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10kmを超えたあたりでスマホの残量が20%を割り、ランニングアプリのGPSログが最後まで残るか気になって走りに集中できない——ロング走や通勤ランを習慣にしているランナーなら、一度は経験する場面だと思います。かといって分厚いモバイルバッテリーをポーチに入れると、腰の上でゴツンと跳ねて走りのリズムが崩れます。
結論から書きます。MATECHの「MagOn Ultra Slim 5000」は、厚さ6.9mm・重量110gという公式スペックを持つMagSafe対応のモバイルバッテリーで、ランニングポーチの中で存在感を消せる数少ない5000mAhクラスです。ただし万能ではありません。ワイヤレス充電の規格はQi1どまりで、Qi2対応の新しい兄弟モデルと比べると給電スピードでは譲ります。
この記事では、メーカー公式の取扱説明書に記載された数値だけを土台に、この製品がランナーの装備として使えるのか、どんな走り方の人に合ってどんな人には合わないのかを整理します。同価格帯の競合モデルとの厚さ・重量・価格の差、レース遠征で飛行機に乗るときのルールまで、買う前に知っておきたい情報をひととおり揃えました。
・公式取扱説明書に載っているサイズ・重量・出力の実際の数値
・ランニングポーチに入れて走るときの現実的な使い方と限界
・Qi2対応の兄弟モデルや競合モデルとの厚さ・価格の違い
・レース遠征で飛行機に乗るときのモバイルバッテリーの扱い方
magon ultra slim 5000の正体|厚さ6.9mm・110gの公式スペックを読み解く

取扱説明書が示す本当のサイズは「カード2枚分の面積」
MATECHが公開しているMagOn Ultra Slim 5000の取扱説明書によると、型番はMTMOUS50、寸法は高さ102.6mm・幅68mm・厚さ6.9mm、重量は110gです。面積としてはクレジットカードを2枚並べたくらい、厚みは名刺を10枚ほど重ねた程度に収まります。
この数字がランナーにとって意味を持つのは、ウエストポーチの「平たいポケット」に素直に入るかどうかという一点です。厚さが1cmを超えるバッテリーはポーチの中で角が立ち、腰骨に当たる感覚が残ります。厚さ6.9mmなら、スマホと重ねてポーチの背面側に寝かせても、ポーチ全体の厚みがほとんど増えません。
注意点は重量です。110gは軽い部類ですが、ゼロではありません。スマホ本体と合わせると300g前後の荷物を腰に巻くことになり、ポーチのベルトが緩いと確実に揺れます。軽さだけを見て「体感ゼロ」を期待すると裏切られます。
5000mAhはランナーにとって何時間分の保険になるか
バッテリー容量は5000mAh、電力量に直すと19.25Whです。MATECHは同じ5000mAhの兄弟機であるMagOn Ultra Blade 5000について、公式プレスリリースで「iPhoneを約1回充電できる」容量だと案内しています。つまりスマホをゼロから満充電に戻すのが精一杯で、2回分は望めません。
ランニングでの使い方に落とすと、これは「走行中に空になったスマホを復活させる」用途ではなく、「残量が心もとない状態で走り出す日の保険」として機能します。GPSアプリと音楽再生を同時に走らせると電池の減りは加速するので、3〜4時間動き続けるロング走やレース当日の待機時間に効いてきます。
逆に、100kmのウルトラマラソンのように十数時間スマホを動かし続ける競技では、5000mAhでは足りません。この容量帯は「半日以内の行動に対する保険」と割り切るのが正解です。
ワイヤレス規格がQi1どまりという事実
取扱説明書の仕様表では、ワイヤレス給電出力は5W、7.5W、10W、15Wと記載されていますが、サポートするワイヤレス規格はQi1です。iPhoneに対するワイヤレス給電は最大7.5Wにとどまり、Qi2対応機のようにMagSafeの高速充電を引き出すことはできません。
ランニングの文脈では、この「遅さ」がそこまで致命傷にならない場面もあります。走っている最中はスマホを操作しないので、貼り付けたまま少しずつ回復してくれれば十分だからです。逆に、レース会場に着いてから30分で一気に回復させたい、という使い方には向きません。
