれば、本機は骨伝導ドライバーと空気伝導ドライバーを組み合わせたデュアル構成(DualPitch)を採用し、中音域と高音域は骨伝導スピーカーが、重低音は空気伝導スピーカーが受け持ちます。

従来の骨伝導イヤホンが低音を苦手としてきたのは、頬骨を震わせて音を伝える方式の物理的な性質によるものでした。低い周波数ほど振動が大きくなり、音として届く前に「こめかみのくすぐったさ」に化けてしまう。そこで低音だけを空気伝導に逃がしたのがこの設計です。ベースやバスドラムが曲の輪郭を作るジャンル、たとえばEDMやヒップホップをジョグのお供にしている人ほど、この違いは効いてきます。

使う場面としては、キロ6分前後のジョグでポッドキャストと音楽を行き来する、ロング走の終盤にテンポの速い曲で脚を回す、といった使い方に向きます。一方で注意点もあります。空気伝導のスピーカーは耳の穴を塞がない位置から音を出す構造上、静かな図書館や早朝の電車内では音漏れが気になる場面が出てきます。屋外のランで問題になることはほぼありませんが、通勤で使うつもりなら音量の上げすぎには気を配ってください。

連続再生12時間と5分充電が、週4回ランナーの充電回数を減らす

スペックで最も生活が変わるのはバッテリーです。公式値は連続再生12時間、充電時間1時間、さらに5分の充電で2.5時間のリスニングが可能とされています。週4回・1回45分のジョグなら1週間の稼働は3時間程度なので、実質「週1回の充電で足りる」計算になります。

この数字が効くのは、平日の朝ランです。前夜に充電を忘れても、着替えている10分弱で数時間ぶんが戻る。フルマラソンを4時間台で走るランナーが、スタート前の待機からゴールまで音を切らさずに使い切れる余裕もあります。充電端子はUSB Type-Cで、スマートフォンやランニングウォッチと同じケーブルを流用できるため、旅先の遠征レースで専用ケーブルを忘れて詰む心配も減りました。

ただし、バッテリーの公称値は音量50%前後を前提とした条件下の数値です。交通量の多い幹線道路沿いを走る人が音量を上げがちなことを考えると、実際の稼働は公称より短くなると見ておくのが現実的です。ウルトラマラソンやトレイルの長時間行動で音を頼りにするつもりなら、モバイルバッテリーを携行して補給エイドで5分だけ挿す運用が安心です。

IP55は「汗と雨のための防水」、プールは別モデルの仕事

防塵防水はIP55です。ここは誤解が起きやすいポイントなので、線引きをはっきりさせておきます。IP55は粉じんの侵入をある程度防ぎ、あらゆる方向からの噴流水に耐える等級で、汗と雨に対しては十分な備えです。夏場の汗だくのロング走も、途中から降り出した雨の中の20kmも想定内に入ります。

一方で、水中での使用は想定されていません。プールでのスイム練習やオープンウォーターに持ち込むなら、防水等級IP68・内蔵メモリ32GBのOpenSwim Proが役割分担の相手になります。トライアスロンを目指す人が「1台で全部」と考えると、この線引きを越えてしまいがちです。

実務的な注意点として、走行後の扱いも変えたほうがいいものがあります。汗を吸ったまま放置すると、バンド内側の樹脂部分に塩分が残ります。走り終わったら固く絞った布で拭き、完全に乾いてから充電する。この2手間だけで、端子まわりのトラブル確率は目に見えて下がります。

SBCのみという割り切りを、どう受け止めるか

正直に書いておきたい弱点があります。対応コーデックはSBCのみです。aptXやLDACといった高音質コーデックには対応していません。音源のビットレートを気にするタイプのリスナーには、これは減点材料になります。

その理由は用途を考えるとつじつまが合います。走行中は風切り音、足音、交通騒音が常に乗ってきます。時速10km台で走っている耳に、コーデックの差を聞き分ける余裕はほとんどありません。むしろ接続の安定性と低遅延、そしてBluetooth 5.3による省電力のほうが、走りの体験を左右します。マルチポイントも搭載しているので、ランニングウォッチで音楽を操作しながら、スマートフォンの着信も受けられます。

