レース中にジェルを取り出そうとしたら、ウエストポーチが揺れて腰が痛い——そんな経験はありませんか。補給食もスマホも持って走りたいけれど、ポーチは邪魔、腰巻きは蒸れる。この「手ぶらで走りたいのに何かを持たなきゃいけない」ジレンマに答えるのが、ザ・ノース・フェイスのエンデュリスレーシングショーツです。
結論から言うと、このショーツはウエストまわりに6つのメッシュポケットを備え、ジェル・スマホ・小型ボトルまでを「揺らさず」収納できる設計が最大の武器です。約135g(Lサイズ)と軽く、はっ水加工で雨や汗でも重くなりにくい。価格は12,100円(税込)と決して安くはありませんが、ポーチを卒業したいランナーには十分に元が取れる一本です。
この記事では、公式スペックをもとに次の4点を具体的な数字で解説します。読み終える頃には、あなたがこのショーツを買うべきか、サイズはどう選ぶかがはっきりわかります。
・エンデュリスレーシングショーツの重量・素材・股下など公式スペックの中身
・6ポケットに何がどれだけ入るか、スマホ・ジェルの現実的な収納力
・サイズ選びで失敗しないコツと、股ずれ・洗濯ケアの注意点
・初心者〜サブ3.5まで、レベル別の使い分けと12,100円のコスパ評価
「補給を持って走る」ランナーにエンデュリスレーシングショーツが刺さる理由

まずはこのショーツがどんな課題を解決するのか、全体像から押さえておきましょう。単なる軽量パンツではなく「収納」に振り切った設計思想が、他のランニングショーツとの決定的な違いです。
ポーチも腰巻きもいらない「収納一体型」という発想
エンデュリスレーシングショーツ最大の特徴は、ウエストまわりをぐるりと囲む6つのメッシュポケットにあります。一般的なランニングショーツはポケットが背面に1つあるかどうかで、ジェルを複数持つならウエストポーチが前提でした。このショーツはショーツ自体に収納を統合することで、別売りのポーチを持たずに補給食・スマホ・鍵を分散配置できます。
収納を体に密着させて分散すると、1か所に重さが集中せず揺れが減ります。フルマラソンでジェルを4〜5個携行するランナーにとって、この「揺れの少なさ」は後半の消耗を左右する実利です。ただし収納力を優先したぶん、真夏の超軽量レースパンツと比べると生地面積は多め。とにかく最軽量を求める上級者には別の選択肢もあります。
「手ぶらで走りたい」を叶える設計思想
ザ・ノース・フェイスはトレイルランニング由来のギア開発に強く、収納を体の一部のように扱うノウハウを持っています。エンデュリスシリーズはその思想をロード・レース向けに落とし込んだラインで、レーシングショーツは「携行品の収納スペースをデザインした軽量・高ストレッチショーツ」として設計されています。
具体的には、スマホは前面ポケット、ジェルは背面や脇、小型ボトルは背面センターと、重さと取り出し頻度でポジションを分けられます。キロ5〜6分のロング走で「補給のたびに立ち止まらない」動線を作れるのが強みです。一方で、通勤ランのように荷物が多い用途には容量が足りません。あくまでラン中の携行品を分散するためのショーツだと割り切りましょう。
この記事の結論を先に伝えておく
先に評価をまとめると、エンデュリスレーシングショーツは「補給や小物を持って長く走る市民ランナー」に最適な一本です。約135gの軽さと高ストレッチ素材で動きを邪魔せず、はっ水加工で天候にも強い。12,100円という価格は、ポーチ+ショーツを別々に揃える手間とコストを考えれば妥当なラインです。
逆に、5km程度のスピード練習しかしない人や、荷物をまったく持たずに走る人にはオーバースペックです。この後のスペック解説とレベル別の使い分けを読めば、自分に合うかどうかが判断できます。
エンデュリスレーシングショーツは「軽さ」より「揺れない収納力」で選ぶショーツ。補給食を複数持つフル・ハーフのレースや30km走で真価を発揮します。
スペックを数字で解剖|135g・股下18.5cm・6ポケットの中身
感覚的な「良さそう」ではなく、公式スペックの数字で中身を見ていきます。重量・素材・股下・型番まで、購入判断に必要な数値を整理します。
重量135g・股下18.5cmという数字が意味すること