失敗しやすいのは「MagSafe対応と書いてあるから速いはず」と思い込むケースです。マグネットで吸着することと、高速で充電できることは別の話です。スピードを求めるなら、後述するQi2対応モデルを選ぶべきです。
有線に切り替えれば最大22Wという逃げ道がある
ワイヤレスが遅い一方で、有線接続は現行水準を確保しています。USB Type-C出力は5V/3A、9V/2.22A、12V/1.67Aに対応し、サポート規格はUSB Type-C PD3.0、QC4、PPS(最大22W)です。入力側も5V/3A、9V/2A、12V/1.5Aに対応するので、本体の充電も待たされません。
実用的な使い分けはシンプルです。走っている間はケーブルが暴れるのでワイヤレスで貼り付け、走り終わってカフェや電車で座ったらケーブルを挿す。この2段構えなら、Qi1という制約はかなり薄まります。
ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチのような低電流機器に給電したい場合は、Type-C同士のケーブルでつないだうえで残量表示ボタンを長押しし、低電流モードに切り替える操作が必要だと取扱説明書に明記されています。何も知らずに挿して「充電されない」と判断すると、使える機能を取りこぼします。
公式取扱説明書の仕様表では、型番MTMOUS50、寸法は高さ102.6mm×幅68mm×厚さ6.9mm、重量110g、容量5000mAh(3.85V、19.25Wh)。ワイヤレス規格はQi1、有線はPD3.0/QC4/PPS対応で最大22Wと記載されています(出典:MATECH公式取扱説明書)。
ランナーがモバイルバッテリー選びで転ぶ3つの場面
ロング走の後半にGPSログが途切れる
30km走の終盤でスマホの電源が落ち、その日の走行データが丸ごと消える。これはランニングアプリを使う人が一度は踏む地雷です。GPSを常時取得するアプリはスマホの電池を強く消耗し、そこに音楽再生と画面点灯が重なると、走り出しに50%あった残量が2時間で危険域に入ることも珍しくありません。
対策の第一歩は、バッテリーを足すことではなく、走行時間を把握することです。1時間半以内で終わるジョグなら、バッテリーを持たずに省電力モードで走ったほうが軽くて快適です。持つべきは、3時間を超えるロング走とレース当日、そして山や海沿いなど電波が弱い場所を走る日です。
それでも走行データを確実に残したいなら、記録役をGPSウォッチに移し、スマホは連絡手段に徹させる分担が堅実です。時計側で記録していれば、スマホの電池が切れても記録は消えません。

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ポーチの中でバッテリーが暴れて集中を削がれる【失敗パターン1】
よくある失敗が、容量重視で10000mAhクラスの分厚いバッテリーを買い、ポーチに入れて走って後悔するパターンです。厚みのある個体はポーチの中で回転し、走るリズムに合わせて腰を叩きます。1kmごとに位置を直しているうちに、ペースへの集中が切れます。
原因は容量ではなく形状です。同じ重量でも、平たく面積が広い個体はポーチの生地に沿って寝てくれるため回転しにくく、厚みのある個体は角から動きます。厚さ6.9mm・高さ102.6mm・幅68mmという形状は、この「寝かせて固定する」条件に噛み合っています。
対策は、購入前にポーチの収納部を確認し、バッテリーとスマホを重ねて入れても口が閉まるかを見ることです。ポーチが伸縮素材なら、バッテリーとスマホの間に薄いタオルを1枚挟むだけでも動きは止まります。
汗と雨で端子まわりが先に寿命を迎える
ランナー特有の落とし穴が、汗による腐食です。ウエストポーチの内側は走行中に想像以上の湿気がこもり、USB Type-C端子の内部に汗の塩分が入り込むと、接触不良や充電不能につながります。取扱説明書にも「水まわり、湿気のある場所では絶対に使用しない」「水につけたり、水をかけたりしない」と明記されています。
使い方としては、ジップ付きのポリ袋に入れてからポーチへ入れる、という古典的な方法が確実です。袋越しでもマグネットは効きますし、ワイヤレス給電も通ります。雨の日のランでも同じ対策がそのまま使えます。
注意したいのは、走行後の扱いです。汗を吸ったポーチに入れっぱなしで一晩置くと、乾く過程で塩分が端子に残ります。帰宅したらポーチから出して、乾いた場所で保管する習慣をつけるだけで寿命が変わります。