使い分けの目安はシンプルです。走る・歩く・家事をするといった「動きながら聴く」用途ならSBCで不足はありません。腰を据えて音楽を聴き込む時間には、密閉型のイヤホンやヘッドホンを別に用意する。1台にすべてを求めない人ほど、この製品との相性は良くなります。

低音の弱さで骨伝導を諦めた人にこそ試してほしい、二段構えのドライバー設計はこちら▼

前作から何が良くなり、何が変わらなかったのか

29gから30.3gへ、1.3gの増加を首は感じるのか

前作OpenRun Proの公式重量は29g、本機は30.3gです。差は1.3g。装着して首の後ろに掛けた状態で、この差を感じ取れる人はまずいません。ドライバーを1系統増やしながら、この増加幅に抑えたと読むほうが実態に近い数字です。

骨伝導イヤホンの装着感を決めるのは、絶対重量よりも重心の位置とバンドの張力です。30g前後という数値は、耳掛け式ワイヤレスイヤホンの左右合計と比べても大きな差ではなく、走行中の上下動で「ずり落ちる」感覚が出るかどうかは、後述するサイズ選びで決まります。

逆に、ここを気にしすぎて選択を誤るケースもあります。軽さだけを基準にすると、より軽いモデルへ流れがちですが、低音の担当が消えれば音の印象は前世代に戻ります。1.3gと引き換えに何を得るのかを見て決めるのが、この2機種の正しい比べ方です。

再生10時間→12時間、Bluetooth 5.1→5.3という地味な底上げ

前作の連続再生は10時間、Bluetoothは V5.1 でした。本機は12時間・Bluetooth 5.3。数字だけ見ると小幅ですが、この2時間の差は「週末のロング走を含む1週間を1回の充電でまかなえるか」の境界線をまたぎます。

Bluetoothのバージョンアップは、人混みでの接続の安定性と省電力に効いてきます。都市型マラソンのスタートブロックのように、数千台のスマートフォンが密集する環境では、接続の切れにくさが体感差になって出ます。地味ですが、レース当日にストレスを減らす部分です。

注意したいのは、こうした改善が「乗り換えるほどの差か」は使い方次第という点です。前作を持っていて、週2回・30分のジョグが中心なら、バッテリーの余裕はすでに足りています。買い替えの動機になるのは、低音の鳴り方と充電サイクルのどちらかに不満がある場合に絞られます。

公式ストアの在庫状況が示す「前作を狙う」判断のリミット

価格差も判断材料です。前作OpenRun Proの公式価格は23,880円、本機は27,880円。この価格差をどう見るかですが、2026年8月時点でShokz公式サイトの前作ページは全カラー・全サイズが売り切れ表示になっています。つまり公式ルートで新品を確保する道は、事実上細くなっています。

型落ちを安く買う戦略は、シューズでもイヤホンでも有効な手ですが、在庫が尽きた製品を探し回る時間もコストです。中古や並行品に手を伸ばすと、24ヶ月のメーカー保証を受けられないリスクも出てきます。openrun pro 2の保証期間は24ヶ月で、汗にさらされ続ける道具としてはこの差が効いてきます。

失敗しやすいのは、価格比較サイトの最安値だけを見て購入先を決めるパターンです。イヤホンは購入証明がないと保証を受けられません。数百円の差より、正規販売ルートかどうかを先に確認してください。

メリットデメリット
骨伝導+空気伝導で低音の担当を分けた
連続再生12時間・5分充電で2.5時間
IP55で汗と雨に対応、USB Type-C充電
マルチポイント搭載で機器の行き来が楽
24ヶ月のメーカー保証
対応コーデックはSBCのみ
27,880円と骨伝導では高価格帯
水泳には使えない(IP55)
標準とミニでサイズ選びが必要
静かな屋内では音漏れが気になる場面がある
連続再生時間の比較チャート(Shokz OpenRu 8時間・Shokz OpenSw 9時間・Shokz OpenRu 10時間・Shokz OpenRu 12時間)
連続再生時間の比較(ランニングスタイル調べ・各公式サイトより、2026年8月時点)