エンデュリスレーシングショーツ(メンズ NB72480)の重量は約135g(Lサイズ)です。収納機能を6ポケットぶん備えながらこの軽さは優秀で、一般的な収納なしのランニングショーツ(100〜120g前後)と大きく変わりません。ポケットのぶんだけ重くなる、という心配はほぼ不要です。
股下は18.5cm(Lサイズ)。ランニングショーツとしては標準〜やや長めで、太ももの中間あたりまでカバーします。短すぎるレーパンが苦手な人や、股ずれが気になる人にちょうど良い丈です。逆に、股下10cm前後の短いレースパンツに慣れた上級者には「長い」と感じる可能性があります。丈の好みは分かれるので、店頭で実物を確認するのが確実です。
本体素材とウエスト素材の役割分担
本体はリサイクルポリエステル86%・ポリウレタン14%のストレッチ織物で、DWR(耐久はっ水)加工が施されています。ポリウレタン14%が伸縮を担い、脚の可動域を邪魔しません。リサイクル素材を使っている点は、環境配慮を重視するランナーには評価ポイントです。
ウエスト部分は別素材で、ナイロン65%・ポリウレタン35%のストレッチトリコット(ドライタッチ)を採用。ウエストのポリウレタン比率を高めることで、ポケットに補給食を入れても伸びてフィットし、ずり落ちを防ぎます。汗を吸ってもドライタッチで肌離れが良い設計です。ただしポリウレタン比率が高い生地は経年で伸縮が落ちやすいため、長く使うなら後述の洗濯ケアが重要になります。
【ランニングスタイル調べ】収納系ショーツの重量・ポケット比較
収納機能つきショーツを検討する際の基準として、エンデュリスの位置づけを重量・ポケット数・股下・価格で整理しました。数値は各公式情報およびランニングスタイル調べによるものです。
| 項目 | エンデュリスレーシングショーツ | 一般的な収納なしショーツ |
|---|---|---|
| 重量(Lサイズ) | 約135g | 100〜120g前後 |
| ポケット数 | 6(メッシュ)+脇・背面ボトル | 0〜1 |
| 股下 | 18.5cm | 10〜18cm |
| 価格(税込) | 12,100円 | 4,000〜8,000円 |
ポケットの多さと引き換えに価格は上がりますが、別途ポーチ(3,000〜6,000円)を買う前提なら差は縮まります。収納をショーツに統合するか、ポーチで分けるかの選択です。
型番・カラー・在庫の見方
メンズはNB72480、レディースはNBW72480が型番です。2026年春夏モデルとして展開され、原産国はベトナム。カラーはブラックのほか、ディープラグーンやスレートグレーなど複数展開されますが、公式ストアでは人気色から在庫が薄くなる傾向があります。
購入時は型番とサイズ、カラーの在庫を公式で確認するのが確実です。ブラックは定番で在庫が安定しやすい一方、限定色は再入荷通知に頼ることになります。狙いの色がある場合はシーズン序盤に押さえておくのが安全です。価格やカラー展開は変動するため、最終確認はザ・ノース・フェイス公式ストア(Goldwin)で行ってください。
公式スペックでは本体がリサイクルポリエステル86%・ポリウレタン14%(DWRはっ水)、ウエストがナイロン65%・ポリウレタン35%。重量約135g・股下18.5cm(いずれもLサイズ)。(出典:ザ・ノース・フェイス公式ストア)
6つのメッシュポケットは何がすごい?スマホ・ジェルの収納力を検証

このショーツの心臓部が6ポケット構成です。ただ数が多いだけでなく、配置とサイズに意味があります。何がどれだけ入るのか、現実的な収納力を見ていきます。
6ポケットの配置と、それぞれの深さ・幅
ポケットはウエストをぐるりと囲むように前面3つ・背面3つの計6つが配置されています。前面は中央(深さ約7cm・幅約17cm)と左右(深さ約7cm・幅約9cm)、背面は中央(深さ約8cm・幅約19cm)と左右(深さ約8cm・幅約10cm)という構成です。すべてメッシュ素材で、汗抜けと軽さを両立しています。