モバイルバッテリーは防水製品ではありません。取扱説明書でも湿気のある場所での使用は禁止されています。汗・雨に触れる可能性があるランニングでは、ジップ袋やドライポーチに入れて携行し、走行後はポーチから出して乾かしてください。
走りながら充電は現実的か?3つの持ち方を比べる

ウエストポーチ収納が基本形になる理由
結論として、ランニング中にこの製品を持つならウエストポーチ一択です。腰は上下動が体の中で比較的小さく、ベルトを締めれば110gの荷物は身体の一部として動きます。スマホと重ねてポーチの背面側に寝かせ、マグネットで貼り付けたまま入れておけば、ケーブルが暴れることもありません。
選ぶポーチは、収納部が縦に長く伸縮性のあるタイプが噛み合います。高さ102.6mm・幅68mmという寸法は多くのランニングポーチの収納部に収まりますが、小型のミニマルポーチだとスマホだけで容量を使い切るものもあります。
注意点は、ポーチのベルトを普段より1段きつく締める必要があることです。荷物が増えた分だけ揺れの慣性が大きくなるので、いつもと同じ締め具合だと走り出して数分で下がってきます。

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アームバンドとの併用は勧めにくい
マグネットで貼り付くという特性から、「スマホの背面に付けてアームバンドで腕に巻けばいいのでは」と考えたくなりますが、これは勧められません。スマホ単体でも腕に巻くと重さを感じるところに110gが加わると、腕振りのたびに前腕が引っ張られ、左右のバランスが崩れます。
もう一つの問題が固定力です。マグネット吸着は静止状態では十分でも、腕振りのような繰り返しの加速度が加わると、汗で滑ったケースやカバー越しの装着時にずれが出ます。落として画面を割れば、バッテリー代よりはるかに高い出費になります。
どうしても上半身で持ちたい場合は、腕ではなく胸や背中に近い位置——ランニングベストの前ポケットに入れる方法のほうが揺れません。体幹に近いほど、荷物は暴れなくなります。
実はこの製品の本領は「走る前後」にある
意外と知られていませんが、超薄型バッテリーがランナーにとって効くのは走行中よりも「走る前後」です。レース当日は、会場入りしてからスタートまでの待機時間、そしてゴール後の待ち時間にスマホを使い続けることになります。荷物預けの締切後にスマホが空になる事故は、走行中の電池切れよりずっと頻繁に起きています。
会場での待機、家族との合流連絡、記録アプリの起動、写真撮影。レース当日にスマホが働く時間は、実際に走っている時間より長くなりがちです。厚さ6.9mmのバッテリーなら、ジャケットの内ポケットに入れても膨らまず、スタート直前まで貼り付けたまま充電を続けられます。
この使い方なら、Qi1どまりのワイヤレス出力もほとんど問題になりません。待機時間は数十分単位で確保できるため、7.5Wでもスタート時に必要な残量には届きます。走行中に急速充電する必要がある場面のほうが、実は少ないのです。
注意点は、レース会場が屋外の場合の温度です。真夏の直射日光や真冬の氷点下では、リチウムイオン電池は性能が落ちます。取扱説明書でも高温になる場所・直射日光の当たる場所での充電は禁止されているので、荷物袋の内側に入れておくのが無難です。
- Step1: いつものランニングポーチの収納部にスマホを入れ、余白の厚みを指で測る
- Step2: 次のロング走でGPSアプリの電池消費を記録し、何時間で危険域に入るか把握する
- Step3: 電池切れが3時間以内に来るなら薄型バッテリーを追加、来ないなら省電力設定で済ませる
4モデルを厚さ・重量・価格で並べてわかったこと
超薄型5000mAhクラス4モデル比較(ランニングスタイル調べ)
ランニングポーチに入れる前提で、5000mAhのマグネット式モデルを公式スペックだけで横並びにしました。数値はすべて各社の取扱説明書・公式製品ページ・公式プレスリリースの記載値です。
| モデル | 厚さ | 重量 | ワイヤレス規格 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| MATECH MagOn Ultra Slim 5000 | 6.9mm | 110g | Qi1(最大7.5W/iPhone) | 実勢5,990円前後(時期により変動) |