ワイヤレスイヤホン全体の中で骨伝導がどの位置にいるのかを先に把握したい人は、こちらの比較記事も参考になります。

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走ってみて初めてわかる、汗・雨・帽子との付き合い方

走ってみて初めてわかる、汗・雨・帽子との付き合い方の解説画像

IP55を過信して起きる、夏のロング走の落とし穴

失敗パターンの1つ目は、防水等級の読み違いです。IP55は噴流水に耐える等級ですが、水没や高圧の水流は対象外です。それにもかかわらず、汗まみれになったイヤホンを「防水だから」と流水でじゃぶじゃぶ洗ってしまう人がいます。蛇口から出る水は想定以上の圧力になることがあり、開口部から水が入る余地を作ります。

原因は「防水=水に強い」という大雑把な理解です。対策は3つに絞れます。走行後は流水ではなく固く絞った布で拭く、乾くまで充電しない、汗をかいた日はバンド内側と充電端子まわりを重点的に拭く。これだけで、夏場の3ヶ月を越えるダメージの大半は避けられます。

もう一つ、真夏に多いのが「汗で滑って動く」問題です。額から流れた汗がこめかみに回ると、骨伝導部の接触面が滑ります。ヘッドバンドやサンバイザーで汗の流れを変えるだけで、この滑りは大きく減ります。装備を足すのではなく、汗の通り道を変えるのが近道です。

⚠️ 注意したいポイント
IP55は「汗と雨」までの等級です。流水での丸洗い・プールでの使用・濡れたままの充電は避けてください。水中で使いたいならIP68のOpenSwim Proが担当領域です。

キャップ・サングラス・ネックウォーマーとの三つ巴

骨伝導イヤホンで意外と悩まされるのが、他の装備との干渉です。ネックバンド型は後頭部の下でバンドが回るため、キャップの後ろのアジャスター、サングラスのテンプル、冬のネックウォーマーの3つと場所を取り合います。

順番を決めると解決します。イヤホン→サングラス→キャップの順で装着すると、テンプルがイヤホンの上に乗り、キャップのアジャスターがバンドの上を通ります。逆順で着けると、キャップを脱いだ瞬間にイヤホンが飛ぶ事故が起きます。冬はネックウォーマーを先に首まで下ろしてからイヤホンを掛けると、バンドが布に押し上げられません。

合わないケースもはっきりしています。フード付きのウインドブレーカーを立てて走るスタイルでは、フードの内側でバンドが押されて位置がずれます。冬の防風装備を優先したい人は、装着順を工夫するか、走行中はフードを下ろす前提で考えたほうが快適です。

実は音質より効いていたのは「揺れないこと」だった

意外と知られていないのですが、骨伝導イヤホンの満足度を最も左右するのは音質そのものではなく、走行中に位置がずれないことです。骨伝導部はこめかみの前に軽く触れている状態で最も効率よく音を伝えます。1cmずれるだけで、音量を2段階上げたのと同じくらい印象が変わります。

ケイデンス180前後で走ると、頭部は1分間に180回上下します。1時間のジョグなら1万回を超える振動が加わる計算です。この条件下でバンドがわずかに浮けば、低音から先に痩せていきます。「音が悪くなった」と感じたときの正体が、バッテリー残量でもコーデックでもなく、単なるずれだったというのはよくある話です。

だからこそ、この製品の評価はサイズ選びと不可分です。走り出して10分後に音が痩せると感じたら、まず指で骨伝導部を軽く押し当ててみてください。それで音が戻るなら、サイズか装着位置の問題です。機材を買い替える前に確かめる価値があります。

👟 ランナー目線の本音
骨伝導イヤホンのレビューは音質の話に集中しがちですが、市民ランナーの満足度を決めているのは「30km走の終盤でも位置が変わらないか」です。カタログスペックの比較表には出てこない項目なので、店頭で試せるなら首を数回振って確かめる価値があります。

マルチポイントで、時計とスマートフォンを行き来する

マルチポイント搭載という一行は、ランナーにとって想像以上に実用的です。音楽をランニングウォッチに保存して再生し、スマートフォンは着信とナビ用に持つ。この2台持ちのスタイルで、いちいちペアリングを切り替える手間がなくなります。

具体的な場面としては、ロング走の途中で家族から着信が入るケースです。音楽を止めずに切り替わり、通話が終われば元に戻る。ノイズキャンセリングマイクを2つ搭載しているので、風のある河川敷でも相手に声を届けやすい構造です。