この配置の利点は、重い物を背面センターに、取り出し頻度の高い物を前面や脇に分けられること。走行中に手が届きやすい前面はジェル、揺れてほしくない物は背面と、役割分担ができます。ただしメッシュゆえに鋭利な物や小さすぎる物(小銭など)はこぼれる可能性があるので、鍵は落下防止のループがある場所を選ぶのが安全です。
スマホは6インチまでが目安。大型端末は要注意
実用上の注意点として、スマホは6インチクラスまでが快適に収まる目安です。iPhoneの大型モデル(Pro Maxクラス)は前面中央ポケットに入れると出し入れがきつく、走行中に圧迫感が出ることがあります。大画面スマホユーザーは、店頭で自分の端末を入れてから買うのが失敗を防ぐコツです。
逆に、標準サイズのスマホや音楽プレーヤー、カード類なら余裕をもって収まります。前面中央は幅17cmと広く、横向きに入れれば安定します。走行中の揺れが気になる場合は、スマホを背面センターの深いポケットに移すと安定性が増します。取り出しやすさと安定性はトレードオフなので、練習で自分のベストポジションを探しておきましょう。
ジェル・補給食の収納術とレース戦略
フルマラソンでジェルを4〜5個持つ場合、このショーツなら前面左右と背面左右に分散配置できます。摂取タイミングが早い1〜2個目を前面に、後半用を背面に入れておけば、走りながら順番に取り出せます。ポーチのように前でかさばらないので、腕振りを邪魔しないのも利点です。
注意点は、ジェルを詰め込みすぎると総重量が増え、ウエストがわずかに下がること。5個以上持つならウエストのスピンドル(ひも)を軽く締めて対策します。補給食の種類・量・タイミングの組み立て方は、別記事でも詳しく解説しています。

フルマラソンを走ったことがある人なら、30km手前で急に脚が重くなる「あの感覚」を一度は経験しているのではないでしょうか。練習は十分だったはずなのに、後半になる…
6ポケットの真価は「レース前の不安が減る」こと。ジェルを何個持つか、どこに入れるかを練習で固定できると、当日は補給ミスの心配なく走りに集中できます。収納が多いショーツは、メンタル面の保険としても効きます。
背面センターの「ボトルポケット」はどこまで使えるか
背面中央のポケットは深さ約8cm・幅約19cmと最も大きく、ソフトフラスク(小型ボトル)を挿すことも想定した作りです。給水所の少ないトレイルやロング走で、200〜250mlのソフトフラスクを1本携行できるのは心強いポイントです。腰の中央に配置されるため、左右のブレも出にくくなっています。
ただしフルボトルを入れると重量が増え、上下動が出やすくなります。満タンより、飲みながら軽くしていく前提で使うのが快適です。ロードのフルマラソンで給水所が2〜3kmごとにあるレースなら、ボトルは持たずジェル中心の運用で十分。使うシーンを選べば強力ですが、常用は用途次第だと理解しておきましょう。
はっ水と高ストレッチ素材が生む「濡れても軽い」走り心地
収納性ばかり注目されますが、素材そのものの走り心地も見逃せません。はっ水加工と高ストレッチが、天候と動きの両面で効いてきます。
DWRはっ水で、雨も汗も生地に溜めない
本体素材にはDWR(耐久はっ水)加工が施されており、小雨や汗が生地に染み込みにくく、水を弾いて表面を流れ落とします。これにより濡れても生地が重くなりにくく、走行中のべたつきや冷えを抑えられます。急な雨のレースや、汗をかきやすい夏場のロング走で違いを感じやすい機能です。
ポリエステル系のはっ水生地は乾きも速く、汗をかいてもすぐに乾いて軽さを保ちます。ただし土砂降りのような大量の水には耐えきれず、レインウェアのような防水ではない点は理解しておきましょう。あくまで「濡れても走りに支障が出にくい」レベルの機能です。過信して雨天レースの防寒対策を怠らないよう注意してください。
ポリウレタン14%の高ストレッチが可動域を邪魔しない
本体のポリウレタン14%、ウエストの35%という高い伸縮率が、脚の前後動やストライドを妨げません。ダッシュやペース走で大きく脚を振っても、生地の突っ張りやポケットからの飛び出しが起きにくい設計です。可動域を邪魔しないショーツは、フォームを崩さず走り続けるうえで地味に重要です。