| MATECH MagOn Prime Ultra Slim 5000 | 6.9mm | 約99g | Qi2(最大15W) | 6,990円 |
| MATECH MagOn Ultra Blade 5000 | 7.55mm | 122g | Qi2(最大15W) | プライムデーセール時4,990円 |
| Anker Nano Power Bank (5000mAh, MagGo, Slim) | 8.6mm | 約110g | Qi2(最大15W) | 7,990円 |

並べてみると、厚さの最小と最大の差は1.7mmしかありません。カタログ上の差はわずかですが、ポーチに入れたときの体感はこの1.7mmで変わります。
厚さの差はどこに出るのか
MagOn Ultra Slim 5000とMagOn Ultra Blade 5000の厚さ差は0.65mm、重量差は12gです。数字だけ見れば誤差の範囲に思えますが、スマホと重ねてポーチに入れると、ポーチの口が素直に閉まるかどうかの分かれ目になることがあります。伸縮しない生地のポーチほど差が出ます。
使い分けの目安はこうです。ポーチの収納部に余裕があるなら、厚さの差は無視してQi2対応モデルを選んだほうが充電速度で得をします。逆に、スマホでほぼ埋まる薄型ポーチを愛用しているなら、6.9mmの2モデルから選ぶ意味があります。
注意したいのは、厚さだけで選んで重量を見落とすことです。MagOn Ultra Blade 5000は122gで、Ultra Slim 5000より12g重くなります。腰に巻く荷物の12gは、シューズの12gほどには効きませんが、軽量ポーチ派なら気づく差です。
価格差の正体はQi2に対応しているかどうか
価格を見ると、Qi2対応のAnker Nano Power Bank (5000mAh, MagGo, Slim)がAnker Japan公式ストアで7,990円、同じくQi2対応のMagOn Prime Ultra Slim 5000が6,990円です。一方でQi1のMagOn Ultra Slim 5000は実勢5,990円前後で、この差はほぼ「Qi2に対応しているか」で説明がつきます。
ランナーにとってこの価格差をどう見るかは、スマホを使う時間帯で決まります。走行中に貼り付けておくだけならQi1で足り、レース会場で短時間に回復させたいならQi2の15Wが効きます。
注意点として、価格は変動します。MATECHはプライムデーなどのセールでMagOn Ultra Blade 5000のシルバーを4,990円で販売した実績があり、タイミング次第でQi2対応モデルのほうが安くなる逆転も起こります。定価だけで判断せず、購入時点の実売価格を確認してください。
4モデルの厚さ差は最大でも1.7mm。ポーチに余裕があるならQi2対応モデル、スマホでポーチが埋まる人だけが6.9mmを選ぶ意味を持ちます。厚さは「ポーチの口が閉まるか」で判断してください。
magon ultra slim 5000が合うランナー・合わないランナー
合うのは1〜2時間のジョグと通勤ランをする人
この製品が噛み合うのは、片道30〜60分の通勤ランや、週末の1〜2時間ジョグを習慣にしているランナーです。走行中の消費なら5000mAhで十分に足り、厚さ6.9mmという形状はポーチだけでなくランニングベストの胸ポケットにも収まります。
通勤ランでは、走ったあとに職場でスマホを使い続けることになります。走行中はワイヤレスでゆるく足しておき、デスクに着いたら有線のPD22Wで一気に戻す。この流れなら、Qi1という制約が実質的に消えます。
注意点は、この使い方でも本体側の充電を忘れると意味がないことです。5000mAhはスマホ約1回分なので、週2回程度は本体を満充電に戻す運用が前提になります。
合わないのはウルトラとトレイルを走る人
逆に向かないのは、100kmのウルトラマラソンやロングトレイルを走るランナーです。行動時間が10時間を超える競技では5000mAhでは足りず、10000mAh以上の容量が必要になります。厚さより容量が優先される領域です。
さらにトレイルでは、防水性能のない製品を長時間携行するリスクが上がります。沢の渡渉、突然の雨、ザック内の結露。この製品の取扱説明書は湿気のある場所での使用を禁止しており、山での使用を想定した設計ではありません。