注意点は、接続機器が増えるほどバッテリーの消費が増えることです。2台同時待機は電力を使います。また、機器によっては切り替わりに数秒のラグが出ます。レース本番でスマートウォッチのラップ音声を優先したいなら、当日は接続を1台に絞るほうが確実です。

標準かミニか、サイズ選びで満足度の9割が決まる

基準は23.5cm。測るのはメジャー1本、30秒で終わる

openrun pro 2にはスタンダードとミニの2サイズがあります。Shokz公式が案内しているミニサイズの目安は、左右の耳の後ろの中点間の距離が23.5cm(9.25インチ)以下ならミニ、それ以上なら標準です。技術・機能は同じで、違いはバンドの長さだけです。

測り方は難しくありません。柔らかいメジャーを頭の後ろに回し、左右それぞれの耳の後ろの中点を結ぶ距離を測るだけです。手元にメジャーがなければ、紐を当ててから定規で測っても構いません。参考として、同じShokzのOpenRunではミニのバンドが標準より21mm短いと公表されており、サイズ違いは「わずかな差」ではないことがわかります。

この一手間を省くと、後戻りが面倒になります。イヤホンは衛生用品の性格上、開封後の返品や交換が難しい商品です。走る前に30秒測っておくかどうかで、27,880円の使い心地が変わります。

✅ 今日からできるアクション
  1. Step1: 柔らかいメジャーか紐を用意し、左右の耳の後ろの中点を結ぶ距離を測る
  2. Step2: 23.5cm以下ならミニ、それ以上なら標準サイズを選ぶ
  3. Step3: 迷う数値なら、普段かぶるキャップのサイズが小さめかどうかを判断材料に足す

サイズを測らずに標準を買って後悔する、典型的なパターン

失敗パターンの2つ目は、サイズ確認を飛ばした購入です。頭が小さめの人が標準サイズを選ぶと、バンドが後頭部で余り、走行中に上下に揺れます。骨伝導部が浮くので低音から痩せ、音量を上げて補おうとして、耳への負担と音漏れが同時に増えます。

原因は「イヤホンにサイズがあるとは思っていなかった」という単純な思い込みです。イヤホンは基本的にフリーサイズという常識が、ネックバンド型では通用しません。対策は前項の実測が第一。加えて、購入前にサイズ交換に対応している販売店かどうかを確認しておくと保険になります。

逆のパターンも起こります。頭が大きめの人がミニを選ぶと、締め付け感が強く出て、1時間を超えるランで側頭部が痛くなります。どちらの方向にも失敗しうるからこそ、実測が最短ルートです。数値が境界線上なら、長時間走るかどうかで決めてください。長い時間走る人は、締め付けが強く出ない側を選ぶのが無難です。

大迫傑モデルという第三の選択肢

もう一つ、マラソン日本記録保持者の大迫傑選手とのコラボレーションモデルも用意されています。価格は27,880円と通常モデルと同じで、中身はDualPitch搭載・再生12時間・充電1時間・24ヶ月保証という共通仕様です。ミニサイズは2025年2月13日からShokz公式サイトで販売が始まっています。

選ぶ理由になるのは、性能ではなくデザインとモチベーションです。同じ価格で仕様が変わらないなら、走る気分を上げてくれるほうを選ぶという判断は十分に合理的です。冬の暗い朝に玄関を出る動機は、数字では作れません。

注意点としては、コラボモデルは流通量が通常カラーより少なく、欲しいタイミングで在庫がない場合があります。急いで手に入れる必要があるなら通常モデル、こだわりたいなら在庫を待つ。この割り切りができるかどうかで決めるのが現実的です。

走行中に音楽を聴くのは違反なのか、ルールを整理する

警察庁の通達が示したのは「使用そのものの禁止ではない」

まず前提を整理します。警察庁が令和5年7月25日に出した通達は、イヤホン又はヘッドホンを使用した自転車利用者に対する交通指導取締り上の留意事項をまとめたものです。ここには、公安委員会規則の規定の趣旨は「イヤホン等の使用そのものを禁止することではなく、イヤホン等を使用して安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自転車を運転する行為を禁止すること」と明記されています。