股下18.5cmの丈でも、ストレッチが効いているため階段の上りやトレイルの段差でも窮屈さが出ません。一方、伸縮性が高い生地はサイズが合っていないとフィットが緩くなり、収納した物が揺れやすくなります。ストレッチを活かすには、後述のサイズ選びが前提になります。
失敗パターン①:洗濯でDWRが落ちて撥水しなくなった
よくある失敗が「何度も洗ううちに水を弾かなくなった」というもの。DWRはっ水は永久ではなく、洗濯や摩擦で徐々に低下します。柔軟剤を使うとはっ水成分が油膜で覆われ、機能が落ちやすくなるのが典型的な原因です。柔軟剤なしで洗い、はっ水が弱ったら低温のアイロンや乾燥機の熱で回復させるのが基本ケアです。
対策は、①柔軟剤を使わない、②ネットに入れて摩擦を減らす、③はっ水が落ちたら市販のはっ水スプレーで補う、の3点。ポリウレタンを含む生地は高温に弱いので、乾燥機は低温設定にとどめます。ケアを怠ると数か月で撥水しなくなるため、長く使うほどケアの差が寿命を分けます。
柔軟剤ははっ水機能の大敵。エンデュリスのようなDWR加工ウェアは「柔軟剤なし・高温を避けて洗う」が鉄則です。撥水が落ちたら熱で回復、それでもダメならはっ水スプレーで補いましょう。
レースで失敗しない使い方|サイズ選びとインナー問題
スペックが良くても、サイズとインナーを間違えると本領を発揮できません。ここでは購入前後に必ず押さえたい実用ポイントを解説します。
サイズ選びの正解|ウエストと股下の合わせ方
収納系ショーツはサイズ選びが特に重要です。ポケットに物を入れる前提なので、ウエストがぴったり〜やや余裕がある方が、荷重でずり落ちにくくなります。普段Mサイズの人はまずMを基準にしつつ、補給を多く持つならウエストのフィット感を優先して選びます。ストレッチが効くぶん、迷ったら小さめより標準サイズが無難です。
股下は18.5cm(L)を目安に、太ももの張りや好みの丈で微調整します。太ももが太めの人がサイズを下げると、生地が張り付いて可動域が制限されがちです。試着できるなら、その場で軽く脚を上げてみて突っ張らないか確認しましょう。レディースはメンズより股下が短い設定なので、丈の好みで選ぶと失敗しません。
失敗パターン②:ワンサイズ下げて股ずれ・窮屈で撃沈
もう一つの典型的な失敗が、「細く見せたい」「フィットさせたい」とワンサイズ下げて買い、レース後半で股ずれや窮屈さに苦しむケースです。小さいショーツは内ももの生地が擦れやすく、30km過ぎに股ずれの痛みで失速——という展開は珍しくありません。フィット感と快適性はイコールではない点に注意が必要です。
対策は、①ウエストは荷重を支えられる標準サイズを選ぶ、②内ももが擦れる人はワセリンや保護クリームを併用する、③長時間走るほど余裕を持たせる、の3つ。特にフルマラソンでは、練習で30km以上履いて股ずれの有無を確認してから本番に臨むのが安全です。ぶっつけ本番でレース用ショーツを下ろすのは避けましょう。
インナー問題|一体型がないので下は自分で用意する
エンデュリスレーシングショーツはインナーパンツ一体型ではないため、下に履くアンダーウェアやサポートタイツは自分で用意する必要があります。素肌に直接履くと股ずれやずれ上がりの原因になりやすいので、吸汗速乾のインナーやランニング用アンダーを合わせるのが基本です。ここを軽視するとせっかくの快適性が台無しになります。
おすすめは、レース用の薄手インナーやコンプレッション系を下に履く運用。真夏は通気性重視、冬はタイツと重ねるなど季節で使い分けます。ウェア全体の組み合わせや季節別の選び方は、こちらの記事も参考になります。

- Step1: 普段のサイズで試着し、脚を上げて突っ張らないか確認する
- Step2: 本番で持つジェルの数だけポケットに入れ、揺れと取り出しを練習する
- Step3: 30km走で股ずれ・ずり落ちがないか本番前に必ずテストする
洗濯・ケアで寿命を延ばす
ポリウレタンを含む高ストレッチ生地は、ケア次第で寿命が大きく変わります。基本は洗濯ネットに入れ、柔軟剤を避け、陰干しでの自然乾燥。高温の乾燥機やアイロンは生地とはっ水を傷めるため、使うなら低温設定にとどめます。汗をかいたら早めに洗い、塩分や皮脂を残さないことも劣化防止に効きます。