それでもマグネット式の利便性を山で使いたいなら、防水スタッフバッグに入れたうえで、あくまで補助として持つ形になります。メインの電源は防水仕様のバッテリーに任せるのが現実的です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 厚さ6.9mmでポーチの口が閉まる 110gでスマホと重ねても腰が重くならない 有線はPD3.0/QC4/PPSで最大22W 製品登録で保証を2年間に延長できる | ワイヤレスはQi1でiPhoneは最大7.5W 防水性能はなく汗・雨対策が別途必要 5000mAhはスマホ約1回分で長時間走には不足 残量表示は兄弟モデルほど詳細ではない |
買う前にポーチの内寸を測らないと失敗する【失敗パターン2】
薄型バッテリーで最も多い買い物の失敗が、「薄いから入るはず」と寸法を確認せずに買い、ポーチの収納部の横幅が足りずに斜めにしか入らない、というケースです。厚さは6.9mmでも、高さ102.6mm・幅68mmという面積は決して小さくありません。
原因は、薄さの数値だけが頭に残り、縦横のサイズが抜け落ちることです。ランニングポーチの収納部は、スマホがぴったり入るサイズで設計されているものが多く、そこにもう1枚同じくらいの面積のものを差し込む余地があるかは別問題になります。
対策は単純で、手持ちのポーチにスマホを入れた状態で、残りの隙間に定規を当ててみることです。幅68mmと高さ102.6mmが入る余地がなければ、バッテリーではなくポーチのほうを買い替える判断になります。
ポーチの口が閉まる薄さで通勤ランの電池切れを防ぐなら、6.9mmのこの1台▼
買う前に知っておきたい弱点と兄弟モデルの違い
Qi2非対応という割り切りをどう受け止めるか
この製品の最大の弱点は、ワイヤレス規格がQi1にとどまることです。Qi2に対応した現行モデルが最大15Wでワイヤレス充電できるのに対し、本機のiPhone向けワイヤレス給電は最大7.5W。同じ時間貼り付けても、回復量に差が出ます。
ただし、この差が問題になるのは「短時間で回復させたい」場面に限られます。走行中に1時間貼り付けておく、就寝中に机の上で足しておく、といった時間に余裕のある使い方なら、7.5Wでも実用上の不満は出にくいはずです。
注意すべきは、iPhoneと本機を同時に2台充電する場合です。ワイヤレスと有線を同時に使うと出力は分散するので、急いでいるときは1台ずつ充電したほうが結果的に速くなります。
Prime Ultra Slim 5000とUltra Blade 5000の使い分け
MATECHは同じ5000mAhクラスで複数の薄型モデルを展開しています。公式プレスリリースによると、2026年6月22日発売のMagOn Prime Ultra Slim 5000は厚さ6.9mmを保ったままQi2に対応し、重量は約99g、価格は6,990円です。バッテリー残量を1%単位で表示するディスプレイも備えます。
一方のMagOn Ultra Blade 5000は厚さ7.55mm・重量122gで、Qi2に対応しつつ有線出力も最大20Wを確保しています。厚さと重さを受け入れられるなら、こちらも選択肢に入ります。
選び方の目安はこうです。薄さと軽さの両方を取るならPrime Ultra Slim 5000、価格を抑えたいならUltra Slim 5000、セール時の価格を狙うならUltra Blade 5000。3モデルとも厚さは8.6mmを下回るので、ランニング用途ではどれを選んでも「分厚くて邪魔」という失敗にはなりません。
防水性能の記載がないという前提を忘れない
取扱説明書の仕様表には、防水・防塵の等級に関する記載がありません。むしろ安全上の注意として、水まわりや風呂場など湿気のある場所での使用を禁止し、水につけたり水をかけたりしないよう明記しています。
ランニングは汗をかく行為であり、雨天走行の可能性もあります。この製品を装備に組み込むなら、ジップ袋やドライケースをセットで用意することが前提条件です。追加コストは百円程度なので、惜しむ理由はありません。
また、異常時の対応も覚えておく価値があります。取扱説明書は、煙が出ている・異臭がする・内部に水や異物が入った・落として破損したといった場合、直ちに使用を中止するよう指示しています。走行中に落として傷が入ったら、その日のうちに状態を確認してください。