さらに踏み込んだ記述もあります。オープンイヤー型イヤホンや骨伝導型イヤホンについて「装着時に利用者の耳を完全には塞がず、その性能や音量等によってはこれを使用中にも周囲の音又は声を聞くことが可能であり、必ずしも自転車の安全な運転に支障を及ぼすとは限らない」とされ、外形的事実のみで違反の成否を判断しないよう指導されています。

ここで誤読を避けたいのは、この通達が自転車利用者を対象にしたものであるという点です。走っている人は歩行者として扱われるため、この規定が直接かかるわけではありません。ただし、行政が骨伝導型の特性をどう捉えているかを知る材料としては、これ以上に確かな一次情報はありません。周囲の音が聞こえる状態を保つ、という原則はランナーにもそのまま当てはまります。

東京マラソンの募集要項が禁じているのは何か

大会に出るなら、参加規約の確認は必須です。東京マラソン2027の募集要項では、「イヤホンやヘッドホン使用時、周囲の音が聞こえない状態で走行すること」が禁止事項として挙げられています。イヤホンの使用そのものを一律に禁じる書き方ではなく、周囲の音が聞こえない状態を問題にしている点が重要です。

大規模大会のコース上では、救急車両の接近、スタッフの誘導、後ろから抜いてくるランナーの声、そして給水所の案内が絶えず飛び交います。これらが聞こえない状態は、自分だけでなく周囲の安全にも直結します。骨伝導やオープンイヤー型が市民マラソンで支持されているのは、この条件を満たしやすいからです。

注意点として、規約の書きぶりは大会ごとに違います。イヤホンの使用自体を認めない大会も存在します。エントリーした大会の規約は、必ず自分で確認してください。ここを他人のブログ情報で済ませると、当日になって外す羽目になります。

📊 データで見る
警察庁の通達では、オープンイヤー型・骨伝導型イヤホンについて「装着時に利用者の耳を完全には塞がず、その性能や音量等によってはこれを使用中にも周囲の音又は声を聞くことが可能」と整理されています(出典:警察庁「イヤホン又はヘッドホンを使用した自転車利用者に対する交通指導取締り上の留意事項等について」令和5年7月25日)。

骨伝導でも「聞こえなくなる」音量ラインは存在する

耳を塞がない構造だから安全、という理解は半分だけ正しいです。音量を上げれば、骨伝導であっても周囲の音はマスキングされます。特に低音の効いた曲は、車の走行音と周波数帯が重なるため、接近に気づくのが遅れます。

目安として使えるのは、信号待ちで立ち止まったときに、自分の呼吸音がはっきり聞こえるかどうかです。曲が鳴っている状態で呼吸音が消えているなら、音量を1〜2段階下げてください。交差点の30m手前で音量を下げる習慣をつけておくと、判断が要る場面で耳が働きます。

合わないケースもあります。交通量の多い幹線道路沿いをコースにしている人は、暗騒音に負けまいと音量が上がり続けます。この環境で音楽を聴くこと自体を見直し、河川敷や公園の周回コースに練習場所を移すほうが、機材の選択より効果があります。

耳を守りながら走るための、音量と時間の設計

80dBで週40時間という線を知っておく

厚生労働省のe-ヘルスネット「ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について」によれば、WHOは80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると難聴の危険があるとしています。100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあると記載されています。

仕組みも明快に説明されています。音は有毛細胞で振動から電気信号に変換されて脳に伝わりますが、自動車の騒音程度である85dB以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して有毛細胞が傷つき、壊れてしまう。初期には自覚しにくく、失った聴覚は戻りません。

週4回・1回45分のランで音楽を聴くランナーの場合、週の聴取時間は3時間程度です。80dB前後に収まっていれば余裕のある範囲ですが、通勤中や在宅ワーク中にも同じイヤホンを使っているなら、合計時間は一気に伸びます。走っている時間だけで判断しないことが大切です。

走行中に音量が上がってしまう、3つの理由

ランナーが音量を上げがちなのには理由があります。1つ目は風切り音です。キロ5分で走ると時速12kmの向かい風が常に耳元で鳴ります。2つ目は足音と呼吸音で、これは自分の内側から響くため逃げ場がありません。3つ目は交通騒音です。