収納ポケットのメッシュは砂や小石が挟まりやすいので、洗う前に裏返して払っておくと目詰まりを防げます。こうした地道なケアで、伸縮性とはっ水を長く保てます。安くない一本だからこそ、扱い方で「2シーズンで買い替え」か「4シーズン戦力」かが変わります。
初心者・サブ4・サブ3.5でこう使い分ける|レベル別活用法
同じショーツでも、走力や目標によって最適な使い方は変わります。ここでは3つのレベルに分けて、エンデュリスレーシングショーツの活かし方を提案します。
初心者(完走目標)|補給の不安をショーツで解消する
初マラソン完走を目指す人にこそ、6ポケットの安心感が効きます。初心者は補給のタイミングや量に慣れておらず、ジェルを多めに持って安心したいもの。このショーツならポーチなしでジェル4〜5個と鍵・スマホを分散でき、荷物のことを気にせず「完走」だけに集中できます。フォームがまだ安定しない段階でも、揺れが少ないぶん余計なストレスが減ります。
注意点は、初心者ほど練習量が少なく、レース用ショーツを本番でいきなり使いがちなこと。必ず20〜30kmのロング走で履き慣らし、股ずれやフィットを確認してから本番に臨みましょう。完走目標なら丈は長めの18.5cm設定が安心で、股ずれリスクも下げられます。
中級者(サブ4〜サブ5)|練習とレースを1本で兼ねる
サブ4〜サブ5を狙う中級者には、練習でもレースでも使える汎用性が魅力です。ペース走やロング走で補給を持ちながら走り込み、本番でも同じ収納運用を再現できます。練習と本番で装備が変わらないと、当日のトラブルが減るのが最大の利点です。キロ5〜6分のペースなら、収納による多少の重さは記録にほぼ影響しません。
この層は複数のジェルを計画的に摂る戦略が有効なので、ポケットに摂取順で並べておくと補給ミスを防げます。デメリットは、スピード練習で最軽量を求める日には少しオーバースペックなこと。ポイント練習用に軽量ショーツを別で持ち、ロング・レース用にエンデュリスと使い分けると無駄がありません。
上級者(サブ3.5以上)|丈と重量をどう捉えるか
サブ3.5以上を狙う上級者は、1gと空気抵抗にシビアなため、股下18.5cm・135gを「やや重め・やや長め」と感じる場合があります。ガチのレースパンツとして最軽量を求めるなら、股下の短い専用レーパンに軍配が上がります。エンデュリスはむしろ、ロング走やトレイル、給水の少ないレースで補給を持ち運ぶ用途で真価を発揮します。
とはいえ、ウルトラマラソンやトレイルでは収納力が武器になり、上級者でも活躍の場は多いです。ロードのタイムトライアルは専用レーパン、補給が要るロング系はエンデュリス、と用途で割り切るのが賢い使い方。1本で全部をまかなうより、目的別に道具を選ぶ発想が記録につながります。
- ☑ 初心者:補給を多めに持って完走に集中したい
- ☑ 中級者:練習とレースを同じ装備で運用したい
- ☑ 上級者:ロング走・トレイル・給水少なめレースの補給用に
12,100円は高い?他ショーツと比べて見えるコスパの正体
最後に、多くの人が引っかかる価格の話です。12,100円という金額をどう捉えるべきか、他の選択肢と比べて冷静に評価します。
12,100円の内訳と、何にお金を払っているか
エンデュリスレーシングショーツの価格12,100円(税込)は、収納なしのランニングショーツ(4,000〜8,000円)と比べると高めです。ただしこの差額は、6ポケットの収納機能・DWRはっ水・リサイクル高ストレッチ素材という付加価値に対する対価です。単なる布のパンツではなく「ウェアラブルな収納ギア」と考えると評価が変わります。
ザ・ノース・フェイスというブランドの品質・耐久性も価格の一部です。安価なショーツは1〜2シーズンで生地がへたることもありますが、適切にケアすれば長く戦力になります。とはいえ、収納機能を使わないなら割高なのも事実。自分の走り方に収納が必要かで、コスパの評価は大きく分かれます。
逆張り視点|実は「ポーチ卒業」がいちばんのコスパ
意外と見落とされがちですが、このショーツの本当のコスパは「ポーチを買わなくて済む」点にあります。ランニングポーチは3,000〜6,000円、それに収納なしショーツ4,000〜8,000円を足せば、合計は1万円を超えることも珍しくありません。収納をショーツに統合してしまえば、装備が1つ減り、走行中の揺れや装着の手間も消えます。