落下・破損したモバイルバッテリーを「まだ使えるから」と使い続けるのは危険です。取扱説明書は、落としたり破損したりした場合は直ちに使用を中止するよう指示しています。ランニング中の落下は起こりうる事故なので、拾ったあとの状態確認を習慣にしてください。
遠征レースで慌てないモバイルバッテリーの扱い方
飛行機に持ち込めるのは2個まで(2026年4月24日から)
地方のマラソン大会に飛行機で遠征するランナーは、ルール改定を把握しておく必要があります。国土交通省の報道発表によると、令和8年4月24日から、機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)までに制限されました。
あわせて、機内においてモバイルバッテリーへの充電をしないこと、モバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないことも求められています。飛行機の中で「到着までにスマホを満タンにしておこう」という使い方はできません。
遠征ランナーにとっての実務は単純です。機内では充電しない前提で、搭乗前に空港のコンセントでスマホ本体を満充電にしておく。バッテリーは手荷物に入れ、預け荷物には入れない。この2点を守れば困りません。
19.25Whという数字が持つ意味
この製品の電力量は19.25Whです。新ルールで上限とされる160Whを大きく下回るため、個数の制限にさえ気をつければ持ち込み自体は問題になりません。
Wh表記は、遠征の際に空港カウンターで確認を求められることがある数値です。取扱説明書や本体表記に記載があるので、初めて飛行機に乗せる前に一度確認しておくと安心できます。容量表記がmAhしかない製品では、係員とのやり取りが長引くことがあります。
注意点は、複数のバッテリーを持つ場合です。ロング走用の10000mAhと、レース当日用の薄型を両方持っていくと、それだけで持込み上限の2個に達します。遠征では持っていく個数そのものを絞る発想が必要になります。
PSEマークと保証期間を買う前に確認する
モバイルバッテリーは、電気用品安全法(PSE)の規制対象です。2018年2月1日に経済産業省からポータブルリチウムイオン蓄電池の規制対象化が発表されており、現在流通する製品にはPSEマークの表示が求められます。購入前に商品ページや本体の表示を確認してください。
保証面では、MagOn Ultra Slim 5000の保証期間は1年間です。製品箱の裏面にあるセキュリティシールを削るとシリアル番号が現れ、公式サイトで製品登録すると保証を2年間まで延長できると取扱説明書に記載されています。買ったら箱を捨てる前に登録するのが得策です。
また、補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後5年と明記されています。長く使う前提なら、購入時のレシートや注文番号を保管しておくことが実質的な保証条件になります。
- ☑ 機内持込みのモバイルバッテリーは2個までに収まっているか
- ☐ バッテリーを預け荷物ではなく手荷物に入れたか
- ☐ 搭乗前に空港でスマホ本体を満充電にしたか
- ☐ 本体の充電残量を出発前に満タンに戻したか
- ☐ 汗・雨対策のジップ袋をポーチに入れたか

「ランニングの持ち物って、結局スマホと鍵だけでいいの?」——走り始めたばかりの人ほど、ここでつまずきます。少なすぎて途中で水分に困ったり、逆にあれもこれもと詰め…
まとめ
ランナーにとってモバイルバッテリーは、速さを競う道具ではなく「気にせず走るための保険」です。MagOn Ultra Slim 5000は厚さ6.9mm・110gという形状で、ポーチの中の存在感を限りなく小さくしてくれます。一方でワイヤレス規格はQi1にとどまり、Qi2対応モデルと比べると急ぐ場面では見劣りします。走行中に貼り付けておき、走り終わったら有線に切り替える——この2段構えを前提にできる人にとっては、価格を含めて素直な選択肢です。まずは手持ちのランニングポーチにスマホを入れ、幅68mm・高さ102.6mmのカードがもう1枚入る余地があるかを確かめてください。そこに余地があるかどうかが、この製品を買う意味があるかどうかの答えになります。
※価格・仕様は変動します。購入前に各メーカーの公式サイトで最新情報をご確認ください。



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