対策は音量を上げること以外にもあります。風の強い日は風上区間だけポッドキャストを止める、コースの前半を風上、後半を追い風に組む、河川敷では堤防の下側を走るといった工夫で、暗騒音そのものを下げられます。ギアではなくコース設計で解決できる部分がかなりあります。

注意したいのは、耳が慣れてしまうことです。大きな音量に慣れると「これくらいがちょうどいい」と感じるようになります。週に1度、静かな部屋で普段の音量のまま再生して、大きすぎないかを確かめる習慣を持っておくと、基準がずれにくくなります。

週4回ランナーの、現実的な運用ルール

実務的な落とし所を示します。ポイント練習の日は音を使わない、ジョグの日だけ音楽やポッドキャストを使う、という切り分けです。インターバルやペース走は自分の呼吸とリズムを聞き取る時間なので、音を切ったほうが練習の質が上がります。

結果として、週4回のうち音を使うのは2回程度になり、聴取時間は自然に短くなります。耳を休ませる時間が確保でき、音楽が「ご褒美」に戻るという副次的な効果もあります。ジョグのときだけ聴くようにすると、退屈な低強度走を続けやすくなる人が多いのも事実です。

合わないケースもあります。トレッドミルでの単調な練習が中心の人や、深夜・早朝の暗い時間帯に走る人にとって、音は集中力を保つ手段になります。その場合は音量を下げて時間を確保する方向に振り、屋外では片側の音量を上げすぎないことを優先してください。

✅ チェックリスト
  • ☑ 信号待ちで自分の呼吸音が聞こえる音量になっているか
  • ☐ 走る時間以外(通勤・仕事中)の聴取時間も合算しているか
  • ☐ ポイント練習の日は音を切る運用にできているか
  • ☐ 交差点の手前で音量を下げる習慣があるか
  • ☐ 走行後に汗を拭き、乾いてから充電しているか

骨伝導以外のオープンイヤー型も含めて選択肢を広げたい人は、ジョギング向けのモデルを重量と防水でまとめたこちらの記事が役に立ちます。

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openrun pro 2を選ぶべき人と、他モデルが正解の人

Shokz主要5モデルを、重量・再生時間・防水・価格で並べる

判断を早くするために、メーカー公表値を1枚に整理しました(ランニングスタイル調べ/各モデルのShokz公式製品ページ掲載値をもとに作成)。同じブランド内でも、担当する場面がはっきり分かれているのがわかります。

モデル重量再生時間防塵防水価格
OpenRun Pro 230.3g12時間IP5527,880円
OpenRun Pro(前作)29g10時間IP5523,880円
OpenRun26g8時間IP67(水泳除く)17,880円
OpenSwim Pro27.3gBluetooth 9時間/MP3 6時間IP6832,880円
OpenFit Air耳掛け型(公称重量の記載なし)ケース使用時 最大約28時間IP5419,880円

プールも走りも1台でまかないたいならOpenSwim Pro

トライアスロンやスイム練習を並行している人には、OpenSwim Proが担当領域になります。防水等級はIP68、内蔵メモリ32GBでMP3を本体に入れて再生できるため、スマートフォンを持ち込めないプールサイドでも音を使えます。価格は32,880円です。

再生時間はBluetoothモードで9時間、MP3モードで6時間。ランだけを見ればopenrun pro 2の12時間に届きませんが、水中で使えるという1点が他のモデルでは代替できません。週に1回でもプールに入る習慣があるなら、こちらを軸に考える価値があります。

注意点は、スイム対応のぶん価格が上がることです。走る用途しかないのにIP68を買うのは、使わない機能に価格差を払う選択になります。自分の練習メニューを1ヶ月ぶん振り返って、水に入る日が何日あるかで決めてください。

予算優先ならOpenRun、耳の形が合わないならOpenFit Air

骨伝導を初めて試すなら、OpenRunという入口があります。17,880円、重量26g、連続再生8時間、防水はIP67(水泳除く)。10分間の充電で1.5時間使える急速充電も備えます。上位機との価格差をどう使うかという話で、シューズ1足ぶんの予算に回すという判断も現実的です。