さらに、ポーチは体の1か所に荷重が集中して揺れやすいのに対し、エンデュリスは6ポケットに分散するため揺れが少ない。快適性まで含めれば、価格以上の価値を感じる人は多いはずです。もちろん「荷物の量で使い分けたい」人はポーチが便利な場面もあるので、両者の特徴を知ったうえで選ぶのが賢明です。ポーチ派の選び方はこちらが参考になります。

「スマホを手に持って走るのがしんどい」「カギとジェルを入れる場所がなくて、結局ポケットに突っ込んでパンパンになる」——ランニングを続けていくと、ほぼ全員がぶつか…
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 6ポケットで補給・スマホを分散収納 ポーチ不要で揺れが少ない DWRはっ水で濡れても軽い 高ストレッチで可動域を邪魔しない | 12,100円と価格は高め 大型スマホ(Pro Max級)は入れにくい インナー一体型ではない 最軽量レーパンより股下は長め |
買う前の最終チェックリスト
購入で後悔しないために、判断材料を整理します。以下に多く当てはまるなら、エンデュリスレーシングショーツは投資に見合う一本です。逆にほとんど当てはまらないなら、収納なしの軽量ショーツで十分かもしれません。自分の走り方と照らし合わせてみてください。
特に「補給を複数持つ」「ポーチの揺れが嫌」「ロング走やトレイルが多い」という人は相性が良好です。一方、5km前後の短い練習が中心で手ぶら派なら、機能を持て余します。価格に納得できるかは、収納機能を実際に使う頻度で決まります。
- ☑ フル・ハーフでジェルを複数持って走る
- ☑ ウエストポーチの揺れやかさばりが気になる
- ☐ 30km走やトレイルなど長い距離を走る機会が多い
- ☐ 使うスマホは6インチクラスまで
まとめ|補給を持って走るなら「収納一体型」で走りが変わる
ザ・ノース・フェイスのエンデュリスレーシングショーツは、6つのメッシュポケットで補給食・スマホ・小型ボトルを揺らさず収納できる「収納一体型」のランニングショーツです。約135g(Lサイズ)と軽く、DWRはっ水と高ストレッチ素材で天候と動きの両面に強い。価格は12,100円(税込)とやや高めですが、ポーチを別途買う手間とコストを考えれば納得できるラインです。補給を持って長く走る市民ランナーにとって、走行中の不安を減らしてくれる実用的な一本と言えます。
一方で、5km前後のスピード練習しかしない人や、荷物をまったく持たない手ぶら派にはオーバースペック。大型スマホが入れにくい、インナー一体型ではない、最軽量レーパンより股下が長めといった弱点もあります。自分の走り方に「収納」が必要かどうかが、買うべきかの分かれ目です。
・重量約135g・股下18.5cm(Lサイズ)、本体はリサイクルポリエステル86%+ポリウレタン14%のDWRはっ水素材
・ウエストを囲む6メッシュポケット+脇・背面ボトルポケットで補給を分散収納できる
・スマホは6インチまでが目安。大型端末は店頭で要確認
・サイズはウエストの荷重を支える標準サイズが基本。ワンサイズ下げは股ずれの原因
・柔軟剤なし・低温ケアではっ水と伸縮を長持ちさせる
・12,100円は「ポーチ+ショーツ」を1本に統合するコストと考えれば妥当
最初の一歩は、本番で持つジェルの数だけポケットに入れて、近所を10km走ってみることです。揺れの少なさと取り出しやすさを体で確かめれば、このショーツが自分に合うかどうかがはっきりします。合うと感じたら、30km走で股ずれとフィットを最終確認してからレース本番へ。道具は「本番前に使い込んでこそ」味方になります。あなたの次のレースが、補給の不安なく走り切れるものになりますように。
※本記事のスペック・価格は執筆時点の公式情報に基づきます。最新の価格・カラー・在庫はザ・ノース・フェイス公式ストアでご確認ください。

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