一方、ネックバンドが後頭部にあること自体が合わない人もいます。仰向けでストレッチをする、ヘッドレストのある車で移動する、といった場面が多い人です。その場合は完全ワイヤレスのOpenFit Airが選択肢になります。19,880円、IP54、充電ケース併用で最大約28時間という構成で、バンドがない身軽さが利点です。

使い分けの目安を整理すると、走行中の安定性と一体型の扱いやすさを取るならネックバンド型、装備の干渉を避けたいなら完全ワイヤレス型です。防水等級はIP54とIP55で差があるため、雨天のロング走が多い人はネックバンド型のほうが安心できます。

まず骨伝導を試したい人には、26gで8時間再生の入門モデルという選択肢もあります▼

シーン別に見た、openrun pro 2が最適解になる条件

通勤ランをする人には、この製品は噛み合います。信号や車の音を拾いながら音楽を聴け、マルチポイントでスマートフォンの着信も受けられます。会社に着いてからのオンライン会議でも、2つのノイズキャンセリングマイクがそのまま使えます。

フルマラソンをイヤホン可の大会で走る人にも向きます。12時間の再生時間があれば、当日の移動から完走後まで充電を気にせず使えます。ただし前述の通り、大会ごとの規約は必ず確認してください。

逆に、この製品を選ばないほうがいい人もはっきりしています。音源の質にこだわるリスナー、プールで使いたい人、予算をもっと抑えたい人。この3つに当てはまるなら、他のモデルか他のブランドを見たほうが満足度は上がります。買わない判断ができる材料をそろえることも、レビューの役割です。

🏃 押さえておきたいポイント
27,880円という価格は、骨伝導カテゴリでは上位帯です。それでも選ぶ理由になるのは「低音が鳴る」「12時間持つ」「汗と雨に強い」の3点が同時にほしい人。1つでも不要なら、下位モデルで十分に足ります。

片耳あたりの重さで選びたい人は、完全ワイヤレスのオープンイヤー型を実測値で比較したこちらの記事も参考になります。

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まとめ:音質を諦めない骨伝導という、現実的な選択肢

🏃 この記事の結論

openrun pro 2は30.3g・再生12時間・IP55で、骨伝導の弱点だった低音を空気伝導で補ったモデルです。買う前に耳の後ろの距離を測り、標準かミニかを決めてください。

✅ 要点チェック
  • 音の設計:低音は空気伝導が担当
  • 電池:12時間、5分充電で2.5時間
  • 防水:IP55は汗と雨まで、水泳は不可
  • サイズ:23.5cm以下ならミニを選ぶ
  • 弱点:SBCのみ、価格は27,880円

骨伝導イヤホンは長らく「安全のために音質を諦める道具」でした。openrun pro 2は、低音の担当を空気伝導に切り出すことでその前提を書き換え、走行中でも曲の輪郭が保たれるようになっています。連続再生12時間と5分の急速充電は、週3〜4回走る市民ランナーの充電の手間を週1回に寄せます。前作OpenRun Proとの実質的な差は、低音の鳴り方とバッテリーの2点です。公式ストアでは前作が全カラー売り切れとなっているため、型落ちを狙う戦略は取りにくくなっています。

一方で、対応コーデックはSBCのみ、水中では使えない、27,880円という価格は骨伝導カテゴリの上位帯という弱点も抱えています。プールを併用するならOpenSwim Pro、予算を優先するならOpenRun、ネックバンド自体が合わないならOpenFit Airと、担当領域が分かれていることを押さえておけば選択を誤りません。

最初の一歩は、メジャーを1本用意して耳の後ろの距離を測ることです。23.5cmという基準を挟んで標準かミニかを決めるだけで、走行中のずれと音の痩せという最大の不満要因を先回りして潰せます。走りながら周囲の音を残しておくという原則も、あわせて習慣にしてください。

※価格・仕様・在庫状況は変動します。購入前に各メーカーの公式サイトで最新情報をご確認ください。

👟 ランニング道具の選び方

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フルマラソン完走を目指して日々トレーニング中の市民ランナー。シューズ選びやトレーニングメニュー、大会レポートなど、走ることを楽しむすべての人に役立つ情報を発信しています。初心者ランナーの気持ちに寄り添った記事を心がけています。

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